日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<音楽夜話>第44回スーパーボウル~感動のハーフタイム・ショー

2010-02-13 | 洋楽
いよいよバンクーバー冬季オリンピック開幕で、巷は大変盛り上がっています。オリンピックの開会式もそうですが、スポーツの祭典でその開会や閉会あるいは合間合間におこなわれる音楽等のイベントもまた、海外ならではの豪華さや素晴らしさがあるものです。今週実は、オリンピックを前にもう一つのスポーツのビックイベントがありました。アメリカ中が注目するアメリカン・フットボールのチャンピオンシップ・ゲーム「スーパー・ボウル」がそれです。「スーパー・ボウル」と言えば、そのゲームの面白さもさることながら、第2クォーターと第3クォーターの合間の休憩時間に行われる「ハーフタイム・ショー」の豪華さも、大きな見所のひとつになっています。

これまでもローリング・ストーンズ、マイケル・ジャクソン、エアロスミス、ブルース・スプリングスティーン等々錚々たるスーパー・スターたちが、ハーフタイムの限られた時間を使って他では見れない渾身のパフォーマンスを見せてくれています。「スーパー・ボウル」のチケットが「世界で最も入れにくいチケット」と言われる所以はそこにもあるのです。スポーツのゲームの合間にハンパないスーパースターがパフォーマンスをするって、エンターテイメントの本場アメリカならではの発想です。日本じゃとても考えられないですよね(日本でいうなら、大相撲の千秋楽「三役揃い踏み」のあたりで永ちゃんが出て土俵で歌うみなたいなもんです)。

そしてそして今年その「スーパー・ボウル」に登場したのは、なんと、我らがThe Whoでありました。史上最強のロック・バンドの登場に、会場のマイアミ・サンライフ・スタジアムは一瞬にしてロック・コンサート会場に変貌し興奮の坩堝(るつぼ)と化しました。毎度おなじみ、ギターのピート・タウンゼントとボーカルのロジャー・ダルトリー、共に70歳を目前に控えたロック・ヒーロー。ピートの腕をぐるぐる回す風車奏法は健在!ボーカルのロジャーは、ピートがこだわるオリジナル・キーでの歌唱にこのところやや辛そうではありますが、老体に鞭打ちがんばってくれました(日本公演では、「1日歌うと喉が戻るのに3日必要だ」と言っていました)。ドラムを叩くのはあのビートルズのリンゴ・スターのご子息ザック・スターキー。すっかり正式メンバーといった面構えで、今は亡きキース・ムーン譲りの(なぜか父譲りではない)素晴らしく魅せるドラミングを披露してくれました(最近奴は本当にうまい!)。

演奏曲目は、この日のために特別にプログラムした彼らの“ヒット・メドレー”。ロック・オペラ「トミー」の「ピンボールの魔術師」から「ババ・オライリィ」~「フー・アー・ユー」、そしてあの「ウッド・ストック」を彷彿させる「シー・ミー・フィール・ミー」から最後は彼らの超定番「無法の世界」へ。生放送で見られなかった私は後から、YouTubeで見たのですが、「ババ・オライリィ」途中のピートのボーカル部分や「無法の世界」のコーラスで観衆が大合唱するのを聞いて、武道館の感動を思い出し思わず涙しそうになってしまいました。それほどものすごいライブです。アメリカン・フットボールを見に来た連中が、The Whoの歌を大合唱するって彼らの国民的人気(といっても彼ら英国人ですが)には、ホント驚かされます。ストーンズ並、いやあちらではストーンズ以上のヒーローなのです。

実はテレビで見逃した理由ですが、NHK-BSの夜の再放送は、なんとハーフ・タイム・ショーをカットするという暴挙に出たのです。それでやむなくYouTubeのお世話になったのでした。いい時代になりました。昔だったら再放送で放映されずに見逃したらもうアウトでしたから。それにしてもNHKはどこまで分かっていないのか、選手入場の時にBGMは「無法の世界」だったでしょうに。ハーフ・タイム・ショーまですべて含めて「スーパー・ボウル」なんですから、ホントそういうコンセプトを無視したいい加減な番組作りをしないで欲しいと思います。アホッ!見逃した方、見ていない方、The Whoをよくご存じでない方、YouTubeのURLをアップしておきますので、ぜひ見てください。70歳近いジジィ・ロックの迫力に共感していただければ幸いです。

ちなみにゲームの方も面白かったです。最終クォーター逆転のタッチダウンで創立44年にして初「スーパー・ボウル」出場のニューオリンズ・セインツが、悲願の初チャンピオンとなりました。昔は“NFLのお荷物”と言われたチームですよね。ニューオリンズ復興のシンボルとして、エポックメイキングな素晴らしい優勝であったと思います。常勝ではないチームが頂点を極める姿には、見る側も元気づけられますね。


★第44回スーパー・ボウル ハーフタイム・ショー The Who(前半)
http://www.youtube.com/watch?v=c6Io05fTLSg

★第44回スーパー・ボウル ハーフタイム・ショー The Who(後半)
http://www.youtube.com/watch?v=c6Io05fTLSg