ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

三峡ダム報道

2022-08-25 13:27:41 | 社会・政治・一般
相変わらず極論が多いのが、日本のシナに関する報道だと思う。

3年ほど前だが、シナで大雨が降り続き、世界最大のダムである三峡ダムが崩壊しそうだとの報道が日本を駆け巡ったことをご存じだろうか。

グーグルアースを用いた写真を見ると、ダムには水が溢れそうなくらい貯まり、ダムの胸壁がたわんでいるように見える。記事には、もし三峡ダムが崩壊したら長江の下流域では破滅的な大洪水が起きて、史上最大規模の災害となると報じていた。

私はその報道をあまり信用できないと考えていた。シナの歴史を知っている人なら分かると思うが、シナの皇帝の役目は治水である。黄河の氾濫が有名だが、南の長江(揚子江)も負けず劣らずの荒れ河である。

治水の重要性をどの民族よりも分かっているのがシナの民である。隣の半島ならいざ知らず、シナの民が堤防やダムを手抜きするとは思えない。いや、正確に云えば、国内のダム、堤防に関しては相当に真剣に作ると思う。

ご存じの方もいるかと思うが、実は中央アジアの某国でダムの崩壊事故があったが、それはシナの土木会社の仕事であったため、けっこう問題視されていた。だがシナの国内でその手の手抜きをやるとは思えなかった。

ちなみに隣の半島では、土木工事自体の歴史が乏しい。呆れるほどに土木工事に疎いというか、歴史はけっこう長い癖に、半島内で古代の土木事業の成果としての遺跡がほとんどないという極めて珍しい事例である。本来はシナを手本とした模倣国家なので、土木も相当にやっていておかしくないのだが、儒教の影響で新しいことをするのを厭う妙な思考法の結果らしい。

古代の国家、例えばエジプトとかペルシャ、ローマなどは治水、灌漑、運河と土木工事にその国力を示していた。シナもまた然り。だから、私は三峡ダムもそう簡単に崩壊することはないと思っていた。

日本のマスコミは、歴史感覚に乏しいのか、はたまた目先のことしか見えてないのか知らないが、シナに関してはかなりいい加減な記事を垂れ流す。

つい先日のニュースでは、シナの南部では未曾有の大干ばつに襲われて、飢饉が発生していると報じていた。おいおい、ほんの3年前ですぜ、長江の三峡ダムが水で溢れていたのは。

まァ干ばつは事実だけれど、三峡ダム下流域では放水と灌漑によりなんとか農業を維持できているらしい。ただ、広大なシナの大地すべてに行き渡るほどの貯水は不可能。それでも世界最大のダムの役割は決して小さくない。

で、その三峡ダムの崩壊の危機のニュースはどうなった?

種を明かすと、衛星写真を元にしたグーグルアースの映像は、撮影角度の問題と、映像処理技術の問題からしばしば歪みを生じさせる。それが誤解の元となり、三峡ダムが歪んで見える写真がネット上にアップされたことが原因であるようだ。

実を云えば、日本の新聞TVのシナに関する報道は、いつも極端から極端に振れます。GNPが日本を超えて、アメリカに次ぐ世界第二位だァと騒ぐ一方で、不動産バブルの崩壊を上から目線で報じる。

あるいは北京政府に対して地方政府が叛意を示し、近い将来シナは分裂する。世界第二位の経済力も、アメリカあってのものなので、いずれ崩壊するとか、極論ばかり騒ぎ立てる。

これは戦前からあったようで、賛美したいのか、あるいは蔑みたいのか立ち位置がしっかりしないあやふやな報道が溢れている。そんな訳で、私は日本のマスコミのシナ報道は、いつも斜め読みです。まァ必ずしも事実を報じないシナ自身にも問題はあるのですけどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする