のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

青春18きっぷの旅・冬編2

2010-01-07 | 展覧会
というわけで、日ごろの行いにもかかわらず、無事に戻ってまいりました。
ドン・キホーテはどうにか前編を読み終えました。
↓は1/3の写真でございます。


1.金沢駅。冷たい風にみぞれという荒れた空模様でございましたが、大きなガラスドームが演出する開放的で温かみのある空間は心地よく、「いらっしゃいませ」とワタクシを迎え入れてくれるかのようでございました。京都駅ビルもこんなふうになれば.....よかったのですが...。
2.21世紀美術館。中央に見えるのはかのレアンドロのプール
3.ウサギイス。

17:00に美術館を出てデパ地下で職場へのお土産を買い、東横インへ。いったいのろは東横インが大好きでございます。朝食付きシングル4000円台、お部屋はきれいでネットも使えて、これ以上何を望めましょうか。うむ、ラジオがあればもっといいですね。

翌日は気持ちよく晴れました。
県立美術館の開館まで時間があるので、金沢城公園をぶらぶらすることに。



4.石垣はいいもんです。特にかどがよろしい。
5.これは何かの使い回しでは。
6.こずえの上でカラスが「あっはっはっはっは」と陽気に鳴いておりました。ちなみにワタクシが実家にいた頃、近所には「ばかっ、ばかっ」と鳴くカラスがおりました。
7.枝から落ちる水滴で雪上にクレーターができております。蒸しパンみたいですね。
8.同じ足跡がひとつ所にいくつも重なっております。朝方、ここで誰かが雪景色の写真を撮っていたに違いございません。
9.石垣と雪釣り。とりあえずこれだけあれば金沢って感じがするではございませんか。



10.石垣の様子から察するに、お堀の水は通常よりだいぶ少なくなっているようでございます。石垣の上に貼り出した出窓のような所がございますね。ここから、石やら何やらを落として敵を撃退するのだそうです。
11.隙間にきっちり詰め込まれた小石がいじらしい。
12.軒下の漆喰が波うっておりますね。どういう意味があるんでしょう。
13.お堀は昨日からの雪をたっぷり吸い込んで、半凍りの状態。石垣をぼんやりと映し込むマットで均一な水面が、何とも趣き深い。と思っていたら向こうからやって来た観光客とおぼしき方が、磨りガラスのような水面に雪玉を ぼっちゃん と投げ入れて見事なまでに不粋な大穴を開けてくださいました。
14.杭の上にはひとつずつ雪見大福が乗っかっております。

日も高くなった所で石川県立美術館へ。平成に入ってから描かれた日本画を集めた展覧会遠き道展---伝えたい日本画の今---を年初から開催中でございます。
花鳥画の典雅なイメージを受け継ぎつつ新しい表現を試みたものや、「日本画」というジャンルに捕らわれないテーマや表現方法で力強い画面を構築したもの、具象とは完全に決別したものから決別しかけているものなどなど、いろいろございました。日展でお見かけした作品も多うございましたが、改めて見ると、多様なテーマと表現に今更ながら新鮮な思いを抱いたものでございます。
とりわけ印象深かったのは宮いつきさんの作品でございまして、構成力といい色彩感覚といい、独特のノスタルジックな作風といい、この方は当代の天才であろうと、のろは思っております次第。

また常設展では、やりすぎ感がたまらない古九谷の皆さんや、もう10年も前になりますが、日展でのろに衝撃を与えた中町力さんの『Lex Avenue』(氏の作品は企画展の方にも展示されています)、そして鴨居玲の『1982 私』などの作品に再会できまして、ああ新年早々、よいものを見させていただいたものよと感慨を深めつつ美術館を後にしたのでございました。

かくて晴天のもと、てくてくと金沢蓄音器館への道をたどり、40分ほど行った所でどうやら道を間違えたことに気付き、そこからまたてくてくと戻って2:00前に到着いたしますと、ちょうどうまい具合に蓄音機の聴き比べ実演に滑り込むことができました。
蝋管レコードのでこぼこした音や、和紙製のラッパから発せられる包み込むような音色、発売当時は家二軒分のお値段であったという、タンスのような蓄音機が奏でる迫力の『トッカータとフーガ』と、色々楽しませていただきました。

お隣の菓子文化館にも蓄音機の展示があるということでございましたが、今回は時間がございませんので駅へ直行、15:29の鈍行に飛び乗り、21:00ごろ帰京いたしました。



15.21世紀美術館のミュージアムショップで購入した活字スタンプキット。箱にタイプライターの絵があしらってあるのは、タイプライターの字体を模した活字デザインだからでございます。活字をはめるレーンが上下二段ございますので、二行スタンプを作ることができます。こいつの存在をモチベーションに、また何か作れればと思っております。
16.蓄音機館で購入した鉛筆削り。ハンドルを回すとレコードが回転くるくる回転いたします。この楽しい仕掛けで鉛筆も削れるのかといとそういうわけではなく、穴に挿し込んだ鉛筆をぐりぐり回して削る、鉛筆削りとしてはごく素朴なタイプでございます。他所でも入手できる品ではございますが、蓄音機館で買ったということに意義があるのです。
いえ、言い訳はよしましょう。こういう小物に弱いのです、はい。

そんなこんなの金沢行でございました。



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2 コメント

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さすがナカナカ (momo)
2010-01-07 23:51:04
久々にm(__)m
のろ屋敷ご訪問したら
ムム 18切符に
金沢紀行・21C美術館と
私好きが満載で・・・

筆も画像もさすが流石
またまた敬服m(__)m
充実に感謝!ありがとね!
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どうもいやはや (のろ)
2010-01-10 12:13:28
momo様、いらっさいませ。
金沢は歴史遺産のみならず文化施設も多くて
ナカナカに面白い所のようですね。
忍者寺の異名を持つ妙立寺なども大変気になる所です。
予約が必要ということなので今回の見学は断念しましたが。(←予約嫌い)

青春18きっぷ、名称がやや意味不明であることはおくとして、
実に有り難いサービスですね。
おかげ様でいつも楽しく貧乏旅行させていただいております。
これプラス特急券で特急に乗ることができれば
もう言うことなしなんですが...
うーむ、さすがにそこまで太っ腹なことをしたら
JRが潰れてしまいましょうか。

のろ屋敷は今年もぼちぼち続けさせていただこうと思っておりますので
気が向いた時に覗いていただけたなら幸いです。





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