仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

お盆特集号

2020年06月28日 | 浄土真宗とは?
先の話ですが『本願寺新報』(2020.8.1日号)お盆特集号。依頼で執筆した巻頭の「赤色白色」原稿です。

お盆は先祖に思いを馳せる時節。ご先祖は一体どこにおられるのか?有るか無いか、といったモノの見方に縛られる現代人には気になるところだ。ただ、先祖について確かなことが一つ。それは先祖がいなければ私は存在しないということだ。
▼『O歳児がことばを獲得するとき』(正高信男著)に次のようにある。9ヵ月頃になると子どもの認知能力は急速な発達を遂げる。それまでは遊びの場面でオモチャに布をかけて見えなくしてしまうと、子どもは、そこにはもう何もないかのように、オモチャヘの関心を失ってしまう。ところが月齢9ヵ月に達すると、自分で布を取り去り、下に置かれているオモチャで遊びを持続するようになるという。
▼つまり、子どもは9ヵ月に達すると、目に映っていなくても、その存在を理解するようである。私もまた、私という存在を通して、目に見えない先祖を理解し、目に見えない先祖に触れていく。これは確かな事実だ。
▼私が阿弥陀さまの名を称え、合掌礼拝する。そこに阿弥陀仏のはたらきがあると教えてくださったのが、親鸞聖人だ。磁石は鉄を吸いつける時、鉄を磁気で満たし、鉄を磁石にしてしまう。そのような阿弥陀仏のはたらきで私の上にお念仏を喜び合掌礼拝する姿があるとすれば、それこそが阿弥陀仏の存在の証しだ。自分自身を通して先祖に触れ、お念仏を通して阿弥陀仏に触れていく。お盆にはご先祖だけでなく、阿弥陀仏の存在も家族に伝えてほしい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中村元著『慈悲』から | トップ | 心停止と意識喪失 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

浄土真宗とは?」カテゴリの最新記事