(1)ラグビーワールドカップ2011がニュージーランドで開催されている。日本代表はアジアでは頭ひとつ抜け出た強さで同大会にアジア代表として出場したが、ニュージーランド、フランスの強豪国と同じ1次リーグゾーンに入ってすでに3連敗で1次リーグ敗退が決まった。
ラグビースポーツは、欧州伝統国に南半球のニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの世界トップリーグとその他の国では力量の差のあるスポーツだ。体内遺伝子が牛を抱えて草原を走り回る遊牧民族と農耕民族とでは体格、体力に基本的な成り立ちが違うから、コンタクトプレー(contact play)の消耗戦が基本のラグビースポーツでは本来とてもまともに太刀打ちなんかできない。
だからラグビースポーツは、番狂わせの少ないスポーツとも言われている。興味本位の者からは順当過ぎるのはちょっとつまらないかもしれない。
ボールは必ず後ろに投げてつないで前進する「逆転(inversion)」の発想で、それに防御プレーが組織だって立ちはだかり個人スキルによる突破が容易ではないから、一発逆転の確率の低いスポーツだからだ。
(2)今大会でも、1次リーグの上位国とのゲームではラグビースコアにほど遠い60~70点差の格差ゲーム(powerful discrepancy game)が目につく。日本代表も開催国でチャンピオン候補のラグビー王国ニュージーランド代表(両国代表ともに次のゲームを見据えたベストメンバーでなかった)に83対7で大敗した。それでも、95年南アフリカ大会での同国代表との120点差以上のゲームからすれば、世界ランク上昇による構成、編成、成長の跡が見られた。
日本代表だけが弱体という訳ではない。強豪国のフランス代表とのゲームでは、後半途中までに4点差に詰め寄るゲームを展開して敗れたとはいえ日本代表の成長(ただし、キープレーヤーは日本でプレーする外国人プレーヤー)の軌跡は示した。
(3)ラグビースポーツは、限られた世界トップリーグ先行主導のリードするスポーツ社会として、他のスポーツと一線を画して独自の路線を歩んでいる。世界アスリート・レジェンド(legend)のオリンピックにも参加せずに、伝統、領域、地域、そして民族性、文化を誇示してきた。
そのことがラグビースポーツのゲーム「質」・量の広がりをも欠いてきたとも言える。いまだに世界トップリーグ国とその他の国との実力差は歴然としたままだ。
そのつくられた実力差がまた発展国との相互交流をもはばんで、実力格差のスパイラル(spiral)をまた生んでいる。
(4)今回の日本代表には、本場ニュージーランド出身を含めて日本でプレーする外国人プレーヤー10人も初めて参加(代表資格規定上の適用内)しての、勝利優先(2勝目標)の編成でもあった。それでも勝てないラグビースポーツだ。
日本プロ野球、サッカーも外国人プレーヤーの国内リーグ参加、海外リーグ進出で確実に実力をつけてきたが、WBC野球日本代表は日本人プレーヤーで編成されて2大会連続のチャンピオンとなっている。
ラグビースポーツのグローバル化は、代表出場資格にではなくゲーム環境のオープン化、国際化、共有化に向けられるべきだ。折角の「one for all , all for one」の珠玉のラグビーゲームプランも限られた国の狭い利益享受では、興味も活性化も損なわれていく。
ラグビースポーツは、欧州伝統国に南半球のニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの世界トップリーグとその他の国では力量の差のあるスポーツだ。体内遺伝子が牛を抱えて草原を走り回る遊牧民族と農耕民族とでは体格、体力に基本的な成り立ちが違うから、コンタクトプレー(contact play)の消耗戦が基本のラグビースポーツでは本来とてもまともに太刀打ちなんかできない。
だからラグビースポーツは、番狂わせの少ないスポーツとも言われている。興味本位の者からは順当過ぎるのはちょっとつまらないかもしれない。
ボールは必ず後ろに投げてつないで前進する「逆転(inversion)」の発想で、それに防御プレーが組織だって立ちはだかり個人スキルによる突破が容易ではないから、一発逆転の確率の低いスポーツだからだ。
(2)今大会でも、1次リーグの上位国とのゲームではラグビースコアにほど遠い60~70点差の格差ゲーム(powerful discrepancy game)が目につく。日本代表も開催国でチャンピオン候補のラグビー王国ニュージーランド代表(両国代表ともに次のゲームを見据えたベストメンバーでなかった)に83対7で大敗した。それでも、95年南アフリカ大会での同国代表との120点差以上のゲームからすれば、世界ランク上昇による構成、編成、成長の跡が見られた。
日本代表だけが弱体という訳ではない。強豪国のフランス代表とのゲームでは、後半途中までに4点差に詰め寄るゲームを展開して敗れたとはいえ日本代表の成長(ただし、キープレーヤーは日本でプレーする外国人プレーヤー)の軌跡は示した。
(3)ラグビースポーツは、限られた世界トップリーグ先行主導のリードするスポーツ社会として、他のスポーツと一線を画して独自の路線を歩んでいる。世界アスリート・レジェンド(legend)のオリンピックにも参加せずに、伝統、領域、地域、そして民族性、文化を誇示してきた。
そのことがラグビースポーツのゲーム「質」・量の広がりをも欠いてきたとも言える。いまだに世界トップリーグ国とその他の国との実力差は歴然としたままだ。
そのつくられた実力差がまた発展国との相互交流をもはばんで、実力格差のスパイラル(spiral)をまた生んでいる。
(4)今回の日本代表には、本場ニュージーランド出身を含めて日本でプレーする外国人プレーヤー10人も初めて参加(代表資格規定上の適用内)しての、勝利優先(2勝目標)の編成でもあった。それでも勝てないラグビースポーツだ。
日本プロ野球、サッカーも外国人プレーヤーの国内リーグ参加、海外リーグ進出で確実に実力をつけてきたが、WBC野球日本代表は日本人プレーヤーで編成されて2大会連続のチャンピオンとなっている。
ラグビースポーツのグローバル化は、代表出場資格にではなくゲーム環境のオープン化、国際化、共有化に向けられるべきだ。折角の「one for all , all for one」の珠玉のラグビーゲームプランも限られた国の狭い利益享受では、興味も活性化も損なわれていく。