先日、オールドゲーム関連のコミュニティでは有名なある方より、セガの古い社内報をデジタルカメラで撮影した画像のほんの1ページを見せていただく機会があったのですが、そこにはこれまでのワタシの認識を覆す新事実が書かれていました。
見せていただいたセガの社内報の一部。
ここには、「新製品紹介 セガ・シルバー・フォールズ 大型メダルゲーム機の国産第一号」との見出しで、新製品「シルバーフォールズ」が紹介されています。
これがいつ発行された社内報なのかは不明とのことですが、「メダルゲームが(中略)本格的に人気が盛り上がったのは、昨年から」と記述されているところから、おそらくは1974年、早ければ1973年(関連記事:「メダルゲーム」という業態の発生から確立までの経緯をまとめてみた)に発行されたものと思われます。他にも「セガも昨年大阪でアポロ・ベガスを開場し」ともあり、その時期が特定できればより正確にわかるはずですが、残念ながら私は突き止めることができませんでした。(その後の調査で、アポロ・ベガスがオープンしたのは1972年7月とのことでした。従って、シルバーフォールズの発売年は1973年であることが判明しました。2023年11月27日加筆)
本文には、
「そこで誕生したのが、大型メダルゲーム機(マスゲーム機とも呼ばれています)の国産第一号”セガ・シルバー・フォールズ”なのです」
「開発に当っては、国産第一号とのことで、様々な苦労があったようです」
と、二カ所で「国産第一号」と書かれています。
ワタシの手元にある資料のうちセガのメダルゲームが現れる最も古い媒体は、「アミューズメント産業」の74年3月号です。
アミューズメント産業74年3月号に掲載されているセガの広告。ファロとシルバーフォールズが見える。
ワタシは長年この画像を頼りに、「国産初のメダルゲームはファロ」と決めつけてしまっておりました。ここには「ファロ」と「シルバーフォールズ」の両方が掲載されていますし、またこれよりも古い媒体にシルバーフォールズのみ掲載されているものがあった可能性もあるにも拘わらず、です。
正直に申し上げると、ワタシは、「ファロ」はメダルゲームのある場所ならほとんどどこにも見られた一方、「シルバーフォールズ」はあまり見かけなかったことから、いくらか無理があることを承知の上で、シルバーフォールズを無視していました。それが今になって、よもやまさかシルバーフォールズを国産初とする確かな資料に出くわすとは思いもしておりませんでした。
ワタシはこれまで拙ブログにおいて複数回にわたり、「国産初のメダルゲームはファロ」と断言してしまっています。まずはその一番最初となる「初の国産メダルゲーム機の記憶(2016年3月)」を修正しなければなりません。その他の部分については思いつき次第順次修正していく所存です。やはり、インチキをすると後でしっぺ返しが来るものでありますね。しまったなあ。