フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月15日(土) 雲りのち小雨

2012-12-16 08:14:17 | Weblog

   8時、起床。久しぶりの曇り日の朝。やがて小雨が降り始めた。冬の冷たい雨ではなく、穏やかな雨である。

   昨日の夕食に引き続いて、おでんの朝食。一晩おいて食べて美味しいものの代表である。 

  小雨の中、昼から恵比寿の東京都写真美術館へ出かける。今日のお目当ては「この世界とわたしのどこか」(日本の新人作家vol.11)である。

  2階の展示室に入って、作品を観始めた頃、場内アナウンスがあって、間もなく1階アトリエで北井一夫と金子隆一(写真美術館専門調査員)の対談が始まるという。知らずに来たが、ぜひ聴いてみたい。整理券がないと入れないのだが、キャンセルもあるだろうから、とりあえず行ってみる。しばらく待たされたが、数席空きがあるとのことで、入場することができた。1時間半の対談の前半は写真の焼き付けの仕方をめぐる専門的な内容で、ちんぷんかんぷんであったが、後半は「写真集」の構成(編集)をめぐる話ででこれは面白かった。

 

   対談を聴き終えて、一度、館外に出て、「満龍」で味噌ラーメンを食べてから、改めて「この世界とわたしのどこか」を観て回る。蔵真墨、田口和奈、笹岡啓子、大野千野、菊池智子という5人の作家の作品が展示されている。モチーフや技法は5人5様であるが、私は蔵真墨の作品に一番魅かれた。街角の人々を撮った作品で、5人の中では一番アマチュアっぽい。しかし、私に彼女のような作品が撮れるかというととても撮れそうにない。第一に、彼女にように街角の人々にストレートに(無遠慮に)カメラを向けることはかなりの度胸を必要とする。彼女にそれができたのは、彼女の性格ということもあるだろうが、彼女が「お伊勢参り」と自分の取材旅行を意味づけることで、街角の人々にストレートにカメラを向けることの大義名分を得たためだろうと思う。第二に、たとえ彼女のように街角の人々にストレートにカメラを向けることができたとしても、彼女のように人々の生の一瞬を捉えるシャッターチャンスと邂逅することは至難のことだろう。おそらく彼女とてそうしたチャンスと邂逅するために何度も何度もシャッターを押したに違いないが、やはりそこには彼女独自のまなざしというものが作用していて、それは「下手な鉄砲も数打ちゃ当る」という類のものではないことは一目瞭然である。

 

  恵比寿ガーデンプレイスを出たのが5時。「まやんち」のラストオーダーの時間(18:00)に間に合いそうだったので、寄ってみる。こんな時間であったにもかかわらず店内にはたくさんの客がいた。一体、空いている時間というのはあるのだろうか。プリンとマグカップの紅茶を注文し、閉店時間(18:30)まで滞在する。

 


空飛ぶ円盤のようである