日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<音楽夜話>70年代最も“噂”のバンド、フリートウッド・マック

2008-02-24 | 洋楽
さっそく“消えた名盤100”の中から、フリートウッド・マックの「噂」です。

とにかくアメリカでバカ売れした、まさに70年代を代表する1枚です。もともとイギリス出身のブルース・バンドだった彼らが、何度かのメンバー・チェンジを繰り返すうちに徐々にポップ路線への移行の傾向を強め、リンジー・バッキンガムとスティービー・ニックスのアメリカ人カップル・デュオをメンバーに迎えた75年の前作「ファンタスティック・マック」で一気に、新たなマック・ワールドを確立したのです。

そしてこの77年の「噂」。バッキンガム&ニックスの二人に加えて、キーボードのクリスティン・マクビーの3人が3様の曲を書き歌うという他では類を見ない、ある意味異様なバランス力学は最高潮を向かえ、彼らの音楽を時代を代表する音楽として完成の域にまで一気に昇華させたのでした。

リンジー・バッキンガムの独自のギター奏法とそれを活かしたアレンジ、スティービー・ニックスの妖艶さを漂わす作風とパフォーマンス、そしてオーソドックスかつ大人の落ち着きを感じさせるクリスティン・マクビーの歌と風貌。それらを支える、ミック・フリートウッドのパーカッシブなドラミングと、ジョン・マクビーのいかにもの落ち着いたブルース的ベース。5人が5人ともキャラが立っていて、その5つの要素が見事に融合し一体となり、誰にもマネのできない、それでいて「大人のロック」という雰囲気の、フリートウッド・マックの世界が確立されたのでした。

楽曲も最高に粒ぞろいです。リンジーの「オウン・ウエイ」、スティービーの「ドリームス」、そしてクリスティンの「ドント・ストップ」、「ユー・メイク・ラビング・ファン」(個人的なベスト・トラック)などのヒット曲に加え、「ネバー・ゴーイング・バック・アゲイン」や「ソング・バード」のような弾き語り的曲もあり、聞かせどころ満載。今聞いても全く古さを感じさせませんし、売れて当然の本当に素晴らしいアルバムです。

近年出された2枚組のデラックス・バージョンでは、アウト・テイクスなども満載で、この素晴らしいアルバムの制作過程が目に浮かんでくるようでワクワクさせられます。それと言うのも、このアルバムが制作された環境もまた、名盤誕生に一役買っているからです。後に出されたメイキングDVDでも語られているように、メンバー内の2組のカップル(リンジー=スティービー、マクビー夫妻)が破局に向かいかつ、ミックもまた私生活で離婚を経験した時期の、精神的にギリギリの状態での奇蹟のバランスが産み落とした名盤なのです。当然、そんなことは当時の日本の音楽ファンは誰一人知る由もありませんでしたが・・・。

このバンドで特筆すべきは、やはり何をおいてもリンジー・バッキンガムのギター・テクニックとアレンジ能力です。彼のギターに関しては、あまり語られることがないのですが、ピックを使わないかなり変形のギター奏法で、その独創性もさることながらテクニックはかなりなものです。じっくりそのギターを聴いてみると、カントリーの影響を感じさせる部分も多く、やはりアメリカ人がイギリス人バンドで主導権を握ったことが独特の化学変化を及ぼし、この上なく素晴らしいアルバムを作り出すことになったのだと思います。バンドアレンジは、リンジーが全盛期の彼らの曲のほとんどを手がけており、まさに彼がこの難解なバンドのディレクター兼プロデューサーの役割を果たしていたと言えます。

全米では、ビルボード誌アルバムチャートをなんと31週間連続1位の快挙!31週って年間の半分以上ですよ。普通じゃないでしょ。トータル全世界で200万枚以上を売り切ったモンスター・アルバムです。でも、なぜか「レココレ」誌「70年代ベスト100」には選ばれないんですね。売れすぎたアルバムは、“プロ”の評論家さんたちから見ると「ダサい」のか、どうも好まれないようです。

弔い馬券

2008-02-24 | 競馬
本日は、競馬今年の初GⅠフェブラリー・ステークスです。

競馬が好きだった亡き父ですが、今年のGⅠをひとつも見ずに逝くことになろうとは本人も思っていなかったことでしょう。

そこで今回は、父の最後のGⅠとなった有馬記念の雪辱弔い馬券で、ペリエと安藤。⑦ドラゴンファイヤーと⑧ロングプライドをワイドで1点勝負です。

私的大穴は、砂血統⑪ヴィクトリーの逃げ残り?