水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

ペルガモン(13)第五回講座(2)

2008-10-17 11:07:38 | ペルガモン展関連
 きのうの続き。特に印象に残った話題が次。

・中国の音頭でシルクロードを世界遺産にしようという動きがある。
これは、スタン諸国(講義では使用されなかった)およびキルギスの資源に目をつけた、非常に政治的意味合いが強く、日本国として要注意。
「仏教の伝播・日本で発展」を理由に、日本までの延長を主張し(当初の中国案は西安を起点)、ほぼ受け入れられた。

・ヘディンは、西欧であまり評判はよくない。
スエーデン人だが、探検の金主はルフトハンザであった。このため、ナチシンパとみられている。

・ヘディンの著作に記述される、小うるさい中国人は、実は中国政府が張り付けた監視人。黄氏といい、中国における現代考古学の創始者であることを知っている人は少ない。

・西欧諸国はシルクロード一帯から遺物を持ち出した。日本は文書を持ち出した。

・ヘロドトスの「歴史」は面白い。
ペルシャ内での伝承を散文で表したもの。(読むに値しそう)

・マケドニアの台頭は、アテネとスパルタが、互いを相手とした戦いに疲弊しきってしまったこと、が原因。

・アレキサンドロスの東征に軍属として従ったイオニア人が、遠征先に残置させられ、ヘレニズム文化の伝播に寄与した。
イオニア人の発祥地は現トルコ西部で、金銀の細工技術に優れていた。この地域に富が集中し、文化も栄えた。ミトレス派と呼ばれる一派はギリシャ哲学の原点。

・通常、文化の伝播は先に行けば行くほどデガタントになる、と認識されているが、ヘレニズムに関してはそれがなかった。それは言語が崩れなかったからだ。

・言語が崩れなかった理由は法勅。仏教の法勅がギリシャ語・アラム語(ペルシャの公用語)で書かれた。

・ヘレニズム・セレウコス朝から領地の一部を割譲されたインド・マウリア朝アショカ王はバラモン教から仏教に改宗。
仏教はヘレニズム文化の受容に寛大であった。仏教彫刻等へのヘレニズムの影響。

・東大寺大仏開眼供養は752年に行われた。この大仏の建立はバーミアンの大仏を意識していた。(?)


とにかく多くの刺激を受け、楽しかった。

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