黒沢清の「スパイの妻」を見て来た。昼間の部で観客は全部で六人だった。一方やたらと賑わってたのが「鬼滅の刃」。ここ最近こんなに入っている映画は見たことない。シネコンだと他の映画の人気ぶりは大体分かるもので、ここまでのは初めて。自ずとその人気ぶりが実感できる。
そんな中ひっそりと見た「スパイの妻」だが、誰かの解説にもあったメロドラマとサスペンスの要素が上手く盛り込まれて、しかもそのどちらも中吊り状態状態のまま終わるというすっきりしないがそこがまた魅力的な映画となっていた。良い映画だと思う。ネットで大根役者と盛んにたたかれる東出昌大の憲兵も、あの外見喋りとも役にあっていた。役者も素材の良さが重要だ。あと重要な鍵となる軍による満州での知られたくない秘密は石井731部隊のこととすぐ分かるが、今は731部隊の事実そのものがあまり知られていないのではないだろうか。いずれにしろ世の中は「鬼滅の刃」一色である。