これって時限爆弾か?
いや、宮崎空港の爆発事件のことではない。今年から課税されるようになった森林環境税のことである。
今年6月くらいから顧客から妙な問い合わせが増えた。市役所や区役所から送られてくる個人住民税に見慣れぬ文字があると。それが森林環境税のようだ。
恥ずかしながら私も全く失念していた。税の専門家としてどうかと思うが、個人の住民税は各自治体が計算して税額を決めるので、正直関心が薄い。そういえば、以前テキストに記載があったような気がする。
調べてみると、森林環境税自体は令和2年の安倍内閣の時に、しれっと閣議決定されて国会を素通りしている。COCP21パリ大会での炭素削減目標の実行を受けての政策であるらしい。
しかし、令和2年に決定して令和6年に実施とは、時限爆弾みたいな税金である。せめて令和5年中にしっかりと広報すべきであろう。それをこっそりと進めるあたり、行政側も後ろめたい気持ちでもあったのだろうか。まさにステルス増税である。その上、天引きされる関係で気づいていない人もけっこういるはず。
しかも、一人当たり年間1000円程度であり、また低所得者への減免措置もあるためか、マスコミ様におかれましてはあまり報道する価値がないとお考えのご様子です。まぁそのあたりの判断はマスコミ様の権限ですから致し方ない。
でもね、この森林環境税は目的税ですよ。温暖化防止に向けて森林の育成によるCO2吸収効果を狙った政策的な税金です。この目的税が適切に使われているかどうかの取材くらいは、しっかりとやって欲しいものです。間違っても記者クラブで配布される資料の丸投げだけは止めて欲しいです。
環境の名を冠した人頭税ですよね。
政府はメガソーラーで山林を破壊しておいて森林環境税とは。もちろん相互に関係ないことはわかりますが、そうすると政府は総体を考える能力がないことになり、やっぱり頭が痛い。