「勝手にしやがれ」のポスターには、思わ
ぬ落ちがついていた。ゲロゲロ少年Yはてっ
きり自分の部屋に飾るために買ったと思っ
ていたのだが、それは違っていた。「cafe
tac」に行くと、そこにはジーン・セバーグ
の横たわる姿が。そういうことかい。だっ
たら始めからそう言えば良いのに、ったく
勿体ぶったことをするぜ。開店祝いという
名目のようだが、どちらかというと、自分
にとって居心地の良い空間にしたいがため
という気持ちのほうが強いと見た。そもそ
もT君はゴダールに興味も無いし、映画に
はそれ程詳しくないのだ。Yとしては、「勝
手にしやがれ」があった「クリヨードヴァ
ン」の夢ををもう一度、といったところで
あろう。
それを飾ってある一角は、一段上がった、
ちょっと個室風になってるところで、マン・
レイと私のコラージュがすでに掛けられてい
るところである。そこに今度は「勝手にしや
がれ」だ。しかも、壁に対してかなり大きい。
幅ぎりぎりでジーン・セバーグもちょっと窮
屈そう。しかし、いい雰囲気のポスターで
あることは間違いない。ただ、何だかそこだ
け濃い空間になったようには感じる。個人的
には有名な「勝手にしやがれ」だが、多分こ
の田舎では殆どの人が気づかないと思う。
何人が関心を示したか、今度T君に記録でもし
てもらおうか。