日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

昭和49年村田クンの教え 8~三島文学との出合い

2010-02-21 | その他あれこれ
村田クンから教えてもらったのは、音楽、ファッションにとどまらず、文学や芸術の話も…。文学で言えば、彼は盛んに「本を読め」「本を読まない奴は馬鹿になるぞ」と言っていました。彼は日本文学でも、基本的な名作は皆読む価値があると言っていました。漱石、鴎外、太宰、藤村、芥川…、名作を読むことで先人の考えを知り自分の考えのヒントにすることこそ中学、高校時代には必要であると…。

彼「お前、ちゃんと本読んでるか?」
私「…時々ね…」
彼「日本の作家では誰が好きなんだ?」
私「……。み、三島かな…」
彼「三島?三島由紀夫か。三島もいいけど、その前に漱石とか鴎外とかの代表作は読んだのかよ?」
私「国語の教師みたいなこと言うなよ。三島じゃダメな訳?」
彼「文章は確かにうまいけど右翼の変態だからな、あれはさ。コンプレックス人間の典型だぜ。同性愛の話とか書いて本人もムキムキだろ。まぁギリギリ文学だな。お前の好きな作品は?」
私「……「春の雪」とかかな…」
彼「お前あんな難解なの分かるの?あれじゃ難しくて悩めねーだろ?」
私「…」
彼「同じ自殺作家の本を読むのなら、芥川を読んで悩めよ。芥川何読んだ?」
私「「蜘蛛の糸」?」
彼「バカ、それ中学1年の時の国語の課題だろ!ありゃ童話だぞ」

私がとっさに三島の名前を挙げたのは、三島を実際に読んでいたのではなくて、私が小学校5年生の時に自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を図った彼にその時から大変興味を持っていて、機会があればもっと詳しく知りたいと思っていたからでした。ちなみに「春の雪」という私の答えは、「金閣寺」とか「仮面の告白」とか言ったらバカにされそうなのと内容的に突っ込まれそうだったので、父の書棚で覚えていた三島のマイナーそうな本の名前をとっさに言ったのです。翌日には何か1冊ぐらいまともに読んで村田クンに感想を話して驚かせてやろうと思ったので、その日家に帰って書棚の「春の雪」を開いてみたのですが、確かに難しくて何がなんだかよく分からずすぐ挫折しました。そこで、夕食後最寄り駅の目黒駅近くの夜もやっている本屋まで出かけて、三島のなるべく薄い文庫本を一冊買い求めました。その時買ったのが「青の時代」(新潮文庫160円)でした。

その本も中学3年生の私には決してやさしくはなかったのですが、彼の文体が今まで読んだことのない芸術的なものに感じられ、同時に村田クンが言ってた「コンプレックス人間」「変態」という言葉がやけに私に深く印象づけられてしまって、とても不思議な感覚のまま読み終えることができたのでした。今思えば、三島の内面的な弱さがその芸術性と相まって、とても愛おしく魅力的に思われたのだと思います。一夜漬けで一冊本を読んで村田クンに強がって感想を言おうと思っていたのですが、そんなことはどうでもよくなって翌日も次なる三島の本を探しに本屋に行きました。一夜にして俄か三島ファンになったのでした。実はちゃんとした形で三島作品を読んだのは「青の時代」が初めてでした(以前に父の書棚にあった「金閣寺」を読み流したことがあった程度でした)。それからすっかり三島にはまった私は彼の本を読みあさり、とりあえず三島に関しては文学のジャンルで村田クンよりも詳しい唯一の作家となったのでした。

今でも三島は私の大好きな作家であり、その独自の芸術性を感じさせる作風と主義主張をもった生き方には、いろいろ影響を受けて来たように思います(思想的な影響ではありません)。それも文学青年村田クンとのコミュニケーションがもたらしてくれた大きな財産であると思っています。


フェブラリーステークスGⅠ

2010-02-21 | 競馬
久々の競馬ネタ。真冬のGⅠレース、フェブラリーステークスです。

人気は④エスポワールシチー、⑥サクセスブロッケンあたりのようです。私の本命は無条件で、高校の後輩矢作芳人厩舎所属の⑫グロリアスノアです。④エスポワールシチー⑬ローレルゲレイロ⑭リーチザクラウンと逃げたい馬が多く、展開は差し馬のグロリアスに向きそうでもあります。

なんとか矢作調教師に初GⅠをプレゼントして欲しいものです。

⑫の単・複。⑫から⑥、④の人気2頭への馬連・ワイド。⑫-⑯のワイド。