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大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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大田区職員、区長、教育長、副区長、区議会議員の報酬:維新が反対した理由、共産党の賛成した理由ほか

2015年12月21日 | ├行政システム・公共調達

大田区職員や区長、区議会議員などの給料報酬に関わる議案は6本。
通常の議案が送付されるのが開会の一週間以上前。それを議会が開催されてから上程し、別途委員会開催日を設けその場で審査し、最終日に議決するスケジュールに比べれば、これらを、議会2日目に上程し、その場で質疑、委員会審査、当日討論という通常の議案にはないスピード議決です。

最初に議案を審議した総務財政委員会の報告。
メンバーは、以下の通り。

総務財政委員会
委員長 大森 昭彦(自民)
副委員長 大橋 武司(公明)
委員 松原 秀典(自民) 安藤 充(自民)
鈴木 隆之(自民) 岡元 由美(公明)
清水 菊美(共産) 佐藤 伸(共産)
山崎 勝広(民主) 荻野 稔(維新)


______________________


第126号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 ほか5件(委員長審査報告)

○松原茂登樹議長 総務財政委員長の報告を求めます。
〔6番大森昭彦議員登壇〕(拍手)

○6番(大森昭彦議員) ただいま上程されました第126号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例ほか5件につきまして、所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告をいたします。
初めに、主な質疑について申し上げます。

まず、第129号議案につきまして、今回の改正は、民間企業との給与比較による人事委員会勧告に基づくものであるが、比較対象とした民間企業の基準を伺いたい との質疑に対して、企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の事業所が対象とされている。なお、特別区内においては、当該民間事業所は1万弱あるが、そのうち無作為抽出した約1000事業所が実態調査の対象となったとの答弁がなされました。

今回、Ⅲ類初任給が国の状況等を踏まえて1300円引き上げられたが、このことに関する区の見解を伺いたい との質疑に対し、公務員の初任給の引き上げについては、有為な人材確保という側面がある一方、民間企業との関係性も考慮する必要がある。なお、国においてはⅠ類初任給が据え置きとされており、特別区についても民間事業者の動向を考慮して据え置きとなったとの答弁がなされました。

15年ぶりの引き上げとなった昨年に続き、今年は2年連続の引き上げとなったが、今回の改正により、引き下げ傾向となる以前の給与水準に戻ったと考えていいのか との質疑に対し、過去5年間における職員1人当たりの平均引き下げ額は約8万円程度である。一方、今回の引き上げを完全実施した場合の平均年間給与は約6万5000円の増となるとの答弁がなされました。

次に、第126号議案から第128号議案、第130号議案及び第131号議案につきまして、特別職報酬等の増減率に0.3%程度の幅があるが、こうした差が生じる要因について伺いたいとの質疑に対し、増減額の基本が1000円単位であることから単数により増減率に差が生じる。特別職の報酬等については、職員給与と同様に、人事委員会勧告による公民較差を考慮する一方、特別職の職責などを含めて決定されているとの答弁がなされました。


以上の後、討論を行いましたところ、第126号議案から第131号議案に至る6件の議案につきまして、反対・賛成の態度がそれぞれ表明されました。

その際、反対の立場から、第129号議案につきまして、特別区人事委員会の基準が中小零細企業の多い大田区の平均と必ずしも合致していないという疑問がある、職員の給与については区内の実態に近い形で判断することが望ましい との意見がありました。
第126号議案から第128号議案、第130号議案及び第131号議案につきましては、大田区特別職報酬等審議会の答申において、大田区の特別職の報酬については、他区と比較しても区長は第7位、教育長は第15位、議員は第8位とあり決して低くはないと考える。また答申では、各役職について他区と比べておおむね均衡する水準の報酬等の額となっていることから上げる必要は薄いと考えるとの意見がありました。

一方、賛成の立場から、第129号議案につきまして、特別区人事委員会勧告に基づいて厳正に検討した結果の条例改正であるので賛成する。公務員の給与の引き上げは、最低賃金の引き上げや民間企業における賃金上昇に波及する効果があると考える公務員の給与を引き上げ、それを指標として、民間、とりわけ中小企業の労働者の給料や最低賃金を引き上げていくことが本来の姿であるとの意見がありました。

第126号議案から第128号議案、第130号議案及び第131号議案につきましては、厳正な審査を経ての決定であり、妥当である。特別職の報酬決定について、適正な改定額の判断というのは難しいが、上昇した分について職責をしっかり全うすることが大切であるとの意見がありました。

以上の後、採決を行いましたところ、第126号議案ほか5件の議案は、賛成者多数で原案どおり決定いたしました。
以上、所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告といたします。(拍手)
○松原茂登樹議長 これより討論に入ります。
本案については、三沢清太郎議員、清水菊美議員、野呂恵子議員、奈須利江議員より通告がありますので、順次これを許します。

まず、44番三沢清太郎議員。
〔44番三沢清太郎議員登壇〕(拍手)
○44番(三沢清太郎議員) 維新の党大田区議会は、ただいま上程されました第126号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例ほか5件の議案に対して、反対の立場から討論します。
先ほど、福井議員が具体的な数値を挙げて大田区の元気のない現状について説明をされていらっしゃいました。また、ここにおられる皆様も実感されていらっしゃるかと思いますが、大田区の二大繁華街である蒲田と大森の飲食街も以前と比べて活気がありません。比較的大手企業が集中している大森はまだ多少は活気があるようですが、たくさんの中小企業に支えられている蒲田は少し元気がなくなっているように感じます。これは日ごろおつき合いさせていただいている中小企業経営者やタクシー運転手、飲食店オーナーからもほぼ同様の話が聞こえてきますので、あながち間違っていないとは思います。
そのような中、今般一般職員、特別職員の給与や報酬を上げるのは、果たして大田区民の理解を得られのでしょうか。昨日、遠藤副区長は、議員報酬が上がる根拠の一つとして、大田区は人口が多いからとおっしゃっていらっしゃいました。しかし、270万人近い人口を抱える大阪市では、自民、公明、民主系の3会派で議員報酬を現行から約10%削減しているところもありますので、一概に人口が多いことが議員報酬を上げることにつながるとは思えません。
松原区長は、きのう区長挨拶で、選択と集中についてお話をされていらっしゃいました。それが本区職員や区長、議員の収入を増やし、介護職員や保育士をはじめとした大田区住民の収入を減らすというふうに有権者に聞こえてしまうようなことがあれば、それは悲しいことです。地域の皆様を代表して仕事をさせていただいている身として、このタイミングで、一般職員、特別職員の給与や報酬を上げることは、大田区民の多くの方々の理解を得られるとは思えず、維新の党大田区議会は反対の立場を表明します。(拍手)

○松原茂登樹議長 次に、30番清水菊美議員。
〔30番清水菊美議員登壇〕(拍手)
○30番(清水菊美議員) 日本共産党区議団を代表して、第126号議案から第131号議案6件に、賛成する討論を行います。
まず初めに、11月6日に行われた読売国際経済懇話会で安倍首相は、雇用は100万人以上増えました。正社員に限った有効求人倍率も最高水準、正規雇用は21万人増加していますと強調しました。しかし、労働者派遣法など労働法制の相次ぐ改悪によって賃金水準が低い非正規雇用が拡大し、安倍首相の言う雇用増の中身は、圧倒的に非正規で、11月4日厚労省が発表しましたが、非正規率が初めて40%に達しました。非正規の賃金は正社員の63%と大きな格差があり、正社員の有効求人倍率は直近の9月で0.77倍で、求人数が求職者数に満たない状況が続いています。このことが実質賃金にも影響し、実質賃金指数は7月から9月、3か月続けて前年同月比で微増はしたものの、2013年5月から2年間にわたって前年割れが続き、大企業が市場最高の利益を上げる一方で、賃上げが進まないことは政府の経済財政諮問会議でも取り上げられました。
昨日、安倍内閣は、大企業に賃金引き上げを要請しています。そのような中で、今年の特別区人事委員会勧告で、特別区の職員の賃金が民間賃金と比べて低いことから、月例給で公民較差1434円、0.35%を解消するため、特別給(期末手当・勤勉手当)で年間の支給月数を0.1引き上げるとの内容により、職員の給与に関する条例の一部改正と特別職報酬等の改定が提案されました。
昨年、15年ぶりに公務員等の給与の引き上げが行われ、今年で2年連続の値上げになりますが、長年公務員と民間の賃金引き下げ競争が続けられ個人消費が冷え込む中で、景気は大きく落ち込みました。公務員の給与の引き上げは、最低賃金の引き上げや民間企業における賃金上昇に波及する効果があります。ひいては、区内中小企業等、昨年行われた産業調査で明らかになった5割が3人以下、8割が9人以下の製造業3481社をはじめ、区内労働者の給料を引き上げていくことにもなります。
日本共産党区議団は、非正規雇用の拡大により、賃金格差が広がり、格差と貧困を広げ、全体の経済を押し下げるのではなく、雇用は正規雇用で、労働者の賃金を引き上げるためにこそ政治の力を発揮すべきと提案してきました。今、大田区が進めている民間委託や指定管理者制度などで、低賃金、不安定な非正規雇用を増やす政策こそ改めるべきです。
区民の懐を温め、消費を増やすことこそ、大田区内の景気をよくする道です。今条例による職員、特別職同様の賃金の引き上げに賛成し、討論を終わります。(拍手)

○松原茂登樹議長 次に、45番野呂恵子議員。

〔45番野呂恵子議員登壇〕(拍手)
○45番(野呂恵子議員) 大田区議会緑の党は、ただいま上程されました第129号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例に賛成し、第126号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例並びに第127号、第128号、第130号、第131号の各特別職の条例について、反対の立場から討論を行います。

本年8月6日、人事院が民間給与実態調査に基づき、2015年度国家公務員一般職の職員の給与に関する引き上げを国会と内閣に勧告いたしました。10月13日、特別区人事委員会も一般職の職員の給与に関する報告及び勧告を行いました。特別区人事委員会は、今年4月1日における公務員と民間従業員の給与比較を行いました。公務員5万7290人、平均年齢43.1歳で手当も含め平均給与40万154円、民間従業員3万750人、平均年齢42歳で40万1567円と、公務員が1413円給与が下回り、さらに特別給も下回っていることと報告をいたしました。
昨日の総務財政委員会の質疑によれば、今年度4月からの遡及適用により、平均年間約6万5000円の引き上げとのこと。平成25年の職員給与引き下げの条例改正の折に報告された5年間で年額8万円の引き下げ分の回復にはまだ及びませんが、公民較差が是正されていくことは国内景気の回復の一助となります。ただし、本年10月から公務員共済年金が厚生年金に一元化され、職員の年金負担額は月額平均1万1572円も増えており、これはこのたびの年間給与引き上げ分のおよそ倍にも及ぶ額です。
これまで公務員の年金は、職員の等級号俸を基本に負担額が決まっておりましたが、厚生年金では、基本給に加え、超過勤務手当や管理職手当など各種手当が合算され負担額が決定されます。4月から6月の3か月の標準報酬月額をもとに算定されるこの期間に、休日給や超過勤務手当が多い職員は年金負担額も増え、勤務年数は少ないけれども厚生年金の負担が増える職員もおります。
このたびの条例改正による一般職の給与引き上げ総額は約2億7000万円とのことですが、70万区民の福祉を支える一般職員が、それぞれの職責に応じて職務に元気に励んでいただくために、職員の給与引き上げは重要です。
平成25年度、公務員給与引き下げのとき、国は地方交付税約6000億円も削減し景気を冷え込ませました。国は、今年度国家公務員と地方公務員の所得が全体で2030億円増えると見込んでおりますが、全て消費喚起につながるのではなく、厚生年金の負担増に回っていくことも勘案すれば、職員給与をしっかりと引き上げることが重要と受け止め、第129号議案に賛成するとともに、非正規雇用の処遇改善にも取り組んでいただくよう要望いたします。
区内を見渡せば、景気回復感はごく一部に限られており、厳しい経営や生活を余儀なくされておる区民が多々おります。9月の地域・産業委員会で報告された大田区の中小企業景況によれば、区内の要である製造業の来期の業況は悪化傾向が大幅に強まると見込まれ、それは小売業も同様でした。売り上げの停滞・減少49.1%、受注の減少21.5%、国内需要の低迷17.2%と厳しい実態が報告され、さらに27年6月時点で、大田区内倒産件数9件、そのうち製造業は4件、負債総額15億3300万円でした。
東京都内の6月期の倒産件数、製造業26件を見れば、いかに大田区内の製造業の倒産が多いかわかります。人材不足など経営上の課題も顕著であり、区内で若者が希望を持ち働き続けられる産業育成のために、区民と思いを共有し、痛みを分かち合い、せめて特別職の給与・報酬等の引き上げについてはこのたび見送るべきと考え、反対いたします。(拍手)

○松原茂登樹議長 次に、47番奈須利江議員。

〔47番奈須利江議員登壇〕(拍手)
○47番(奈須利江議員) フェアな民主主義、奈須利江です。第129号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について賛成、第126号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例以下、第127号、第128号、第130号、第131号議案について、反対の立場から討論いたします。
今回、大田区は、大田区職員と議会議員はじめ区長特別職などの給与、報酬について、同じように引き上げの議案を提出しています。私は、公務員や議員はじめ区長特別職などの給与、報酬は、これまで以上に区民の理解と合意形成が必要な時代に入っていると考えています。
なぜなら、公務員や議員、首長についてのあり方や考え方が以前とは大きく変わってきているからです。しかも、公務員として大田区行政を担う職員と特別職などとして区政にかかわる首長、議員などは、同じ視点で論じることはできません。にもかかわらず、今回、職員も区長、議員も人事委員勧告をもとに引き上げようとしています。昨年も連動して引き上げましたが、区長、議員などの給料、報酬はいつから連動するようになったのでしょうか。この間、高給でサービスも悪い官から、よいサービスを安いコストで提供する民へといったイメージで、民営化や民間委託が進められてきましたが、これらが大田区政、大田区財政に一体何をもたらしたのか、それに伴い、大田区民生活にどのような影響が起きているのかについて検証しなければならない時期に来ていると考えています。
そうした視点から見れば、大田区職員給与をコストとしか捉えず、安ければ経費削減になりよいといった経済の視点だけで捉えることは問題があると考えます。同様に、大田区職員の給与を引き上げることには賛成ですが、そのもととなる特別区人事委員会勧告の特別区内の民間従業員の給与水準と均衡させることを基本とした報告、勧告には違和感を覚えます。今回、特別区・国とも、民間が上がったから公務員も上げるという勧告です。しかし、民間全体の平均給与は必ずしも上がっておらず、抽出したモデルにおいて上がっているだけのことです。特別区も、特別区内の企業規模50人以上かつ事業所規模50人の母集団事業所から抽出した結果です。
非正規雇用が約半数を占める現状において、正規雇用職員と比較し、中小零細企業中心の町工場が製造業を支えるものづくりのまち大田区が、その全体から見ればわずかな企業規模、事業所規模50人以上の中から抽出した正規雇用の職員給与と比較し、格差があるからそれを是正しましたという職員給料を区民にご理解いただくには無理があります。
しかも、特別区人事委員会の調査には、定期昇給を実施した事業所の割合は、昨年の85.5%から82.2%へと減っているのです。ベースアップした事業所の割合が増えたと記されていましたが、そもそもベースアップの慣行がない事業所が6割を超えていることにも注目する必要があります。
今や非正規雇用が半数を占め、平均所得の低下だけでなく、雇用そのものが流動化、不安定化しています。一部の比較的恵まれた層との賃金比較をして公務員の処遇を決めるやり方は、非正規雇用や、ますます厳しくなっていく中小零細企業に働く区民に目をつぶることですから、区民からのいわゆる公務員批判はさらに激しく大きくなり、民営化や民間委託をさらに推し進めることになるでしょう。それではいつまでたっても現在起きている新自由主義の本質的な問題を区民にご理解いただくことはできません。
しかし、それでは労働者全体の平均給与と比較し、それにあわせて公務員給与を決めるべきでしょうか。グローバル化やTPPなどさらなる規制緩和が進んでいる現状の大きな流れは、雇用をさらに流動化させ、1人当たり賃金をさらに減らす方向で動いています。このまま民間給与と連動させれば、公務員給与はさらに下がっていくことになるでしょう。そういった問題意識から、区長にどのような問題意識でこの議案を提出したのか議案質疑しましたが、答弁は、民間平均給与と比較した人事委員会勧告を最大限尊重するでした。
今、特別区人事委員会が行っていることは、この民間の雇用の流動化に公務員を合わせようとしているということです。大田区は自由競争経済理論の中に公を置き、人件費をコストとしか考えないことをよしとしていいのでしょうか。
だからといって、今や少数になっている一部の正規雇用の給与実態との比較から大田区職員の給与を決めてよいことにもなりません。区長には、大田区の行政のトップとして、公平無私、全体の奉仕者たる大田区の職員は、この程度の暮らしを支えるに必要なこの程度の給与が必要である。また、これは大田区で働く人の重要な基準となるべき水準である。それらを実現するために、大田区が何をすべきかという視点で区政に取り組んでいただきたいと要望し、賛成といたします。
一方、区議会議員、区長、副区長、教育委員会委員、委員長、選挙管理委員、監査委員など特別職などの給料報酬費用弁償は、大田区職員同様引き上げるべきでしょうか。大田区政は、いまだに大田区の責務である子育て、保育所や介護、特別養護老人ホーム、障がいなどの基本的人権にかかわる事業の供給量が足りていません。しかも、公と民間企業が担っている事業では、負担の格差や、そもそも利用できないなどの公平性を欠く状況です。大田区では歳入確保のため、徴収率アップと財源確保が常に指摘されています。そうした中、現在大田区では、公平性、受益と負担の関係性の視点、少子化対策の視点の三つの視点から、大田区保育園・学童保育保育料検討委員会で保育料の検討が始まりました。検討委員会の中には、現状維持は既得権益擁護といった発言をしておられる委員もいます。どのような形であれ、利用料を上げることで大田区の意味する不公平性や受益と負担の関係性の問題を解決しようとしているように傍聴していて感じました。
格差の拡大、平均所得の低下、雇用の不安定化、中小企業などに特に影響の大きい産業構造変化、グローバル化、外国人労働者の秩序なき規制緩和による流入、社会保障の目減り、税負担、利用料負担の増大など、区民生活を取り巻く状況はさらに厳しくなっています。
月額で見れば1000円から4000円の引き上げですが、年額で比較すれば区長24万2091円、副区長19万284円、教育長15万96円、議長17万3634円、副議長13万7245円、委員長12万932円、議員11万4929円にもなります。大田区の責務である社会保障事業供給量さえ足りず困っている区民が大勢いる中、区議会議員はじめ特別職が、今、給料報酬費用弁償を引き上げる時期でしょうか。一方でみずからの報酬給料を引き上げながら、保育所や学童保育の利用料を検討することが区民からの理解を得られるでしょうか。だからこそ、どのような問題意識を持って、区長がみずからの、そして区議会議員はじめ特別職の報酬を上げる議案を提出したのか議案質疑したわけですが、区政課題が複雑高度化していて、安心・安全を推進するには責務が大きく、自治体規模が70万と大きいという答弁でした。
確かに区政は複雑高度化していますが、現状を招いている一つの要因は、投資家利益のためのアベノミクス経済にあります。株価は上がり、投資家利益がもたらされたものの、そのために行われたのはその他大勢の賃金労働者の人件費の抑制、削減と雇用の流動化で、それが多くの区民の生活を圧迫しています。そして、その政策を推進してきたのが、区長、そしてこの議場にいる多くの議員ではないでしょうか。それで複雑高度化している区制課題に大きな責務を果たしていると言えるでしょうか。自治体規模が大きいからと言いますが、人口約5万人の千代田区長や議員の給与や報酬はどうでしょう。
本来であれば、私たち議会も議会改革の一環として、議員とはどうあるべきか、その責務を担うための報酬はどうあるべきかといった根本的なことを区民とともに開かれた形で議論し、そこから報酬についても区長とともに考えていくべきではないかと思います。今の議会のままでは、議員は少ないほうがよい、議員報酬は少ないほうがよいといった議論に流される危険性があります。議会制民主主義において、住民の代表である議員や議会の力を小さくすることは住民の力を小さくすることにほかなりません。そうならないためにも、私たちは区長、議員はじめ特別職などの報酬のあり方について、区政、区財政、区民生活などを総合的に検証し、区民の理解を得ることなどで、根底にある政治不信を払拭していかなければなりませんが、今回の報酬引き上げでは逆に不信を招くばかりです。現状における引き上げは到底区民の理解を得られない現状にあり、反対といたします。(拍手)
○松原茂登樹議長 以上をもって討論を終結いたします。
これより採決に入ります。
まず、本案中第126号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、第127号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例、第128号議案 大田区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例、第130号議案 大田区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例及び第131号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の5件を一括して起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。

〔賛成者起立〕
○松原茂登樹議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
次に、第129号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例を起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告は原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○松原茂登樹議長 起立多数であります。よって本案は委員長報告のとおり決定いたしました。
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