路線価が８年ぶりにプラスに転じる

　相続税や贈与税の算定基準となる路線価が2016年（１月１日が基準日）では８年ぶりに上昇に転じた。

　安倍内閣が掲げる経済政策「アベノミクス」が路線価にも影響を与えているといっていいだろう。ただし、路線価の上昇はわずか0.2％であり、大きな上げ幅ではない。

　大都市圏では路線価が上昇している都市が多いが、地方都市では下降傾向のままであるケースも多く、路線価における都市間格差は開いてきている。

　少子高齢化や人口減少が進んでいる都市では路線価が下降しているケースが多い。国が掲げる「地方創生」事業により、地方都市を元気にし、移住・定住を進めつつ、産業の活性化を図る必要がある。

　不動産の需要が増加しないとなかなか土地の価格は上昇しない。日本経済は今後、そんなに大きな成長は望めない。外国人観光客は増加傾向であるので、内需拡大は決して不可能ではない。

　都市の中心部の遊休地や空き屋の利活用など不動産を取り巻く環境は厳しさを増してはいるものの、まちづくりの取り組み方によっては、不動産市場が活性化する可能性がないわけではない。