フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

6月19日(日) 雨のち曇り

2021-06-20 10:51:57 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ(+ハム)、牛乳、紅茶の朝食。

昨日のブログを仕上げてアップする。

レビューシートのチェック。土曜の午前中に提出する学生は少ない。

雨がしとしと降っている。

しとしと降っている雨それ自体を写真に撮ることは難しい。撮れるのは雨に濡れているものである。

昼食はジャージャー麺。「肉味噌を混ぜて食べないと途中でなくなるわよ」と妻が言った。そういわれるとそういう気がしないでもないが、私はジャージャー麺もスパゲティミートソースもあまり混ぜないで食べる。食べていれば自ずからある程度混ざるということもあるし、何よりも混ぜると見た目があまり美しくないように思うのである。冷やし中華もそうだな。セパレートティーもそうだな。そうか、私は「混ぜない派」「混ぜない族」なのかもしれない。

食後の散歩がてら、大井町のヤマダ電機に修理されたデジカメを受け取りに行くことにする。安物の傘ではなく、いい傘を差していくことにする。「いい傘はすぐ失くす」という経験則がある。注意しなくてはならない。

先週の土曜日に修理に出して、一週間で戻ってくるというのはスピーディーである。

すぐに帰宅せず、大森(大井町から蒲田の間)で下車して久しぶりにジャーマン通りを歩く。

「ベイクマン」で食パンを購入。

カフェ「sanno2198」に顔を出す。ほぼ3カ月ぶりである。

「ご無沙汰しております」とマダムに挨拶して、一番奥のカウンター席に座る。

胡桃とラムレーズンのタルトが残っていたので、それとコーヒーはエチオピア。スイーツと一緒のときはコーヒーはブラックで飲む。ここのコーヒー豆は基本的に深煎りである。マダムが丁寧にネルドリップする様子をじっと見つめる。

カウンターのもう一方の端に座られた常連とおぼしき、しかし初対面のご婦人とマダムと三人でおしゃべり。

お店を描いたポストカードを買う。

5時に店を出る。日没までまだ2時間もある。

ジャーマン通りをもう少し先まで歩いて、古書店「あんず文庫」に顔を出す。ここも「sanno2198」と同じく3カ月ぶりだ。本棚が増え、通路が少し狭くなっていた。

荒川洋治の詩集『渡世』(筑摩書房、1997年)を購入。この本が出たころ、荒川さんは第二文学部の非常勤講師をされていて、教員ロビーでその姿をよくお見かけした記憶がある。

 渡世とは、辞書によると世の中を渡る、生きていくという意味です。ほんとうのところどう生きたらいいのか、ちいさいこと、大きめのことと、ぼくもまたいつも悩んでいます。一日一時が選択の連続。笑顔はそのたびに小さくなります。
 この詩集では、ぶかっこうでも、粗雑でも、自分自身の見方を示すようにしました。舗装されていない場所では、ころんだりもしますが、詩の言葉には自由があり、そのあたたかみを知ることにもなりました。またたしかに、いはま人に向けて、冷たい風が吹いているのだとも感じました。
 子供のころ、腰にてぬぐいを一本ぶらさげるおじさんをよく見かけました。何かのときにつかう。どこかで出す。ときどき洗濯もするのでしょう。ぼくも風に洗われながら渡世を送っていこうと思います。(あとがき)

「腰にてぬぐいを一本ぶらさげているおじさん」ってたしかにいたな。詩集なのだから「あとがき」でなく詩を引用したいところだが、一篇一篇が長いことと、ちょっと引用を躊躇させる表現が随所にあるのである。たとえば詩集のタイトルにもなっている「渡世」という詩がある。途中で、こんな箇所が出てくる。

 お尻にさわるのもいいが

 お尻にさわるという言葉は

 いい

 佳良な言葉だと思う

ここまでは引用できるのだが、この先は引用するのが憚られるのだ。 

出口裕弘『太宰治変身譚』(飛鳥新社、2004年)も購入。今日は桜桃忌。太宰ファン(信者?)の店主さんとちょっと太宰談義。太宰はその実人生がしばしば話題になるが、ストーリーテラーとして太宰はもっと語られてしかるべきという点で意見が一致。

さて、帰ろう。

 雨あがるジャーマン通りは桜桃忌 たかじ

蒲田に戻り、6時をちょっと回った頃の東の空。

『福山雅治 福のラジオ』をタイムフリーで聴きながら、夕食までレビューシートのチェック。

カフェ仲間のトモミさんからLINEが届く。「スリック」のパンケーキブランチの写真が添えられている(ドリンクはアップルジュースをチョイスされたのですね)。悪阻で苦労されているが、今日は食欲が出たようである。雨でお店も空いていたようで、「マダムとお話ができて楽しかったです」とのこと。それはよかったですね。「今日はアド街が本門寺ですね」。えっ、そうなの、知らなかった。観なきゃ。

夕食はエビとズッキーニと茄子の炒めマヨネーズ和え、竹の子の土佐煮、サラダ、玉子スープ、ごはん。

ズッキーニと茄子に比して海老の数が少ないように思われる。遠慮がちに「海老が少ないように思うけれど・・・」と口にすると、妻も「そうね」と言った。

土佐煮とは鰹節と一緒に煮ることである。

食事をしながら『シェフは名探偵』第2話(録画)を観る。今週は春ドラマの多くが最終回を迎えるが、『シェフは名探偵』は一足先に始まった夏ドラマである。「探偵」とはいっても刑事ドラマが扱うような「事件」を解決するわけではない。あえていえば「民事」、もっと平たく言えば、「人生の悩み事」である。

『アド街』は寺町池上。2008年に一度、取り上げられたことがある。あのときは「甘味あらい」がまだあって、店主さん夫婦が出ていた・・・。

番組が終わること、卒業生のホナミさんからLINEが届く。「今日アド街ック天国で、池上本門寺をやっています。先生に連れて行っていただいたところがたくさん出ていました。また一緒にお散歩できるのを楽しみにしています」。彼女はお子さんが生まれて二カ月近くが経つ。「よく寝てくれる子でありがたいです!」とのこと。それは何よりです。

風呂から出て、『桑田佳祐のやさしい夜遊び』をライブで聴きながら、今日の日記とブログ(構成)。

2時、就寝。