米大統領選にからむネタ、2度目の登場です。
前回のメガ・チューズディは引き分けに終わり、ますます混迷の様相を呈してきた民主党の候補者選び。以降、小規模州ながら9連勝と波に乗るオバマ陣営と、選対ヘッドの入れ替えも行い巻き返しを狙うヒラリー陣営が、次なる決戦の場とにらんでいるのが、大票田オクラホマ、テキサス両州です。
来月4日の投票日に向けて、ますますヒートアップしています。相変わらずの激しさを全面に出して、“強さ”のイメージを確固たるものにし巻き返しを目論むヒラリー陣営。遂に、「バラク・オバマは恥を知れ!」と呼び捨て罵倒作戦に打って出ました。小規模州とは言え、連戦連敗の“弱い”イメージの払拭に必死の模様で、苦肉のイメージ転換策がこれだったようです。ただこの戦略、今回も危険と隣り合わせです。“強い大統領”のイメージをめざした言動が、再度「黒人蔑視」とも受け取られかねない過激な行動とも言えるからです。
一方のオバマ陣営は、ヒステリックなヒラリーに対して、あくまで温厚・沈着・冷静を装って、真っ向正面からの力勝負で返すようなやり方は、意図的に避けているかのように思います。これにしても凶と出るか吉と出るかは、全く分かりません。
このように、民主党の候補者選びが長期化するにつれ、二人の争いがより感情的なものになりまさに泥沼化することで、新たな問題が出つつあると感じています。それは党の統一候補者を選出するという本来の目的を、忘れつつあるのではないかということ。この争いの勝利がゴールではなく、あくまで共和党候補者を破ってはじめて目的が達せられるということが置き去られていないか、と言うことです。
今回の一件の発端は、ヒラリーの国民保険施策に対するオバマの辛辣な批判を受けて出た発言ですが、言ってみれば民主党内の政策に関する“仲間割れ”とも取られかねない動きであり、ここまで圧倒的有利と言われている対共和党候補の本選挙にも影響を及ぼしかねない問題であるとも言えます。
それともうひとつ。このように両陣営が、相反する二つの個性を強調すればするほど、二人合わせてまともな民主党になるという印象になりかねず、どちらかひとりが勝者になった段階で、その候補者に対する物足りない印象が残りはしないかという問題です。この点でも本選挙への影響が懸念されるところです。
いずれにしても、民主党の候補者選びのこれ以上の長期化は、お互いが疲弊するだけでなく、圧倒的優位と言われている民主党の対共和党候補本選挙にも影響を及ぼしかねないのです。アメリカの大統領選には、下馬評が通用しないのが常です。現段階の「圧倒的優位」がいつ何時くつがえることも、大いに考えられる国民性の国なのです。共和党の候補者の地位をほぼ手に入れているマケイン陣営は、今日の民主党両候補者の公開討論をながめつつ、内心ほくそ笑んでいるのではないでしょうか。
ヒラリーがヒステリックにオバマを批判すればするほど、オバマがこれに対して穏健な対応で返せば返すほど、女性初、黒人初のホワイト・ハウスが少しづつ遠のいていくように思えてなりません。
前回のメガ・チューズディは引き分けに終わり、ますます混迷の様相を呈してきた民主党の候補者選び。以降、小規模州ながら9連勝と波に乗るオバマ陣営と、選対ヘッドの入れ替えも行い巻き返しを狙うヒラリー陣営が、次なる決戦の場とにらんでいるのが、大票田オクラホマ、テキサス両州です。
来月4日の投票日に向けて、ますますヒートアップしています。相変わらずの激しさを全面に出して、“強さ”のイメージを確固たるものにし巻き返しを目論むヒラリー陣営。遂に、「バラク・オバマは恥を知れ!」と呼び捨て罵倒作戦に打って出ました。小規模州とは言え、連戦連敗の“弱い”イメージの払拭に必死の模様で、苦肉のイメージ転換策がこれだったようです。ただこの戦略、今回も危険と隣り合わせです。“強い大統領”のイメージをめざした言動が、再度「黒人蔑視」とも受け取られかねない過激な行動とも言えるからです。
一方のオバマ陣営は、ヒステリックなヒラリーに対して、あくまで温厚・沈着・冷静を装って、真っ向正面からの力勝負で返すようなやり方は、意図的に避けているかのように思います。これにしても凶と出るか吉と出るかは、全く分かりません。
このように、民主党の候補者選びが長期化するにつれ、二人の争いがより感情的なものになりまさに泥沼化することで、新たな問題が出つつあると感じています。それは党の統一候補者を選出するという本来の目的を、忘れつつあるのではないかということ。この争いの勝利がゴールではなく、あくまで共和党候補者を破ってはじめて目的が達せられるということが置き去られていないか、と言うことです。
今回の一件の発端は、ヒラリーの国民保険施策に対するオバマの辛辣な批判を受けて出た発言ですが、言ってみれば民主党内の政策に関する“仲間割れ”とも取られかねない動きであり、ここまで圧倒的有利と言われている対共和党候補の本選挙にも影響を及ぼしかねない問題であるとも言えます。
それともうひとつ。このように両陣営が、相反する二つの個性を強調すればするほど、二人合わせてまともな民主党になるという印象になりかねず、どちらかひとりが勝者になった段階で、その候補者に対する物足りない印象が残りはしないかという問題です。この点でも本選挙への影響が懸念されるところです。
いずれにしても、民主党の候補者選びのこれ以上の長期化は、お互いが疲弊するだけでなく、圧倒的優位と言われている民主党の対共和党候補本選挙にも影響を及ぼしかねないのです。アメリカの大統領選には、下馬評が通用しないのが常です。現段階の「圧倒的優位」がいつ何時くつがえることも、大いに考えられる国民性の国なのです。共和党の候補者の地位をほぼ手に入れているマケイン陣営は、今日の民主党両候補者の公開討論をながめつつ、内心ほくそ笑んでいるのではないでしょうか。
ヒラリーがヒステリックにオバマを批判すればするほど、オバマがこれに対して穏健な対応で返せば返すほど、女性初、黒人初のホワイト・ハウスが少しづつ遠のいていくように思えてなりません。