のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

『山猫』

2006-03-17 | 映画
本日は
サルディニア王ヴィットリオ・エマヌエレ2世がイタリア王国成立を宣言した日
なのだそうです。
また
巨匠ルキノ・ヴィスコンティの命日です。

共通点は『山猫』です。
統一戦争に揺れるイタリアを舞台に、没落してゆく貴族社会の最後のきらめきを描いたこの作品。

お屋敷、衣装、家具調度の絢爛さは申すまでもなく、
押し寄せる時代の波をそれぞれの仕方で受け止める登場人物たちの感情の機微、
貴族社会の、そして自らの人生の斜陽を自覚する
主人公サリーナ公爵(バート・ランカスター)の孤独とプライド、
台頭するブルジョアジー(=拝金主義)への皮肉な視線、
若さと野心で全身輝いているような、公爵の甥タンクレディ(アラン・ドロン)と
新興ブルジョアの娘アンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)の美しさ。
どこを取っても見るに値する187分でございます。

しかしまあ
一番の見どころといったら
美しきカルディナーレ嬢の下品な高笑いと、アラン・ドロンの黒眼帯でございましょう。





アラン・ドロンつながりで申せば
本日は『太陽がいっぱい』のルネ・クレマン監督の命日でもあります。
「彼は一度でも愛してると言ったかい?・・・」
かーーーーっ
悪っ。