オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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RIO五輪に因んだ(こじつけた)スロットマシンの話

2016年08月07日 18時25分38秒 | スロットマシン/メダルゲーム
いよいよリオ五輪が始まりました。女房に言わせると、ワタシは「スポーツ観戦オタク」なんだそうで、確かに、ふだんからTVのスポーツ中継を好んで観ますし、旅行に行った先で、例えばアイスホッケーの試合でも行われていれば、わざわざ観戦に行くこともあります。

ワタシは特に、一般にマイナーと言われる種目を好む傾向が強く、その点では、日本時間の今朝放映されていた女子重量挙げ・48㎏級は、このオリンピックの最初の見どころでした。日本代表の三宅選手が、はじめのスナッチで2回連続して失敗した時は全く手に汗を握ったものでしたが、結果として銅メダルを獲得されたことは喜ばしいことです。また、他国の選手たちの活躍も、試技のたびに一緒になって力んで応援しておりました。やはり、最も原始的で、しかもプロがいない重量挙げという競技は、五輪にふさわしい種目の一つといえましょう。今回の五輪TV中継では、男子の放映は、最重量級しかないのが残念です。

さて、オリンピックと言えば、過去の記事「オリンピアというパチスロの元祖についての謎」で触れている「オリンピア」というパチスロの嚆矢となった遊技機が思い出されるわけです。


オリンピアのフライヤー(部分)。オリンピアのシンボルとその役が掲載されている。

1964年の東京オリンピックに因んで命名されたこの遊技機は、しかし、採り入れられているシンボルは、なぜこれが選ばれたのかと疑問に思うものが多いです。最高役である聖火シンボルは良いとしても、自転車、フェンシング、ヨットの各シンボルは、理解できないことはないとは言え、当時の日本にとってはポピュラーなスポーツではなかったはずで、他に候補はなかったのかと思います。また、馬シンボルは、馬術というよりは競馬のように見えます。中でも疑問の最たるものは、特殊役であるスキーシンボルで、なぜ一つだけ冬季競技が混じっているのでしょうか。

オリンピックがテーマとなっている他の遊技機は他にはあまり思いつきませんが、バーリー社が1975年に発表した「MEDALIST」は印象に残っています。


Bally MEDALIST(1975)。日本にはあまり輸入されなかったようで、ワタシは、銀座のゲームファンタジア(シグマ)でしか見た覚えはない。

5リールのこの機種は、コイン1枚の投入で、第1、第2、第3リールの3リールによるゲームができます。コイン2枚を投入すると、さらに、第2、第3、第4リールの3リールによるゲームができるようになります。さらに、コイン3枚を投入すると、第3、第4、第5リールの3リールによるゲームができるようになります。つまり、1回のゲームでコイン3枚を入れさせようと企んでいるわけです。しかし、5リールのすべてに7シンボルが停止すると、4万コイン(この写真の機種では1万コイン)という、当時としては破格の大当たりとなりました。

これと類似のゲーム性は、1972年に発表された「TWIN LIGHTNING」から見られます。この機種も5リールですが、第1、第2、第3リールによるゲームと、第3、第4、第5リールによるゲームに分けられていました。この機種はそこそこヒットしたので、MEDALISTはこれを更に拡張したものと言えるでしょう。なお、MEDALIST発表の2年後である1977年には、同じゲーム性を持つ1ドル機も発表されました。

ところで、冒頭で述べたオリンピアで使用されていたトークンは、片面が沖縄・首里城の守礼門が、そしてもう片面には聖火が描かれていました。


オリンピアで使用されていたメダル(片面)

聖火は、オリンピックテーマなら当然あって然るべき図柄ではありますが、1906年ころ、米国ミルズ社がフェイの「リバティ・ベル」を真似て作ったスロットマシンの筐体にも、なぜか聖火の図柄が用いられているのは、単なる偶然でしょうか。なんとなく、デザインの基本的な部分が似ているように思うのは考え過ぎ・・・?


ミルズ・リバティベル(1906?)


そのコイン投入口付近に聖火の図柄が。


その背面にもやはり聖火が。

さて、今夜は女子重量挙げ53㎏級を録画予約して寝なければ。