のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

『変身』

2006-09-26 | 
『変身』カフカ 新潮文庫 1952 を改装しました。


吹き流しでランダムに模様をつけた薄手の和紙を、模様が 濃い→薄い の順で数枚重ねました。



タイトルはシャーペンで手書き。



これも11月の展覧会に出品いたします。

NPO法人 書物の歴史と保存修復に関する研究会


はるか以前
この作品を初めて読んだ時は
「こんなにも徹頭徹尾、救いのない、暗い話がこの世にあっていいもんだろうか」 と
はなはだ とまどったものでございます。
自らの存在について罪悪感を持たずにおられた当時のこと。
今はもう
ハハハハ。

こちらは ↓ 『知的常識シリーズ 3 カフカ』 D・Z・マイロウィッツ/ロバート・クラム著 1994 交心社 より、『変身』の一場面。



MOMAにその作品が収蔵されているアングラ漫画家、ロバート・クラム。
執拗で
猥雑で
意地悪なまでの人間観察と
シニカルな戯画化に手腕を振るうクラムのイラストは、
カフカの小説世界と それはもう恐ろしいほどマッチしております。


copyright : David Zane Mairowitz Robert crumb 

うーむ素晴らしい。
大変残念なことに、もはや発行はされていないようです。
net通販でも「在庫切れ」表示が多うございますね。
しかしこれはもう 見たら即買い のハイクオリティ本でございますよ。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素敵ですね! (共猫)
2006-09-27 00:00:15
本の装丁 いい感じですね 好みです!

お久し振りです

難しいカタカナの話は 苦手ですが

私の感性で 好きか嫌いで判断しています

人生において どんな出会いがあるか

それは将来にとって貴重なポイントです

好きな物に触れたい そんな風に生きたいのに 

日々の野暮用で ナカナカ果たせません

時間が惜しい チャンスが欲しい 欲が出ます

人間て  そんなもんですね 
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お久しぶりでございます。 (のろ)
2006-09-28 22:00:58
共猫様、ありがとうございます。

のろにしては あっさりめ のデザインに仕上がりました。



好きなことと日々の生活がイコールではない、というのは

おっしゃるとおり、ほとんどの人間の宿命(笑)でございますね。

それでも

雑事に追われて好きな物への感性を鈍らせないよう

あるいは、雑事の中にあっても感性が反応できるよう

日々精進・・・

してはおりませんが

自然とそんなことになっております。

ワタクシもものごとをまず好きか嫌いかで判断して

あとから理屈を考えるたちでございます故。



共猫様も、日々 歩いたり立ち止まったり なさる

その折々に、ご自身の 感性塔 と連絡をとっていらっしゃるのではないでしょうか。
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