アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

どんぐり工房・5月の草木染め

2010-05-27 10:18:50 | 草木染め
 5月23日日曜日、半年振りにどんぐり工房での草木染め講習が開かれました。この日は「歩かまい稲武ウォーキング」の日。出発場所であり、イベント会場にもなったどんぐり工房前の駐車場は、あいにくの雨にもかかわらずたくさんの人が集まりました。「歩かまい稲武ウォーキング」については、こちら(→)の報告をごらんください。

 さてこの日、講習に来てくださったのは5名の女性。全員保育士さんです。草木染め講習には保育士さんたちがよくこられます。たいていは保育園で草木染めをなさった経験をお持ちで、この日も玉ネギ染めはしたことがあると、おっしゃっていました。ごく普通の雑草での草木染めをしてみたくて、豊田市街地から足を運んでくださったそうです。

 春先から初夏にかけては、萌え出した若草や若葉を使った「緑葉染め」にかっこうの季節です。ヨモギ、スギナ、フキの葉、カラスノエンドウ、クズ、クワ、フジなどで、美しい黄緑色や緑色が生まれます。

 この日緑葉染めに使ったのは、うちの敷地内で講習日前日に発見したスズメのエンドウと、講習を手伝ってくれたYさんが持ってきてくれたスギナ。

 若草は刻んで鍋に入れ水を張ります。そこにソーダ灰を入れてアルカリ水にして火にかけて煮出します。ソーダ灰のほか炭酸カリウムでも。重曹でもいいはずです。アルカリ水にすると、緑色が引き出せるのです。

 一番液は黄色味が強いのですが、二番液、三番液になるとどんどん冴えた緑色になります。スギナは鍋の中で、真緑といっていいのでしょうか、とても美しい緑色になり、「青ひじき」とでも呼びたくなる色と形をしています。

 緑葉染めのほかに、春菊でも染めました。使った春菊は、稲武地区でももっとも長野県に近い大野瀬町の、その中でも一番高いところにある大桑集落で、長年無農薬の米や野菜を作っておられるTさんのハウスに行って、もらってきました。

 春菊の花は、たいていの農家が収穫後は花が咲く前に刈り取ってしまうので、めったに手に入りません。Tさんには前から頼んであったので、彼はこの日のために刈り残しておいてくださいました。

  花だけではなく葉と茎の部分もいっしょに刻みました。黄色と言うより、オレンジ色にちかい濃い色に染まりました。写真に、5枚ほど、鮮やかに染まった春菊染めの布が写っています。

 写真では緑葉染めの色がよく見えませんが、スギナがとくに美しくそまりました。濃い目の暗い色は、春菊の鉄媒染です。

 参加した方々は、スカーフ、エコバッグ、風呂敷など何枚もの布を思い思いの模様と色に染め上げ、満足のうちに帰って行かれました。

 緑葉染めができるのはあとしばらくの間だけ。ちかぢか知人が野ブキをくれると言っていたので、その葉っぱを使って染めようと思っています。
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