何十年ぶりかに、リレーというものに出た。
グラウンドを半周、距離にしたら50メートルくらい
か、たったその程度だが、全力で走るというのは今ま
で全くなかった。
学生時代以来ということになる。
面白ビデオで、ゴール寸前に激しく転倒する光景を見
ては喜んでいた自分がいたが、まさかその張本人にな
るとはね。
しかし、なるもんですね。
次走者まであと五六メートルという地点で、足が追い
つかない。
勢いが付いているので、速度も緩められない。
体が前、足が後ろという状態になす術がないといった
感じだ。
最後は、必死に、バトンだけは手渡そうと転びながら
の突入であった。
「死んでもラッパを放さない」の兵士の気持ちが良く
分かった(というのは大袈裟だが)。
リレーという形式は、連帯責任というものを負わせる
ことによって面白さを増すものなので、見るほうは楽
しいのだが、やってるほうはいらぬプレッシャーがあ
り、たまらない。
見るに限るものだと、今回良く分かった。
最後の場面では、こうやって、アキレス腱を切ったり
肉離れを起こしたりするんだろうな、と一回転しなが
ら思った。
下手すると、骨折する可能性もある。
しかし、足はガクガクだったが、体はなんともなかっ
たから、受身的な転倒であったのかと思う。
つまり、良い転び方であったと。
せめてそう思わないと、悪夢を払拭できない。
予想されるのは、翌日の筋肉痛。
で、翌日となったが、大した筋肉痛もない。
と、若いときだったらそれで済んで一件落着となるの
だが、時間差で襲ってくるのが昨今の筋肉痛。
油断は出来ない。
明日になって、数倍の筋肉痛が襲って来るやも知れな
いのだ。
用心用心。
今年は、自転車もあまり乗ってないし、基礎的体力が
今ひとつである。
そんな状態で、短距離走。
どだい、無理な話である。
しかも、元々筋肉は、短距離向きではなく長距離だ。
小学校の時の一番良い成績は、6人走って3着という
レベルなのだから、推して知るべし。
でも、他人の転ぶ姿は面白いので、見るときはまた喜
んで見ちゃうのだろうことも分かっている。