今年生誕100年を迎える山中貞雄監督。
28歳の若さで戦争で亡くなり、その早すぎる死は痛ましいばかり。
監督作品だけでなく、脚本を手がけた作品を含めた特集上映が、
大阪の九条のシネ・ヌーヴォで始まった。
初日の19日は、監督の姪御の原田道子さんが来場、トークショーも開かれた。
今回の目玉の一つは、(と勝手に私が思っているのですが)
山中監督が学生時代に国語辞典の四隅に書いたパラパラ漫画の上映。
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12歳の少年ムクシンと10歳の少女オーキッド。
オーキッドにほのかな恋心を抱く少年と
まだ友情しか感じない少女のすれちがい。
切ない物語だ。
でも、後味は限りなく優しく、深く、さわやかだ。
ムクシンがオーキッドと会うために
そわそわ、うきうきと身づくろいしているのを、
同居のおばさんがからかったりするシーンがいい。
このシーンも、最初、おばさんは、画面外で声だけ聞こえてくる。
ムクシンがオーキ . . . 本文を読む
前回の特集で、いまひとつ不消化だったというか、
1回観たきりで、少し眠かったような記憶がある本作は、
オーキッドの両親を中心に描いた作品。
監督のデビュー作なのだが、
これがなかなか、わからないながらもおもしろい。
登場人物の登場の仕方も、画面オフで、声だけ聞こえたり、
気をつけていないと、誰が誰だかわからなくなってしまう。
それでも、いろいろに想像できる魅力に満ちている。
冒頭のシーン。石を . . . 本文を読む