いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

重要法案先送り。 postponement of decision of an important bill

2017-10-30 20:09:39 | 日記
 (1)過労死が社会問題となって、政府は多方面の「働き方改革」法案を通常国会後半に提出していたが、安倍首相への森友、加計疑惑追求を避けるためあえて会期を延長せずに審議未了となった。

 政府は「働き方改革」を今年の主要政策テーマ、重要法案としていながら、あらたな9月末審議の臨時国会は大義のない思惑冒頭解散総選挙実施で政局優先により審議は先延ばし(postponement of decision of an important bill)された。

 (2)そもそも「働き方改革」などは政治があれこれ注文をつけるものではなくて、自由で自律的な経済、企業活動の中で自主的に構築していくものだが、その企業倫理が統治不能に陥(おちい)っている現状ではいたし方のないものでもあった。

 その過労死につながる時間外就業については、その間に企業の40%で時間外上限の短縮が進んでいるとのアンケート結果(報道)が出た。

 (3)これが本来のやるべき姿の「働き方改革」であり、しかし今後はこれを有効に確実に実行していくことができるのかが問われており、経済、企業活動も人は消耗品から「人」資本がダイナミズム(dynamism)の中心として大事だとの認識が定着することが肝要だ。

 政府の「働き方改革」法案は選挙後の首班指名の特別国会のあと臨時国会の場で審議されるものと思っていたら、今年後半は11月5日にトランプ大統領の来日、その後首相の海外主要会議出席など日程が立て込んで、今のところでは来年の通常国会に先送りされる公算が高まっている。

 (4)電通の入社したばかりの若い女性社員の過労自死以後も過労死認定問題は続いており、企業、社会事情は一向に改善に向かってない中で政府としても「働き方改革」を主要政策テーマ、重要法案と掲げているのだから、その目的、方法論に問題はあるとしても自らは本気で取り組まなければならない国会審議であったはずだ。

 大義のない政局がらみの思惑解散総選挙で大勝した自民党、そして安倍政権が余韻に浸って(また森友、加計疑惑追求回避)の重要法案の来年通常国会への先送りだ。

 (5)政治家の言葉の軽さが相変わらず問題となっているが、自らていねいな説明をするという安倍首相の繕(つくろ)い言葉には政治家としてのあるべき姿勢はみられない。

 これまでものど元すぎればのまったくの都合主義しかみえない。重要法案の積み残しの中で、特別国会も首班指名だけで実質審議はしない方針(報道)だったが一応格好はつけるようだ。

 (6)安倍首相は企業側に来年度3%の賃上げを要請しており、企業活動への政治介入は続く。

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