超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

榊健滋「楽園条例」、神海英雄「SOUL CATCHER(S)」 ジャンプNEXT!2012年AUTUMN秋号感想

2012-10-09 23:11:11 | クロス・マネジ(WJ系)







「毎日更新」と謳いながら数日間も既存記事の日付をズラすだけで本当ごめんなさいでした。
モチベーションはあっても、気持ちが付いていかないいつもの事態に陥ってました。
今後もこういう事があるかもしれませんが
決して別に休止とかそういう方向には行かない・・・とは思うので
まあ、気楽に気長によろしくお願いします。一応最低限の規律は守っていければ、と考えてるので。







◆楽園条例/榊健磁

「enigma」の人の新作読切。
何気に神海っちゃんとセットなのは何か意図でもあるんでしょうか(笑)?
その時期にはもう本誌読んでなかったんですけど、あの時もこの二人セットでしたよね・・・。
 それはさておき、内容自体は今すぐに連載にしても良いくらい面白かったです
基本的にこういうダークで人間の悪意っちゅうか、
そういう部分にフォーカスを当てるのがこの方の得意な描き方なんでしょうか
読み手としても読む前から「そういう内容なんだろうな」って予想してた為スッキリと読めました
そういった「この作家ならでは」の持ち味が付いてるのって間違いなくプラスだと思うので
今後もこういうダークな作風・路線で頑張って欲しいです。
あと主人公のみくが可愛い(笑)。


◆虎ノ花/門里慧

自分がアホだからなのかもしれませんが
普通にオチに驚かされてしまいました(笑)。最初は地味な印象でしたが
所謂どんでん返し的な展開が次々と来るのが読んでて楽しかった。
刺客同士が組んでるのは流石にすぐ分かりましたけど、
まさか繋がってるとはね・・・。



◆elec trick./木村勇治

こういう一人ぼっちで友達が~云々って話は大抵誰か騙してる奴がいるもんですけど
この読切は割と善人ばっかでそれが爽やかな読後感に繋がった印象があります
絵は勿論粗いって印象を受けざるを得ませんが
それでも下手って程でもないし
展開も少年誌の王道って感じで良かったですね。ストレートに友情を描く良い作品でした。



☆殺せんせーvs斉木楠雄~入間市最終決戦~

これ是非シリーズ化して欲しいなあ(笑
ちょっとビックリするぐらい面白くて笑っちゃったんだけど
反面、
ここまで高クオリティなら本誌の、合併号とかの企画に回した方が良かった気がしなくもない
だっておまけというには出来が良すぎるんだもん(笑 ローカルネタもさる事ながら
殺せんせーの性能を冷静に解説する斉木のツッコミがツボでした
相性が良すぎる事はもう十分に分かったので
お互い連載が続けば、またコラボ漫画第二弾にも期待したいですね。
どっちが凄いって事ではなく、どっちも立てていたその塩梅もまたベターだったかな、と。



◆SOUL CATCHERS(S)/神海英雄

最近、未読だった「LIGHT WING」を全巻購入して読んだんですけど
評判通り凄い作品でした。例えていうなら、他の連載がレベルをきっちり上げて
装備も整えて・・・って石橋を渡るように連載してるのに対して
「LIGHT WING」はもうレベル10くらいのまま大魔王に挑んでるような、
要するに物凄く無防備な作品だった訳です。
批判覚悟というか
人気取りの為の作戦も色気も何一つ携えず
ただただがむしゃらに突っ走ってるような漫画だったんですけど
それがむしろ新鮮に感じたというか、全力でバカやってくれるような作品って今あんまないですからね。
その意味じゃ正直単行本の一気読みではなく、本誌で読んでみたかったな、って
そういう気持ちも今更ながらに沸いて来たりして(笑
認めざるを得ない漫画でした。

今作も、笑っちゃうくらいバカで熱いシーンが盛りだくさん(笑
ではあるんですが、正直これはこれで面白くもあったんですが
ただこの設定は読切向けというか
連載でこれだとすぐにネタ切れになっちゃいそうな予感は正直します
とはいえ、「LIGHT WING」なんかは読切ではなくいきなり連載で来た作品だったので
このポテンシャルならばどんな題材でも応用出来そうな感じもありますね
是非チャレンジャーとしての真価を近い内に発揮して欲しい
待った読者的にも納得の内容だったのでは、と。
それにしてもこの作者には本当に大げさな演出が似合いますね(笑 こっちも作家性は十分出来てる。



◆ブチキレザル/森井祟正

漫才漫画って言えば、WJだとどうしても「べしゃり暮らし」ですけど
それとはまた違う、ファンタジーも絡めた切り口だったので比較せずに読めました
その辺は正直上手いな、と。
主人公のキャラも存外面白く感じたし、
粗い画風の割には女の子が端正に可愛く描けてるギャップも好印象でした。
面白かったです。



◆3012年 ランプの旅/藤井ヒロタカ

これはちょっと個人的には群を抜いて良かったですね・・・
多分欠点を探そうと思えばいくらでも見つかりそう(失礼)な作品ではあるんですけど
後半の、クライマックスのエルの某シーンで正直泣く寸前までいっちゃって
その後は感情移入せざるを得なかった
物凄く「正しい」少年漫画を久々に読んだ気がしますね。
こういうのが読みたかった・・・というのは都合の良い褒め方かもしれませんが
真剣に読み手を感動させようと頑張ってるのが伝わってきて、今回の新人枠では最も面白く感じました。
一緒にいられなくなっちゃうからこそ、敢えて何も願わなかった、というのが
いかにも子供らしくて純真で、泣けるなあ・・・と。
安易に都会人全部を悪に描かなかったのも良かったですね。
キャラの掛け合いが普通に面白かったのも楽しく読めた要因でした。



◆つまはじき高校/久楽

う、薄い・・・。
こんなこと敢えて読み手が指摘しなくても絶対自覚してるとは思うけど
筆圧が相当弱いんですかね?そのお陰で面白いギャグがあっても伝わり難くなってる感じがする。
ネタ自体はそんなに悪いとは思わなかったので、次は是非その点の改善を望みたい。



◆Tokyo Wonder Boys/下山健人 伊達恒大

ジャンプネタを多発する主人公の片割れが意外と面白く感じた(笑
サッカーよりも、ギャグの方が個人的には手ごたえ(?)を受けたりもしたので
どっちかっていえばコメディ系統の作品のが向いてるかも
でもサッカー描写もそれなりには。
ギャグとシリアスの融合って立ち位置を目指すのなら全然別ですけど。



◆SCHOOL OF GOD/城本祥

正直、連載じゃないんだからちゃんと仮面取って欲しかったな・・・。
そこを期待してページを捲る訳じゃない?その意味じゃ多少ガッカリしたかな。
これが連載なら、目標って意味では良かったんでしょうけど
あくまで読切な訳で
そしてこれが連載になるって保証がある訳でもない。
可愛い女の子も描けますよ、ってアピールの意味合いも含めてそこはきちんと描いて欲しかったです。
っていうのは勿論個人的な意見ではありますけどね(笑)。主人公がオッサン風なのは良かった。



◆ぬらりひょんの孫

というか、この作者目次コメント欄で遊ぶの好きッスよね・・・(笑)。
同門とはいえ、神海英雄と増刊でコメントを共有しちゃうとは。いや、勿論
どっちが先に~なんて知る由もないんですけど(笑
増刊では滅多にこういう事ないので新鮮でした。







今回は、本当面白かったです。
前冊、前々冊と比べて良い意味で経験者と新人の差を感じなかったというか
大抵の作品は良い気分で読めた事を考えると、私にとっては「当たり」の号だったかな、と。
一番を決めるなら「楽園条例」か「3012年ランプの旅」のどっちかですかね
勿論神海っちゃんも良かったし、企画も手ごたえアリ
全体的に退屈せずに読めた傑作号でした!
触れなかった作品は、個人的な琴線には触れなかった、という事で・・・。すいません。

「ニセコイ」のポスターも季節感があって素晴らしい出来栄えでしたね。
千棘の胸が大きめに描かれてたのが特に良かったかな(笑
そんな訳で今回はこの辺で締めます
長くなっちゃったけど、そんだけ書きたい作品が多かったという事で。