日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

慎太郎都知事と“囁き女将”GW の失態競演

2008-05-07 | ニュース雑感
ゴールデン・ウィーク空けは、期間中の要コメントネタを2件、まとめて軽めにとりあげておきます。

ひとつ目は石原都知事のパンダコメント。先月30日に死んだ上野動物園のジャイアントパンダのリンリンについて、会見でコメントを求められて一言。「悲しむ必要なんかない。世界は狭くなっているんだから、上野で見れなくなったんなら、パンダがいるところに見に行けばいい」。

都知事ともあろう人がなんたる無神経発言でしょう。これって、ひとつの生命であるリンリンの個としての尊厳を無視した発言です。まるで虫けら扱いではないですか。可愛い飼い犬が死んだときに、親が子供にケロッとして「また買えばいいよ」と言いますか?人間に置き換えて言うなら、お子さんを亡くされた人に、「まだ他にお子さんがいるからいいじゃない」と言えますか?

慎太郎知事、あなたの発言はそれと同じですよ。あんなに皆に愛され親しまれたリンリンに対する、東京都知事ともあろう“偉い”方の、そんな冷たい“お言葉”を耳にした子供たちはどう感じるでしょうか。

同じGW中に、白鳥を棒で叩いて殺していた子供たちが補導されました。「面白かったからやった」。子供の理由を聞いて、命あるものに対するあまりの愛情のなさに、悲しさ、いや恐ろしささえ感じさせられました。

石原都知事のような、社会的地位のある方の今回のような心無い一言が、そんな冷血な子供たちをつくりだしてしまうのではないでしょうか。都知事は今回の発言の持つ重大な悪影響を理解し、心からの反省および謝罪をすべきと考えます。

今ひとつの事件は、船場吉兆の「食べ残し使い回し事件」。一連のこの事件に関しては、以前いろいろコメントしているので、繰り返しは避けます。ただ一言、なぜ先の謝罪会見、調査報告の際にこの事実を公表しなかったのか、です。本気で謝罪をしていなかった、反省していなかった、襟を正す気はないんじゃないか、と言われても仕方ありませんし、私もそう思っています。

“ささやき女将”が先頭に立っての、老舗の信頼回復の可能性を以前当ブログで書きましたが、すべて台無しにしてしまいました。「隠すことは最大の悪である」を理解していなかった愚かさに尽きます。しかも今回の発覚会見に、真っ先に口を開くべき女将は、またも陰に隠れて板長に会見をさせる始末。経営者としての責任を自覚できない、致命的な落ち度も併せて見せられてしまいました。

もはや“老舗復活”の道は険しいどころか、固く閉ざされた、そう言わざるを得ないほどの致命傷を負った事件であると思いました。