フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月20日(月) 小雨

2013-05-21 00:26:04 | Weblog

  9時、起床。朝寝坊のようだが、睡眠時間は4時間半である(寝たのが4時半だったのだ)。

  カレー、トースト、牛乳の朝食。

  私は書斎にいるときたいていFM東京をかけている。今日もそうしていた。すると、「アポロン」という昼過ぎの番組に『パンケーキ・ノート おいしいパンケーキ案内100』という本の著者が出て、番組のパーソナリティとパンケーキについておしゃべりを始めた。著者の名前はトミヤマユキコ。その名前には聞き覚えがあった。昔、私の大学院の演習に出ていて、その後、文芸・ジャーナリズム論系の助手になり、いまは文化構想学部で非常勤講師をしている人がいる。最初は同姓同名だと思ったが、話し声、話し方が私の知っている富山由紀子さんによく似ている。いや、そっくりだ。これは彼女ではないか。さっそくツイッターで彼女に尋ねた。

  「いま、FM東京でパンケーキの話をしているの君だよね?」

  すぐに返事があった(生放送ではないみたいだ)。

  「きゃー!おおくぼせんせい ご無沙汰しております!わたしですグフフフ……」

  ラジオでは年間にパンケーキを200枚食べたと紹介されている。「パンケーキは肉だ」という発言もしている。はぁ?肉を食べるお金がないので代用品としてパンケーキを食べていたのだろうか。いや、そうではなくて、ナイフとフォークを使って切るときの感触が肉なのだという話だった。なるほどね。

  「そんなにパンケーキ食べてたのか。し、知らなかった。今度一緒に食べよう。本当の肉も食べさせてあげるからね、ってそういうことではないか(笑)。」

  「趣味が高じて本まで出しました(何をやっているのだわたしは)。こんどぜひご一緒しましょう!新規開拓に付き合ってくださいまし。ホンモノの肉の方はせんせいにお任せします(詳しそうだから、笑)」

  たまたまかけたラジオに知人が出てしゃべているというのは初めての経験だった。昔、放送大の授業(ラジオ講座)を担当していた頃、友人がタクシーに乗ったときにたまたまかかっていたラジオで大久保がしゃべっているのを聴いたよ、びっくりした、と言われたことがあるが、うん、確かに、びっくりするよな。

  昼食は食べに出る。「そば新」のコロッケうどん+ちくわ天。

  食後のコーヒーは「ルノアール」で。ゲラの校正をしながらしばらく滞在。

  栄松堂でトミヤマユキコ『パンケーキ・ノート おいしいパンケーキ案内100』(リトルモア)を購入。そこには私がときどきホットケーキを食べる東急プラザの「シビタス」も紹介されていた。「ノート」という言葉に知的なものを感じる。三木清の『哲学ノート』や『人生論ノート』を意識したのかもしれない。あるいは「パンケーキについてのフィールドノート」って意味か。

  巻末の著者紹介の写真が独特である。彼女の自宅の台所だろうか、パンケーキを焼いているところを横から撮ったもの。顔はよく見えない。美人なのにね。




5月19日(日) 晴れのち曇り

2013-05-20 11:00:19 | Weblog

  終日、原稿書きの一日だった。以上。

  日記であれば、「以上」で済ますこともできるが、読者の存在するブログではそういうわけにもいかない。ブログは私が今日という一日を振り返る場であると同時に、ブログを覗きに来てくれた方との社交の場でもある。私は「フィールドノート」という名前のカフェのマスターなのだ。ネット空間の中にあるカフェだから、これが本当のネットカフェだ。

  今日は、原稿のこと以外で、書けることが1つある。

  お昼を食べに自宅の近所に新しくオープンしたカフェに行ってみたのだ。時計を見ながら歩いたら、1分40秒で着いた。自宅から一番近いカフェである。店名は「phono kafe」。改正湯の向かいにある。

  完全菜食主義のカフェで、料理もパンもお菓子も動物性食品と白砂糖は一切使われていない。


今日のごはんセット(800円)

蒸し大根と長イモの甘辛そぼろあんのせ

玄米と豆腐タルト人参ソース添え

切り干し大根の白和え

野菜サラダとうふマヨネーズ和え

玄米

味噌汁

 

 

食後のコーヒー(+200円)も無農薬栽培のもの

砂糖は甜菜糖(ビートシュガー) ミルクは豆乳

タルトは3種類の中からキウィイと(何だったかな?)のタルト(400円)を注文

 

  美味しくて、しかも体にやさしい食事をした。店内にはエリック・サティの曲が流れていた。たまたまサティだったのではなくて、サティの曲で統一しているとのこと。女主人の旦那さんが音楽関係のお仕事をされていて、この店の雰囲気にはサティが合うねと助言されたらしい。

  他にお客はいなかったので、女主人(大原さん)とあれこれおしゃべりをした。楽しいひと時だった。住宅街に突如出現した異色のおカフェだが、なにしろ自宅からドア・トゥ・ドアで1分40秒で行けるカフェである、地域に定着できるよう応援したい。しばらくは月曜のみの休日でやっていくようだ(ただし今度の土・日・月は3連休)。

   お店のホームページはこちら



5月18日(土) 晴れ

2013-05-19 00:03:12 | Weblog

  土曜日だが2つの用件があり、大学へ出る。

  11時にゼミ一期生のSさんとNさんが研究室にやってきた。二人とも会うのは卒業以来で、Sさんとは2年ぶり、9月卒業だったNさんとは1年半ぶりである。SさんはK市の職員をしている。公務員はいま人気があって、それゆえ難関でもあるのだが、Sさんは着実に勉強して志望を通した。ブレのない人だった。その後、毎年、私のゼミからは公務員になる人が出ているが、みなタイプは似ているように思う。

   一方、Nさんは就活が思うようにいかなくて、卒業が半年遅れた。笑顔の柔らかな人だったが、その笑顔が消えてしまった期間がしばらく続いた。その後、就職も決まり、9月卒業式のときは笑顔が戻ったのでホットしたが、半年後、就職してからどうしているか気になっていた。今日、会って、本当によく笑う人になっていた。いまは日本橋にある物流関連の会社で持ち前の英語力を生かして元気に働いている。 

  ランチはどこで食べようか、「何か好き嫌いはあるの?」と聞いたところ、Sさんは生ものが苦手、Nさんは鰻とすき焼きが(最初の一口二口はよいけれど)あまり得意ではないとのこと。ふ~む、けっこう制約があるね。それではいろいろなメニューのある定食屋「たかはし」へ行こうということになった。私は鮪と鯛の刺身定食、Sさんは豚肉の生姜焼き定食、Nさんは鰹の刺身定食を注文。事前に、ご飯は軽めで注文したほうがいいよと二人にアドバイスしておいたのだが、話に気を取られていて忘れてしまった。でも、二人とも綺麗に平らげた。じぇじぇ。

  食後のコーヒーは「カフェ・ゴトー」で。ご飯をしっかり食べた後だから、ケーキは無理だろうと思っていたら、Sさんはチョコレートケーキ、Nさんはチーズケーキを注文した。じぇじぇじぇ。二人とも見かけによらず食べるのね。私も付き合いでパンプキンのタルトを注文。ケーキを食べながら、一期生たちの近況について各自が知っていることを話す。私が一番知っているみたいだった。そんな私でもMさんのことは知らない。Mさん、もしこのブログを見ていたら、連絡をもらえないかな。

 

  次の予定のある私は馬場下の交差点で二人と別れた。二人は本部キャンパスの方へ歩いて行った。また、会いましょう。

   1時半から3時まで会議。

   大学からの帰り、「まやんち」へ寄る。土曜日はたいてい混んでいるが、とくに今日は混んでいた。スタッフさんも忙しそうだ。注文をとりにきたモモコさんに、「今日はいいお天気ですね」と言ったら、「あっ、そうなんですか」と言われた。店内からは空が見られないので、空模様がわからないのだ。暇な時間に外に出てちょっと一息というわけにはいかないのだろう。

   プリンとアイスティーを注文し、30分ほど滞在する。 


モモコさん、ブログ初登場です。


5月17日(金) 晴れ

2013-05-18 09:18:58 | Weblog

   ブログ仲間のひとりである竜子さんがブログから足を洗うことになり、その最後の記事のコメント欄はさながら竜子さんの送別会のようになった。「竜子さん、おたっしゃで」と儀礼的な短い挨拶で済ますこともできたが、そうもいかない気がして、少しばかり長めのコメントを書いた。それに対して竜子さんも同じくらいの長さの返事をくださった。最後まで義理がたい方である。そのやりとりを通して、私は竜子さんの置かれた深い井戸の底のような孤独に改めて思いをめぐらした。そうした状況に置かれた人にとって、外の世界との交信のツールとしてブログはどの程度有効だろうか(メールや電話という他のツールと比較して)ということを考えたりした。

  ブログ仲間といえば、卒業生でもあるTさんは、最近のブログで6年前に亡くなった父親への手紙という形で自分の中に混沌としてあった父親への思いを表出したことについて語ってる(手紙そのものはブログには載っていない)。亡くなった人に手紙が届くことはないから、手紙という形式はあくまでも自己表出のための手段であるわけだが、不特定多数の読み手を想定したブログと特定の読み手に対して書く手紙というツールが結びついている点を興味深く思った。

  竜子さんが求めていたものは、不特定多数の読み手ではなく、特定の読み手であったのではなかろうか。ブログも特定の読み手を想定して書くことは可能だが、それはブログ本来の使い方ではないだろう。 ただし、ブログを書くことを通して、特定の読み手と出会うことは可能だろうと思う。

  本日の昼食は崎陽軒のショーマイ弁当。

  3限は必修基礎演習。今日から各自の関心あるテーマでの発表(レポート+口頭発表)が始まった。鍛えてあげるから、頑張ってついておいで。

  5限・6限はゼミ。4年生はまだまだ就活中、試験勉強中という学生が少なくない。エネルギーレベルを持続するのは大変だろう。リフレッシュする時間をどこかで作ることが大切と思う。しっかりね。


5限は3・4年合同ゼミ

 
      休憩時間はスイーツタイム           6限は学年別ゼミ(私は3年生の発表を聴く)

   夕食は「ワセダ菜館」で、コロッケとアジフライの定食+ほうれん草の胡麻和え+切り干し大根。

  帰宅途中、大手町(東西線)から東京(京浜東北)への乗り換えのときに、ゼミ一期生のOさんとバッタリ出会う。2年前の卒業以来である。彼女はいま大手町に本社のある生保の会社で働いている。今日は9時過ぎまで残業をして、これから帰るところだった。広い東京、こんなふうに遭遇することはめったにないことである。「神戸屋レストラン」のイーインコーナーでしばらくおしゃべりをする。仕事の話もしたが、すぐに話題は恋バナへ。女子会みたいだ。私がおばさんだからだろうか。恋バナといっても、現在進行中のそれではなく、これからどうやったら素敵な相手と出会えるかという話。学校と職場というのが結婚相手と出会う主要な場所だが、そこで出会えない場合、どうしたらいいかというのは切実な問題である。

  簡略版のブログのはずが、そうなっていない。これはいたしかたないことで、私のブログは私のものだが、ブログの世界は私だけの世界ではないからだ。


5月16日(木) 曇りのち雨

2013-05-17 00:17:35 | Weblog

  今日の昼食は、3限が終わってから、「いもや」に食べに行く。1月下旬に来て以来だから4か月ぶりである。ずいぶんと間隔が空いてしまった。ここは一か月に一度は顔を出したい店である。 天ぷら定食(600円)+あなご(200円)を注文。蜆の味噌汁が美味しい。「いもや」の問題点は塩が置いていないことである。私は魚介の天ぷらは塩で食べたい派である。いや、塩が置いていないかどうかは本当は知らない。「塩ありますか?」と聞いたことがないからだ。もし聞いたら女将さんに怒られそうで。「天ぷらは天つゆで食べるものです」と説教されそうで。

  5限の講義「日常生活の社会学」を終えて、研究室に戻ると、ドアの前で、演習「現代人と職業」を終えた坂井素思先生(放送大学)が立っていらっしゃる。少し研究室でおしゃべりをしてから、「甘味を補給しに行きましょう」ということになり、「カフェ・ゴトー」へ。 二人ともベイクド・チーズケーキとコーヒーを注文。坂井先生はここのチーズケーキがお気に入りである。「奥様にお土産に買って帰られたらいかがですか」と私が言ったら、「妻は外で食べることや外で何かを買ってきて家で食べることをそれほど好まないのです」と答えられた。「それは料理が得意で、自分で作った方が美味しいからですか」と尋ねたら、「う~ん、そういうわけでもないのですが」とのことだった。要するに、私の母などの世代には一般的な感覚だが、外で食べることを慎むべき贅沢と考えているということのようである。お祝い事とか特別のことがある日ではなく、何でもない普通の日に外食というのは抵抗があるのだろう。もし坂井先生の奥様が私のブログをご覧になったら、「なんでこの人はこんなに外で食べてばかりいるのだろう」と思われるに違いない。

  奥様と外食が気軽にできない坂井先生は娘さんとときどき外食をされるらしい。捨てる神あれば拾う神あり。坂井先生のブログを読む限り、父と娘の仲は非常に良好のようである。