のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

911のあと

2008-09-11 | Weblog
弱者の振る舞いを真似しようとは誰も思わないけれども、強者の振る舞いは、いわば規(のり)として提示されます。
それが家庭レベルであれ、企業レベルであれ、国家規模のことであれ。
だから強者は自身の行動についてなみなみならぬ責任を意識しなければならないんでございます。
その属する世界全体の倫理に対して、責任を負っているのだということを肝に命じていなければならないんでございます。

アメリカはタリバンやアルカイダよりもずっと強者であったのに、「やられたらやり返せ」という4000年前から何の進歩もない規範を提示してしまいました。
闘い、というカッコよさげな言葉を隠れ蓑にして、「暴力は有効な手段である。最も大きい暴力を振るう者こそが事態をコントロールするのである」と、世界に向けて、堂々と宣言してしまいました。
かくて世界一の強者からお墨付きを貰ったその規範は、イラクで、アフガンで、アフリカで、世界各地で、相も変わらず遂行されております。



何でこんなことになったんだろう。

報復はヤメロという声は、国の内にも外にも、確かにあったのに。
どうして止められなかったのか、どうしたら止められたのか。
私達みんなが考えなきゃいけない。
一握りの賢い人や知識のある人、力のある人たちだけじゃなく、私達みんなが考えなくちゃいけない。
いつも忘れがちだけれども。


ところで
演説の中で「EVEL」やら「FREEDOM」という言葉をやたらと使った指導者はもうすぐ退任なさいますけれども、後釜はどうなるんでございましょうね。
ABCニュースのアンケートによると、現時点でマケイン氏の支持率がオバマ氏の支持率を2%ほど上回っているとのこと。
また共和党になるのかしらん。
嫌だなあ。
共和党の副大統領候補ペイリン氏の素性を知ってからはますますその思いが強くなりました。
と申しますのも、彼女が天地創造説(世界は聖書に記されているように、神(もちろんキリスト教の)の意志によって創造されたのだとする説)を学校で教えるべきだと主張した知事であり、(石油採掘の障害になる)ホッキョクグマの絶滅危惧種指定に反対し(ちなみに旦那さんは石油関連企業の管理職)、アラスカの野生生物保護区での石油採掘を押し進めようとしてきた人物であり、銃規制に反対するかの全米ライフル協会の会員であり、同性カップルの結婚を認めないゴリゴリのキリスト教保守派であることが分かってきたからでございます。
あの大国を、こういう人が引っぱってほしくはないなあと、ワタクシは思わずにいられません。



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