日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

「悪いやつら」の“GOOD”なブランディング

2007-10-13 | 洋楽
週末は音楽で。

74年当時、クイーンと並ぶロック界の新星として、鳴り物入りで紹介されたのが、バッド・カンパニーでした。彼らがクイーンと違っていた点は、クイーンが全くのニュー・フェイスだったのに対して、彼らは他のバンドで鳴らしたそれなりの強者が集まって結成したバンドだったことです。

中でも、ボーカルのポール・ロジャースはブルースロック・バンド「フリー」で大人気でしたし、ギターのミック・ラルフスは、「モット・ザ・フープル」の音楽的柱として活躍をしていました。
そして、当時のロック界の王者レッド・ツェッペリンが創設した新たなレーベル「スワン・ソング」の第一弾としての大々的なPRといい、芸術集団ヒプノシスがデザインしたセンス抜群のモノトーン・ロゴジャケットのインパクトといい、売れない方がおかしいというぐらいハマった、セールスプロモーションも見事でした。今思うにこのジャケットは最高のブランディング・センスだったと思います。まさにヒプノシス恐るべし!です。

そしてキャッチーなギターリフが印象的なファースト・シングルの「キャント・ゲット・イナッフ」の大ヒットと相まって、アルバム「バッド・カンパニー」は大ベストセラーに。当時の私には、アルバムデザインの重み、素晴らしさもあってその時点ですでに歴史に残る名盤を約束されたようにさえ思えました。

現実にアルバム「バット・カンパニー」の完成度の高さは素晴らしいものがありました。先のシングル「キャント・ゲット・イナッフ」をはじめ、モット・ザ・フープルのレパートリーの再演「レディ・フォー・ラブ」、彼らのテーマでもある「バッド・カンパニー」、第2段シングル(日本ではなぜか未発売でしたが…)「ムービング・オン」、ラストを飾るフォーク調のバラード「シーガル」・・・。本当に粒ぞろいの名盤であります。

演奏は至って単純明快。テクがあるとか、間奏でうならせるとか、は一切なし(って言い切っちゃってよい?)ただし、ボーカルのポール・ロジャーズのその独自のブルージーな歌声は、実に魅力的!うまいし聞かせるしロックボーカルのお手本と言っていい絶品ボーカルです。
楽曲の良さと、ポールの歌声、それがこのアルバムをロックの名盤たらしめたと言っても過言ではないと思います。

このアルバム発表後に、なぜかたった1日だけの日本公演も開催され、それもまた絶賛の嵐だったこともよ~く記憶しています。これまた、計算されたブランディング・プロモーションだったのかと、今になって思わされたりもするわけです。

この後、バンドはファースト路線の2NDアルバム「ストレート・シューター」を出しまずまずのセールスを記録しますが、その後はアルバム発表ごとに明らかにパワーダウン。遂にこの名盤デビューアルバムを越える作品を出すことなく解散しました。
デビューアルバムが最高傑作と言うバンドも珍しいですが、もともとが結成時既にキャリア豊富なメンバーの集まりであり、そんな場合は最初の競演における緊張感こそが、とてつもなくいいプロダクツを生み出す可能性が高いのだと言えるでしょう。
それに対して新人バンドは、手探りのデビュー作よりも、徐々にこなれてくる数作目に最高傑作が生まれるケースがほとんどです。
この点と、ブランディングにおけるロゴ戦略の重要性は、バッドカンパニーが教えてくれる大きなビジネス・セオリーでもあります。

また、最後に余談。
最近のポール・ロジャースはと言えば、なんとフレディ・マーキュリー亡き後のクイーンのボーカルとして、ツアーをこなし近年日本にもやってまいりました。
自身が油の乗り切った時代のライバルバンドであった一大人気バンドクイーンのボーカルを、初老の現在務めている姿は、たとえ歌はうまくとも過去を知る私から見れば“ハマリ役”とは言いにくく、むしろミスキャスト?かなりの違和感を覚えます。
クイーンのナンバーを歌うポール・ロジャースを見るたびに、郵貯銀行の初代トップを務める元住友銀行頭取の西川善文氏が姿が、目に浮かぶのは私だけ?ですかね?




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