アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

ウサギとキツネ

2012-04-05 21:17:29 | アンティマキの場所に生きる動植物
   田舎暮らし10年目にして、やっと、里山なら必ずいるはずのウサギに遭遇しました。昨年の冬、雪の上に残った足跡がウサギらしいとは思ったのですが、姿を見たのは初めて。夕方、暗くなりかけたころ車で家を出てすぐ、家の前の公道を下からかけてくるのに出くわしたのです。薄茶色で小さくて、車のライトの明るさに驚いたのか、身動きせずにこちらを見ていました。

  その数日後、夜の10時半ころ出先から戻って家に入る直前、助手席に座っていた家人が、「キツネだ!」と叫びました。私宅の敷地内から公道に出たところを目撃したのです。私は見損ねました。残念! ウサギを見つけた場所のすぐ近くです。

  私の家の北側にある山の入り口。後方の森が、以前カモシカの姿を見つけたところ。ずっと右手にどんどん行けば、稲武で最も高い山、城が山に連なっているはずです。この森に、たぶん、ウサギもキツネも棲んでいるのだと思います。手前の坂道を上れば、私宅。この道は、国道153号線の旧・旧道にあたり、今は、私たちのほかはほとんど誰も通りません。だから、いろんな獣の行きかう道になっているみたいです。ここを上って私宅の敷地に入り、家の横を通って公道に出て左に曲がってずっとのぼると、砂防堰堤。そちらも彼らの縄張りだか冒険すべき場所なのではないかしら。公道を通るイノシシの鳴き声を聞いた人もいるし、私はサルの姿を見ています。

  家人がキツネを見た数日前、この裏山の向こう側にある菜園レストラン「山里ちゃふぇ」のパティシエさんから、ちゃふぇで飼っているニワトリがキツネに食い殺されたと聞いたところ。もしかしたら、目撃した夜も、ちゃふぇの鶏小屋を襲った帰りだったかもしれません。でも、ちゃふぇでは鶏小屋から鶏を移し、警戒を怠らなくなっているはずなので、もしあのキツネが遠征してきたとしても、たぶん、狩りはうまく行かなかったと思うのですが。

  前にも書いたように思うのですが、ずっと昔、キツネがトウモロコシを取っていってしまうのに往生した稲武の人たちが、毒餌をまいてキツネを全滅させたことがあるそうです。それで、トウモロコシの害は減ったのですが、かわりにイノシシが急激に増えました。

  どういうことかというと、キツネの大好物は、イノシシの子供のうりんぼう。キツネが食べてくれるおかげで、イノシシの害はたいしたことがなかったのだそうです。それが、キツネがいなくなったせいで、イノシシが我が物顔に振舞うようになり、畑も田んぼも、キツネの害どころでない多大な被害がもたらされることになった、という話です。

  「こんなことなら、キツネを生かして置けばよかった」

  私にこの話をしてくれた地元の老人は、ポツリとこういいました。

   でも、キツネを「全滅させた」といっても、ずいぶん前のことですし、稲武近辺だけの話でしょうから、どこかでずっと生き延びていたはず。そろそろまた近辺に出没を始めても不思議ではありません。

  ブルーベリーなどの若芽を好んで食べるウサギも、肉食のキツネも、人間にとっては困った存在ではあるけれど、どれかを絶滅させてしまうと、この話のようにもっと困ったことになりかねません。ときには戦う必要もあるのでしょうが、必要以上には戦わないで、共存できる道がみつかるといいなあ、とおもいます。  

   

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