年末年始に泊まられたお客様の何名かから、値上げをまだしないのか?ということを云われました。他のYHはそんなに値上げをしているのかが気になっていましたので、久しぶりに料金調査をしてみました。
当YHは2019年の消費税引き上げの際に、税額が計算しやすいように100円の値上げを行いましたが、2005年の開所来、ほとんど値上げをしないで来ています。一方、2020年の新型コロナ流行以降、物価上昇などを反映して値上げをするYHが増えてきていることは事実です。比較的安価なYHが多い東北地方でも平均するとこのところ年々値上がりとなっているようです。
かつて、YHは協会による料金の上限設定があり、ある程度一定を保ってきました。2010年頃から季節(繁忙期)料金の導入から上限設定が有名無実になり始め、その後ネット予約の増加から、ネットでの手数料込みの価格表示などもあってか、それぞれのYHが自由設定状態になってきているようです。
ただ値上がりの理由を物価上昇とするなら、数年前までの30年間、日本はデフレ経済だったはずで、これまでの値上がりの理由はやはり利用者の減少から来るものなのかもしれません。事業(収益)を維持しようとしたら、需要が減るなら、それに応じて料金を上げざる得ないのは当然なことですが、そこで問題なのが、値上げするだけの魅力があるかどうかです。
重要文化財を施設として使っているとか、温泉があるなどの物理的な優位性、近くに著名観光地があるなどの地理的な優位性、毎晩踊っていたり、祭りが度々開催されるなどのソフト面での優位性のほか、経営者の知名度や個性などもあるでしょう。
兼業YHが多かった1980年代前半までは、そうしたYHも多かったようですが、専業YHが増えたそれ以降は、自宅開放型で小規模なYHも増え、なかなかそうした条件に合うYHは見られなくなったようです。そうした中で宿泊料金だけ上げるのは自分の首を絞めるようなもの。かといって赤字で続けるというわけにはいかず、経済学的に言えば「ビジネスモデルが破綻している」状態なのかもしれません。
かつてのYHの最大の強さは「安さ」。兼業YHだったから実現できたことなのかもしれませんが、当YHでは専業YHですが、もう少しあがいてみようと思っています。
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