静聴雨読

歴史文化を読み解く

新逗子発羽田空港行

2009-02-10 16:55:13 | Weblog
京浜急行電鉄には、泉岳寺から三崎口までの本線・久里浜線のほかに、いくつかの支線がある。京急蒲田からの空港線、京急川崎からの大師線、金沢八景からの逗子線、堀ノ内から浦賀までの本線(の残り)、がそれである。

逗子線新逗子発・空港線羽田空港行の編成がある。支線-本線-支線と結んで走る不思議な列車だ。

新逗子-(各駅停車)-金沢文庫-(快速特急)-京急川崎-(特急)-京急蒲田―(各駅停車)-羽田空港

性格を次々と変えて、支線の末端から別の支線の末端まで運行している。どうしてだろう?

この列車は、新逗子を出て金沢文庫の手前の金沢八景で、本線の上り各駅停車と泉岳寺行き快速特急をやり過ごし、その後金沢文庫で、先にやり過ごした泉岳寺行き快速特急の後に連結して、「快速特急 羽田空港行」に変身する。次に、京急川崎で、泉岳寺行き快速特急から分離して、「特急 羽田空港行」に再度変身する。なぜ「特急」に呼称変更するのかがわからない。快速特急も特急も、京急川崎の次の停車駅は京急蒲田で、変わりない。ここは鉄道の専門家を煩わさないと解明できない。

京急蒲田の手前で、下り線をまたいで空港線京急蒲田に入る。そこから、逆方向にスイッチバックして、羽田空港まで行くのだ。

何とも複雑な行程をたどる編成だが、その発生のわけは、羽田空港への旅客の取り込みにあることは明らかだ。羽田空港へは、都営地下鉄浅草線から泉岳寺・品川を経由する列車が直通運転している。それに加えて、横浜方面からの直通運転を実現することで、横浜方面からの旅客を取り込んだのだろう。各駅停車-快速特急-特急-各駅停車と性格を変えるのも、線路をまたいだスイッチバックも、横浜方面から羽田空港への直通運転を実現させるための苦肉の策なのだ。

新逗子発羽田空港行のほかにも、浦賀発羽田空港行という編成もあるようだ。いずれも、時間はかかるにしても、乗り換えなしで羽田空港まで行けるところがうれしい。
ただ一つ心配なのは、事故のリスクはないのだろうか、という点だ。  (2007/10)

鉄道の専門家に聞いてみた。
「京浜急行では、快速特急(京急蒲田-羽田空港間はノンストップ)のほかは、特急も急行も京急蒲田-羽田空港間は各駅に止まる規則になっています。したがって、この編成の京急川崎-羽田空港間は『特急』でおかしくありません。」
なるほど、規則はわかったが、実際には「ウーン。」とうなりたくなる。  (2009/2)


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