身近な川を歩き、水質や植生・生物の調査を行う「川調査」。
昨年は、洗足流れを歩きましたが、今年は、「呑み川」です。
地上に流れ出る大井町線の緑ヶ丘駅近くから産業道路までを、二つのグループに分けて歩きました。
当日は、「呑川の会」の方に、ポイントポイントで説明をしていただきながら歩きました。
呑み川は、落合浄水場で浄化された水が流れています。
地上に出る緑ヶ丘近くの水質は、浄化された水がそのまま流れ出ているためリンの数値は高いものの、その他は良好で、それが池上あたりまで続きますが、下流に近づくにつれ悪くなっていきます。
浄化された水が汚れてしまう理由のひとつには、下水が流れ込んでしまう下水道のしくみの問題があります。
通常は、下水道を流れている汚水ですが、大都市では、雨水を下水と一緒に流している方式(合流式)をとっているため、雨が降ると下水道がいっぱいになってしまいます。そのままでは、道路に汚水があふれてしまうため、あふれる前に、増水した下水を飲み川に逃がす(流す)ようにしています。
川を歩いた7月22日の前日に雨が降っていました。多く降ったとは感じませんでしたが、それでも、当日呑み川の壁面の下水が流れ込む穴からは、水が流れた跡がありました。
この程度の雨でも、下水道から汚水が呑川にあふれ出ることがわかりました。
雨による増水によって汚水が呑川に流れ込むわけですから、少しでも雨水を下水に流し込まない対策が重要です。
そのためには、下水に流れ込む前に、地面に吸い込ませることです。
屋根に降った水を地面に吸い込ませるための「雨水浸透マス」の設置や、透水性の路盤財を使用した道路整備により下水に流れ込む量を減らすことができます。
私の家の近くを通る環状七号線の路盤財の補修工事が先日行われていました。
騒音対策として透水性の路盤財を使用していましたが、水は一端道路の下まで通った後に道路わきの側溝から下水に流れ込むしくみになっていて、合流式により雨水が下水に流れ込むことへの対策にはなっていませんでした。雨水が地面に吸い込まれ、それが地下水になることや、蒸発する際の気化熱で大気を冷やす温暖化対策になることなど、透水性道路に期待する機能には大きなものがあります。
せっかくの透水性道路ですが、こうした機能が十分にいかされるよう設置できないのでしょうか。
呑み川は、下流に行くに従い、海水の干満の影響や、川が大きく蛇行していることによって水が滞留して、水質を更に悪化させているのが現状です。
においも含めた水質改善のために、JRと交差する付近では、分解を早めるために酸素を送り込んだり、水質改善のための薬剤を投入したりしていますが、なかなか効果が現れていないようです。
もっとも重要で近道なのは、少しでも下水を呑川に流さないための対策をとっていくことであり、そのために、いかに雨水を地中に戻すかが求められます。
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