いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治と国民のギャップ(韓国のこと)。 a gap between politics & nation in south korea

2018-04-27 20:29:04 | 日記
 (1)韓国文大統領と北朝鮮金委員長との南北首脳会談が本日開催された。国際社会、メディア(世界から3千人がプレスセンターに集結)が注目するほど韓国国内、特に若者層には関心は高くなく、冷めた意見がみられる。

 ソウル大統一平和研究院が毎年実施している「統一意識調査」では、北朝鮮との統一に関して「現状のままがいい」が17年には24.7%に急増(07年は11.8%ー報道)した。
 南北統一のための定期的な会談は必要だと思うか尋ねたところ、「思わない」と答えた人は31.8%(07年は25.3%)と増加した。

 (2)主婦からは「統一の過程は大変でも、実現すれば戦争の恐怖から抜け出せる」との意見もある一方、大学生からは「経済的な損失があるかもしれない統一を受け入れる準備はできていない」、「戦争の恐怖も実感したことはないし、身近な問題とは思えない」といたってクールな反応だ。

 北朝鮮の核、ミサイル問題は朝鮮半島問題というよりは、米国、日本の北朝鮮脅威論として存在しているようだ。

 (3)韓国には米軍が駐留しており、軍事境界線を超えて北朝鮮が韓国側に攻撃する可能性は極めて低く(過去に北朝鮮側から韓国側にトンネルを掘ってスパイ攻撃を仕掛ける準備はあったが)、北朝鮮が核、ミサイルを韓国側に打ち込めばそれは同時に北朝鮮の滅亡を意味することでもあるから、現実的な話、作戦行動ではない。

 むしろ北朝鮮の核、ミサイル問題は日本海を挟んだ日本、太平洋を超えた米国にとっての脅威論といえそうだ。日本から見れば朝鮮半島を二分して軍事境界線で北朝鮮と対峙する韓国は日常的に北朝鮮の軍事攻撃にさらされ警戒して注意して、脅威に緊張した日々を余儀なくされていると思いがちだが、前述の大学生の意見を見れば「戦争の恐怖も実感したことはないし、身近な問題とは思えない」とクールに考えているようだ。

 (4)むしろ経済的貧困が伝えられる北朝鮮との統一を急ぐ必要もなく、現状のままがいいと考える国民が急増しているのが現実だ。
 そういう中で政治だけは韓国文大統領は北朝鮮の脅威、威かくを取り除く対話路線を主張して南北統一、平和を目指して南北首脳会談を開催して、北朝鮮から核、ミサイルの標的とされる米国、日本は北朝鮮の非核化の実現のために経済制裁を強化して、その対価として北朝鮮の望む米朝首脳会談を実現して朝鮮半島の非核化を現実のものとしようとしている。

 (5)韓国国内は政治と国民意識のギャップが大きく、文大統領の目指す南北統一の実現にはダイナミズム(dynamism)の課題、問題は多い。6月までに開催されるとみられる米朝首脳会談は、トランプ大統領は「うまくいくかもしれないし、いかないかもしれない」と述べて、もともと米朝首脳会談に成果(非核化実現と米国の対価の比較効果)を期待しているわけでもない思惑がみてとれる。

 (6)やはり韓国国内、国民世論が文大統領の目指す南北統一、平和でまとまるのかは重要な局面であり、それは必ずしも米国、日本が求める朝鮮半島非核化だけでなく、北朝鮮の経済貧困を南北統一で韓国が過分に過度に責任を負わされる不平等について、どう国民的意識の統一、理解に結び付けれるのかが一層重要で、むずかしい課題、問題であることを「統一意識調査」が示している。

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