大阪大学大学院基礎工学研究科の永妻忠夫教授、前川慶介特任准教授(常勤)、大学院生の仲下智也さん(博士前期課程)、吉岡登暉さん(博士前期課程)らとIMRA AMERICA, INC.の共同研究グループは、シングルチャネルで300GHz帯無線通信システムの送受信器に、光技術を利用した超低雑音サブテラヘルツ信号発生器を用いることにより、無線通信システムの伝送速度として世界最高となる240Gbit/sを達成しました。
今回開発した超低雑音サブテラヘルツ信号発生器は、「ブリルアン光源」と呼ばれる光信号発生器と、光信号を電気信号に変換するためのフォトダイオードで構成されています。これまでの純電気的にサブテラヘルツ信号を生成する方法では、周波数逓倍器を用いているため、振幅雑音に加えて、位相雑音と呼ばれる周波数の揺らぎが生じ、通信の高速化を妨げる原因になっていました。今回開発した超低雑音光源を用いたサブテラヘルツ信号発生器は、従来に比べ、電力密度に換算して100分の1以下の位相雑音を実現しました。
本研究成果の一部は、電子情報通信学会IEICE Electronics Expressで、2023年12月25日にオンライン先行公開されました。
現在、フォトダイオードの改良による送信電力の増加、受信素子の高感度化、ならびにアンテナの高利得化により、さらなる高速化と200m以上の長尺化を目指した研究開発を進めています。
さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
大阪大学ニュース
光技術や光産業の情報交流フォーラム
エイトラムダフォーラムhttps://www.e-lambdanet.com/8wdm/
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます