谷川俊太郎 長谷川宏 /朝日文庫
テーマは「生・老・死」。谷川俊太郎の30編の詩に対し、長谷川宏が短文をつけていく。批評ではなく、詩に対立しつつ、同調するその文章には小難しさが全く無く、子供の頃からの思い出などを絡ませ、感性豊かな人柄を感じた。
好きな詩が沢山ありました。
「川」
母さん
川はどうして笑っているの
太陽が川をくすぐるからよ
母さん
川はどうして歌っているの
雲雀が川の声をほめたから
母さん
川はどうして冷たいの
いつか雪に愛された思い出に
母さん
川はいくつになったの
いつまでも若い春とおないどし
母さん
川はどうして休まないの
それはね海の母さんが
川の帰りを待っているのよ