いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

社会復帰と開放的。 social return and openhearted

2018-04-18 20:19:51 | 日記
 (1)松山刑務所作業場から逃走した受刑者が1週間以上たっても行方がわからない。尾道市内に隣接した向島に潜伏しているとみて連日数千人規模(報道)の警察官などによる捜索が続いている。

 向島は小島が続く瀬戸内海でもかなり大きめな島で、報道を見ていると山中は樹木、雑草が深く生い茂って身の隠し所が多い。空き家も多く、所有者の了解なしには踏み込めないなど捜索は難航している。逃走した受刑者の痕跡は確認されている。

 (2)警察官の捜索は地形の問題から日中に限られて、夜間生活に不安な島民は自警団による巡回も報道されている。受刑者が逃走して1週間後の15日になってようやく政府の法務政務官が現地を訪れ、島民に謝罪(報道)した。

 松山刑務所作業場は「塀のない刑務所」と呼ばれる開放施設で居室も施錠されていない(同)模範囚が入る刑務所作業場といわれる。

 (3)近年、受刑者も社会復帰(social return)を目指して社会、市民とのつながりを優先しての刑務所の開放的(openhearted)な雰囲気の必要性に取り組む姿勢がみられる。

 刑務施設も犯罪件数は減少傾向にはあるが施設が不足して飽和状態が続いて受刑者のできるだけ早い社会復帰(仮出所など)は必要要件になっており、受刑者の社会復帰の方向性はいいとして、松山刑務所作業場のように塀もなく居室も施錠されないとまでの開放的な環境が適当なのかは別問題だ。

 (4)今回の事件に関連してこれまでも同作業場では10数件の受刑者の逃走があったと報じられており、今回の受刑者の逃走事件は1週間以上も行方が分からずに経過しているが、その後の松山刑務所作業場の警備体制がどうなっているのか、居室は無施錠のままなのかは知る限りでは報道された形跡はない。

 居室を無施錠にすることが開放的なのか(物理的には移動自由なのでそう感じることは確かだが)、一般社会生活でも夜間は安全のために施錠することは当たり前のことで日中でも玄関は施錠するのは常識認識になっている社会行動だ。

 (5)「開放的」というには物理的な障害を取り除くことは精神的効果は大きいが、受刑者としての立場の一定の責任、節度は必要であり、受刑者対象としての法律にもとづく自己責任、自覚を促す、履行するバランス感覚も重要で大切だ。

 今回のような受刑者逃走事件が発生して、同作業場で10数件も同じ事件をくり返しているとなれば、受刑者の生活改善の見直しは必要だ。

 (6)受刑者の早い社会復帰のために開放的な受刑環境整備は物理的なハード面の対応(行き過ぎは問題だが)だけでなく、運用、教育、指導、接し方のソフト面の工夫、強化でつくり上げるものでもあり、外部の島民生活の安全保障も考慮に入れた見直し改善が求められる。

 同作業場の開放的な運用には島民の理解もあるのだろうが、現地報道では通学や夜間生活に不安を訴える声も聞かれているので、現状改善は避けられないだろう。

 (7)刑務施設の自由が保障されて模範囚で刑期終了を待つ受刑者がなぜこのような潜伏逃走をしたのか、開放的対応の課題に向けて動機、目的について分析、検証が必要だ。

 

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