『アンガーマネジメントで読み解く なぜ日本人は怒りやすくなったのか?』(2022/1/7・安藤俊介著)の続きです。以下転載。
自己肯定感の低い人が持つ五の特徴
これらの特徴は、一つだけあるということではありません。むしろ一つしか特徴がないほうが珍しく、人体の場合は複数の特徴を併せ持っています。
①承認欲求が強い
承認欲求の強い人は、言わずもがな自己肯定感の低い人です。なぜなら、自分のことを自分で価値があると思えない、自分を受け入れることができないので、つねに他者からの承認を求めることで、自分に価値があることを確認するからです。
SNSは承認欲求のメディアとも言われていますが、SNSが登場したことで、手軽承認を求めることができるようになり、また、承認欲求も「いいね!」などを押してもらうことで、簡胆にある程度は満たされるようになりました。簡単に承認される術を覚えたことで、承認欲求がより強化されているという印象です。
②依存心が強い
依存心が強い人も、自己肯定感の低い人です。依存心が強い人は、自分で物事を決めることができず、まわりの人に判断を仰ぎます。会社であれば、上司や同僚などに判断を求め、自分で決めることができません。
自分で決めることができないのは、人に判断を仰ぐからということもありますが、自分で自分の選択に責任を取りたくないという心理が慟いています。自分で決めて失敗をすれば、責められるのは自分です。そのことで、自分の価値が傷つくと考えています。 依存心が強い人の反対は自立心の強い人です。つまり、依存心の強い人は、自立のできていない人とも言えます。
ところが依存心の強い人は、自分の感情さえも自分で責任を取ることができません。
自己旨定感の低さは自己評価の低さですが、自分で自分の感情、行動、結果に責任が取れるとは思っていません。
そして、依存できる相手を探し続けます。この人に受け入れられないのであれば、受け入れてくれる人を探さなければいけません。なぜなら自立できていない以上、誰かに頼る以外の方法がないからです。
依存心の強い人は共依存といって、依存されることに依存するという関係になりやすい傾向があります。共依存な関係は健康的ではない関係です。
よくあるのは、DVする相手に対して「私かいなければこの人はダメになる」と思うような関係です。自分かどうしたいかよりも、自分か相手との関係をどうっくりたいかよりも、相手から求められることに価値があると感じます。
自立とは自分で立つと書きますが、自立できていない人、自己肯定感の低い人は、自分一人で自分の価値を確認することができないので、何かの関係の中で自分の価値があると感じようとするのです。