ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

風の唸り声

2023-05-06 15:03:32 | 日記
部屋の中に居ても、風の唸りが聞こえてくる。

風は気圧の高いところから、気圧の低いところへ吹き下ろされる。天気図をみると太平洋高気圧の淵が、丁度日本列島に係っている。そして日本海側には低気圧が連続して並んでいる。

風が強いのも当然だ。しかも太平洋高気圧からの風は湿っぽく、かつ熱気をはらむ。そのうえ、日本海上空の低気圧が連なっている。

凄く嫌な感じ。私なら登山を中断する天気図だ。実はGW中はわりと遭難が多い。登山者が多いのも一因だが、気候が荒れることも大きな要因になっている。

一言でいえば、冬の空気が夏の空気に入れ替わる時節だ。こんな時、山の天気は荒れる。更に付け加えるなら、荒れた天気の合間の晴れた光景が美しい時期でもある。だからこそ撤退の決断がしずらい。

十代の頃、何度か怖い思いをしている。ヒマラヤ登山にも使用されたドームテントのポールがへし折れたこともある。標高は2千メートルに満たないのに、台風がぶつかったかのような強風で立って歩けなかったこともある。四つん這いで尾根を這いずり、避難小屋に逃げ込んだ経験は忘れがたい。

風は恐ろしい。体力を奪い、体熱を奪い、気力を奪う。どうか無事に下山して欲しい。この時期は冬山の魅力と夏山の魅力の双方を満喫できるが、同時に恐ろしさをも体験できてしまう。

私自身はもう山には登れないが、学生時代の知己がこの時期にはよく登っているはずだ。風の唸りが私を怯えさせる。どうか無事に下山して欲しいものです。
コメント (6)
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