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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

突然の解任。 sudden dismissal

2018-04-10 20:05:11 | 日記
 (1)数年かけてのアジア予選を勝ち抜いての結果のサッカーW杯ロシア大会を2か月後に控えて、突然のハリルホジッチ日本代表監督の交代劇だ。
 昨年末から今年にかけてのW杯出場を逃した海外チームとの強化試合で結果が出せず、サッカー協会、代表選手からも不満、批判が出ての(報道)この時期での監督解任だった。

 日本サッカー協会田嶋会長からパリのホテルで解任を伝えられたハリルホジッチ監督は「びっくりした様子で『まさかこういうことを言われるとは』、『なぜこの時期に』などと言い、動揺と怒りも感じられた」と報道されている。

 (2)ハリルホジッチ監督とすれば過酷なアウェイでの気象条件の変化など緊迫したアジア予選を勝ち抜いて、いざW杯ロシア大会出場を2か月後に控えてモチベーションも上がってきた矢先のことで、前述のパリでの解任様子を伝える報道を見る限りではそれまでに結果、成果について協会との間で何らかのコミュニケーションがはかられていたとは考えられない、まさに「突然」の解任(sudden dismissal)だったと考えられる。

 その協会の田嶋会長が監督解任の理由にあげたのが選手とのコミュニケーション不足(報道)だったというから、何をか言わんやの皮肉な解任劇だったのだ。

 (3)スポーツで結果が出せなければ選手全員の能力不足、責任ですべてを取り替えるという訳にはいかずに、監督がその全責任を取るのは致し方のない常套手段ではある。
 特にサッカー競技は短期間での結果、成果が重要視されて、思うような結果、成果が出なければ契約途中でも即監督交代ということが多い。

 全世界的人気スポーツでそれだけ世界に人材が豊富だということでもあるのだろうが、それにしても勝つか負けるか(引き分けもあるが)の二者択一ゲームでの極端な結果、成果主義は全世界的なサッカー競技への関心、興味が集まり、莫大な利益、投資対象となることへの「勝つこと」への期待が異常なまでのこだわりに影響しているのは間違いない。

 (4)国内サッカーリーグでも1シーズンで結果、成果が出なければ監督交代ということもあり、数年かけて戦術、構成、作戦、人材を戦略的に練り上げてチーム力を高めていく他のスポーツ競技とはあきらかに勝利に対する周囲の評価、期待が大きく、監督責任もそれだけ大きいスポーツだ。

 サッカーゲームの特徴、特性もある。余程のスーパープレーヤーでもない限りはひとりでボールを保持してすべて局面を打開することはむずかしく、11人が連携してそれぞれに役割(ポジショニング)を分担して攻守、戦術、作戦を機能してその集積、集約結果としてゲームをコントロールして勝利に導くスポーツだ。監督の構想、戦術が比較大きくチーム力に影響する。

 (5)これが野球競技となるとポジションはあっても役割の分担ではなく、個人の特性、特徴(個性)をいかしたポジションそのものであり、ひとりのスーパープレーヤーで局面を一気に打開する展開が特徴で、それはチームとして育てるというよりはそういう個人の個性、能力、技術を育てる方に力点が置かれる。
 成果、結果は監督よりはプレーヤーの能力に比較影響して、プレーヤーの交代に主力が置かれるスポーツだ。

 そうは言ってもW杯直前の代表監督解任というのは、結果責任を不条理に監督に押し付ける協会の無責任体制で、組織として未成熟と言わざるを得ない失望だ。

 (6)黒田日銀総裁の2期目がスタートした。こちらは13年就任以来物価目標2%達成を掲げてこれまで何度も何度も設定した目標が実現できずに先延ばしして、2期目の所信でも19年度中の実現を言い続けているがその可能性はほとんどない。

 国民にはデフレ脱却のためというありがた迷惑な黒田総裁の物価上昇公言で成果、結果は出ていないが、経済、金融がサッカー論理においては黒田総裁は持たない。
 

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