オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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ピンボールのアートワークの話(番外):Gottliebのもう一つの独自性

2019年01月03日 22時04分16秒 | ピンボール・メカ
明けましておめでとうございます。今年も細々と拙ブログを更新してまいります所存です。拙ブログの記述に誤りや情報などお気づきの点がございましたら、忌憚なくご指摘いただけますとなお一層ありがたく存じますので、今年もなにとぞよろしくお願いいたします

さて、2019年一発目は、昨年最後に掲載した一連の記事を少し引き摺ります。ワタシは、「ピンボールのアートワークの話(2):ポインティ・ピープルを描いた二人のアーティスト」において、「ゴットリーブと言うメーカーの(WilliamsとBallyの両社に対する)独自性をワタシに意識させた」と述べましたが、Gottliebには「ポインティ・ピープル」を採用しなかったということ以外にもう一つ、独自性を感じるポイントがあります。今回はそれについて述べます。

フリッパー・ピンボール機のプレイフィールドには、ボールを弾き飛ばすキノコ型をしたバンパーが付き物です。この機構は一般的には「ポップ・バンパー(Pop Bumper)」と呼ばれますが、本来はメーカーによって異なり、Gottliebは「ポップ・バンパー(Pop Bumper)」、Ballyでは「サンパー・バンパー(Thumper Bumper)」、そしてWilliamsでは「ジェット・バンパー(Jet Bumper)」(当初はBallyと同じく「サンパー・バンパー」と呼んでいた)と呼ぶのが正確なんだそうです。今回は面倒なので「ポップ・バンパー」に統一することにします。

このポップ・バンパーの上部の傘の部分を「キャップ(Cap)」と言って、いろいろなデザインがありますが、特に「スター・バースト(Star Burst)」と呼ばれるデザインは、ピンボールを意味する図象として広く認識されているように思われます。


スター・バーストデザインのポップバンパーのキャップ(チェリーの絵には特に意味はありません)。

このスター・バーストデザインのキャップは、BallyやWilliams、Chicago Coin、はてはなぜか日本のメーカーであるSEGAまでも使用していましたが、Gottliebだけは独自のデザインを使用し続けていました。

ポップバンパーの実際の使用例。
「Big Valley (Bally, 1970)」


「Suspense (Wiiliams, 1969)」


「Big Flipper (Chicago Coin, 1970)」


「Winner (SEGA, 1971)」


最後に「Mibs (Gottlieb, 1969)」


スター・バーストのキャップの部品が各社同じものなのかどうか、そこまではわかりません。しかし、ここまで見た目を統一しなくてもよさそうなものだと思います。現にGottliebは違うデザインで何の支障もなかったわけですし。何にしろ、それが良い事だったかそうでなかったかはともかくとして、この事実は、Gottliebは他社と一線を画するメーカーであるという印象をワタシに植え付ける原因の一つになりました。

なお、Williamsは、1973年代の半ばころから、新しいデザインのキャップを数種類用いるようになりました。Williamsにおけるスター・バーストデザインのキャップは、1974年にはまだ確認できますが、1975年以降の機種では、ワタシは発見できていません。

とまあ、今年もこんな調子でオールドゲームなどのどうでもいい話をぐずぐずと述べて参ろうと思いますので、多少なりともご興味が通じる方がいらっしゃいましたら、ご笑覧いただければ幸いです。