超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

好きっていいなよ。 第1話~3話 感想

2012-10-25 22:38:18 | アニメ



★第1話




今期のアニメ感想一発目(二発目があるかは分かりませんが・・・)は、これに決めました
色々とじっくり観て様子も伺って、一番面白いと感じたものを書こうと思ったんですが
今の所何が一番面白くて、好きなのか?って自問自答したら
浮かんだのがこれでした
というか、3話目を観てちょっと鳥肌が立つくらい素晴らしいなと思ってしまったので
それ込みの評価ではあるんですけどね。そこまで踏まえた上で、改めて1話の感想から書いていこうかな、と。


で、その3話目を観てからこの1話目をまた観返してたんですけど
結構初期の段階で複線が多く撒かれてるな、と(笑
主人公のライバルの存在とか
中西の軽口にあさみが微妙に嫉妬してる様子だとか
後は大和にキスされた時の走馬灯のような映像美の中に隠された、家庭の事情らしきもの
風景描写だとか、清廉とした雰囲気だとか、相当に真剣に作り込まれている、本気度が伝わって来る1話で
リアルタイムである程度注目してはいたんですけど、改めてめっちゃ完成度の高い1話目だな、と。

これは後々書こうとは思ってるんですけど
まあぶっちゃけ少女漫画原作とは言っても、内容とか流れとかは
少年誌のラブコメと大差ない作りになってるから(笑 その意味でも入りやすい
主人公が男か女かってだけで、その方法論みたいなのは案外同じなんですよね
その上で、この物語って色々と説得力があるように思えて。
この時点では大和は単なるハンサムですけど、
3話目の時点で彼の意図とか人間性が浮き彫りになっていくので、見返してみると色々納得出来る。

大和がめいに着眼、アプローチしたのってただ単に都合の良い出会いって訳ではなく
それはきっとめいが周りと比べて異色な存在だったから
体の良いあんちゃんな自分よりも
顔とか、見た目だけで食いついてくる「群れ」以上に
とても人間らしい孤独な存在、それが「群れ」の中にいながらも
ある種の孤独を感じている彼にとっては、きっと惹かれたのではないか、と

だとしたら、めいにとってはある種のシンデレラストーリーな訳ですけど
彼女は彼女で、劣等感や他人に対する不信感、拭えない猜疑心がまとわり付いている為に
そう簡単には上手く行かない・・・いや、上手く行けないんですけど(笑
そこからは「努力」が必要。
そういった意味では、案外じっくりやってくれてんなあ、とか
割と展開に対しては好意的な目線で見てたりします。少なくとも、行動に対するシンパシーはありますから。


最も個人的な琴線に引っかかったのはそんなめいのキャラクターですかね
この子は本当に他人とは思えないくらい変な共感を受けざるを得ない主人公でして(笑
今流行のやれやれ系とは一線を画した
ナチュラルボーン卑屈人間、
誰も信じられない
「群れ」に拘る連中がバカバカしく思える
下らない連帯感を押し付けられるのが嫌い
だから孤独を選んだ
凄くね、学生時代の自分を思い出すようでね(笑 
ずっと一人で窓の外を眺めながらSyrup16gやTheピーズを聴いてた高校生時代を彷彿とさせます。
要するに、暗いのが素敵だね、人間らしいね、自分好みだね、って話なんですけど(笑
展開は早い、と言えば早いんですが
その辺のめいのメンタル的な部分に関して言えば
割と丁寧にじっくり描かれているとは思う
だからこそ、真剣に夢中に観れる作品なのは間違いない
そんな彼女の精神的な成長や、孤独感からの解放を願いつつ
今後もしっかりと物語と向き合おうと思います。

散々「ダメだ」とか、「期待しない」とか思ってても感じてても
ちょっと優しくされると、大抵の根暗はコロッと懐いてしまうもんなんですよね(笑
そこも含めて、中々にリアルに描写出来てるんじゃないか?って思います
願わくば、そういうセンシティブな視点で転がっていけば、と。
3話目込みの評価で語ってますけど
1話目単体で観ても、中々にクオリティの高い、そして急展開に対しても素直に楽しむ事の出来た
正に磐石たる1話目だったと思います。何だかんだ言いつつ恋愛系が一番好きかもしれん(笑







またこのアニメ、OPEDがやたら空気読んでて素敵なんですよね。
タイアップとか、大人の事情とか抜きで
純粋にそのアニメに合ったテーマソング、BGMをあてているその真摯な感じも好きで
雰囲気、キャラクター、脚本、演出、テーマ性全部含めて
個人的には今期ベストかな、と
純粋に思います。
そんな訳で、今後も感想を書いていくのでよろしくお願いします。


それにしても、スネオヘアーの音楽と声は本当に恋愛系のアニメに合うなあ・・・。





★第2話


なんかこう・・・この作品の男子って言うのは非常にまっすぐに感じられますね。
大和はパッと見チャラいし、中西はスケベマンな訳なんですが
「嘘」がないんですよね。
何もごまかさないし、本音で行動してるし
色々な意味で堂々としている、今時珍しいぐらい直球な奴らなんですよ。
信じて欲しいから本気のキスをする、信じて欲しいから胸も大好きだと宣言する
割とドロドロしてるようで観心地は爽やか、的な・・・
そんな感じがします
正直思ったほど嫌味がない
むしろ自分に素直に生きてるなあ、とちょっと感心するくらいですね。
大和は女癖が酷いような言われ方ですけど、実際は女の子達に諦めさせる為のキス、
じゃあ何でそれをするのかって言えば
みんな彼の見た目とかそういうのばっかりを見て
ちゃんと彼自身を見てないから、誰もが似たような人間ばかりだから
だからこそ、誰とも似てないめいに惹かれた・・・と考えれば
随分と辻褄も合う気がする
要するに、心がきれいな女性が本当は好き、自分を曝け出せる繊細な子が好きなんだ、と。
ここまでイケメンなキャラクターは滅多にお目に掛かれないと思うんですが(笑
男の自分から見ても、嘘偽りの無い素敵な人物だなあ・・・と
素直に思います。
何よりも、存在が面白い(笑


それで、段々と大和に惹かれていくめいの描写はこの回も最高でした
半分ストーキングしたり(笑
「お代はもう頂きました♪」の部分で顔赤らめたり
無自覚に告白をしてしまったり
夢にまで見たり、
とにかくめいの反応を見るのが無性に面白いんですよね。それはきっと、こういうぼっちの
いかにも恋愛は不得意、縁が無いです。ってそんな女の子の目覚めていく姿を観るのが好きだから
初めにサバサバとして無愛想なシーンを散々見せられたからこそそう感じるわけで
構成って意味合いでもしっかりしてるなあ、と
あさみが怒る云々も、
言われてみれば確かにそうなんですよね。
大和が好きなようにも思えたけど、その割には他人と同じぶりっ子キャラだし
逆に中西に対しては素で接しているように見える、それこそが好きである証拠なんだと。
こういう伏線の張り方は、好き嫌いは置いといて面白いなあ、とは思います。
そんなキャラの無垢っぷりやまっすぐさが伝わって来る良い作品
当初はもっとドロドロなのかな?と思ってたけど
回を重ねる度に興味や関心が増えていく自分がここに居ます。
少女漫画原作のアニメってそこまでハマらない事が多いんですけど、これはめっちゃ好きですね。
勿論現時点での評価に過ぎませんが、キャラに嫌味や臭味がなく純粋に観れる。
そこがこのアニメの最も良いポイントなのでは、と思います
これからもめいちゃんのドギマギっぷりとか(笑
大和のイケメンっぷりとか
素直に楽しみですね。初見では展開の早さも感じましたが、改めて観返してみると
一本筋が通ってるな、とも思えて更に面白く感じられました。雰囲気描写も素敵な仕上がりなので
その意味でも何度も繰り返して観るのにも堪え得る作品なのではないでしょうか。
実際、録画したものをちょくちょく観返してますし(笑
凄く良い作品だと思います。


それにしても、中西の演説は何度見ても吹き出してしまうなー(笑
こういう少女漫画原作の作品でああいう巨乳キャラが出てくるのって珍しいよね・・・。
それに中西の演説とか、胸揺らしを楽しむ様だとか、
女性的な感じはしない
結構男子脳で描かれてる部分もあるんじゃないかな、と思ったりもする
だって、物奪って追いかけてくる時の胸の揺れを楽しむ、なんて
いかにも成年漫画にありそうなネタじゃないですか?(笑
キスの雨にも驚いたけど、
そういう大胆な描写が結構多いですね
それもまた良い意味で攻めてていいと思います
それにしても本当にあさみっちのおっぱいが中西のものになってしまった・・・!
出来ればこの二人の描写もちょくちょく挿入して欲しいものです。

それと、大和の台詞もいちいち印象的なんですよね
「来ない理由がない」とか
「好きってことなんじゃないですかね」とか
そこで敬語を使うセンスが堪らん(笑
ここまでバッチリ決まってると、流石に認めざるを得ないよな。
しかも、何の他意も無く、そのまんま思ったまんま行動してる節があるから
その点でも個人的には嫌味を感じることなく好きになれたのかと
今後のイケメン台詞のオンパレードにも期待してます。


多少ベクトル、いやジャンルそのものが違いますけど
このニヤニヤ具合は去年の「ましろ色シンフォニー」を髣髴とさせるニヤニヤレベルですね。
微妙にアナーキックな部分も含めて自分好みの作品である事は間違いない。
次回予告のめいちゃんもまた凄く可愛くて堪らないです。はい。






★第3話



今期のアニメの特徴として、キャラを変人にして立てようとしたり笑いを取ろうとしている作品が多い
だけど、流石にそんなもんばっか観てたら辟易もするわ!って気分なんですよね。
ちょっとした洗脳感覚と言うか、
それでいて急にシリアスぶっ込んでくるもんだから余計に節操がない
そんな中で、このアニメはちょっとしたオアシスみたいな作品なんです。
少なくとも、言動が理解出来ないって事は自分の中では今まで一度もないので。
結構ちゃんとした作品だって思ってます。




◆大和の意図

彼が何故めいちゃんに気を掛けるのか、と言えば
本人も言っていた通りめいちゃんがカメレオンじゃないからなんでしょうね。
周りの色に染まらない、気持ち悪い徒党にも入らない、自分を貫いて生きているめい
そんな彼女に反応したという事は彼自身もまた、
本当は八方美人を辞めたいという証拠でもあるのかも
事実めいちゃんと付き合い始めて(つーか、勝手に宣言 笑)からは
割と一途なようだし
それまでの軽薄そうな描写は真実かどうかも分からないんですけど
ただ単に周りのテンションに合わせて、群れからはぐれないように自分を守ってただけなんでしょうね。
だからこそ、めいちゃんに気を掛けっぱなしで、群れから卒業したいと考えているのかも
まあ男性視聴者的にはそっちのが懸命だとは思いますが(笑

でも、大和は猫に馴染んでもらう為に必死に通い詰めたり
めいの細かい変化にも気付いたり
実際噂で聞くよりはよっぽど良い男の様に思える
それもまた大和なりの「努力」って事で、それをめいちゃんもしてるか?というと・・・。



◆人を信じよう

大和はよく分からないミステリアスな部分もあるけれど
そういう不安要素のある中でも手探りで人を、他人を信じていく
それこそが人生である、という
この作品のメッセージ性ってそこなんじゃないかと
色々と変な噂、偏見、劣等感とかが渦巻く中で
それでも一歩踏み出して、信じて、関係を築いていく
その過程こそがある意味この物語の本質のように思える。めいちゃんは努力をしてないんじゃなくて
そこに向かうまでの覚悟がなかっただけだから。結局事実がどうであろうが間違ってようが
「今」大和がめいの事を想って一生懸命努力して行動してるのこそ事実ですから
ある意味似た者同志
片方は群れからの卒業のため
片方は孤独からの卒業のため
さり気にwin-winの関係を育んでいって欲しいなあ・・・と
個人的には思ってます。それにしても、自分と吊り合わない異性と歩いて劣等感を感じるって
少年誌のラブコメと本質的にはやってる事全然変わらないなあ、って思いました(笑
要するに女も男も潜在的な願望に差異なんてないって話ですね。



◆努力もしないで

努力もしないで何かを得ようとするな、というのは正論は正論だし
そうあるべき、というか真理だとは思いますけど
唯一つ言いたいのは
努力をしたからって何もかもが手に入ると思うな、とは
少し感じましたね。勿論何かを得ようとするには、それ相応の対価=努力が必要なんですが
結局努力しても頑張っても、報われないなんて事は日常茶飯事でもある訳で
そこをどうにかしてがむしゃらに歩んでいくのが人間
説教ならまだしも、
他人を蹴落として何かを得ようとしてる時点で結局は自分だって卑怯と言えば卑怯
要するに単なる八つ当たりに過ぎない、って話なんですけど(笑
それよりも、
「諦める努力」のが全然重要だと思うけどね。
頑張ったら頑張った分だけ報われるって世界の方が非現実的だと思うから。







凄く丁寧に物語が紡がれてる印象でやっぱり好感度は高いです
願わくば安易にドロドロにせずに、最終的には爽やかになる方向性でお願いしたい。
キャラは多少ぶっとんでるようで意外と筋は通ってる作品だと思います。
他の女子と比べて何一つ媚びず、顔を気にせず
真っ直ぐに自分の態度を示したからこそ惹かれた、って理由付けは秀逸だなあ、と。