……日本漢字能力検定協会の大久保 昇前理事長(73)が、在任中にもかかわらず退職金およそ5,300万円を受け取っていたことがわかった。……およそ1年半前、在任中にもかかわらず理事会や評議員会に諮らないまま、退職金およそ5,300万円を受け取り、その後、分割払いで5,300万円全額を返済したという。……協会名義のクレジットカードで、飲食などをしていたことも明らかになった。協会名義のクレジットカード使用により生じた代金は、大久保前理事長が代表を務める協会の関係会社「オーク」が協会に支払っていたという。……
4月21日 FNNニュース
■記者会見の場では、「新しく就任した方が、これだけの組織を混乱なく運営できるかは懸念が多い。新執行部が軌道に乗るまで、お手伝いしたいと思う」と自分の影響力を最大限に残そうとする並々ならぬ決意を示していた大久保某でしたが、この騒動が起こるずっと前に「退職金」を受け取っていた!好き放題にカネを入れたり出したり、協会自体が便利なキャッシュ・カードみたいな物だったようです。勿論、最終的に支払い主は、いろいろな書籍を購入して一所懸命に勉強してくれる真面目な漢検の受検者の皆様なのでありました。
■その受検者が固唾を呑んで待っている合否判定の裏側にも、やっぱり生臭いゼニの臭いがぷんぷんしていたようです。
財団法人・日本漢字能力検定協会が、大久保昇前理事長らが代表を務める親族企業4社と巨額の取引を行っていた問題で、4社のうち大久保浩前副理事長が代表を務める採点業務などの請負会社「日本統計事務センター」が、採点や決済など検定業務のシステム開発に関し、委託料の半額以下で別会社に再委託していた疑いの高いことが21日、関係者の話でわかった。同センターがゲームソフト用の一部著作権料に関し、協会に対して業者から受け取った額の約1割しか支払っていなかったことも判明。不適切な利益取得の構図が浮かんだ。
■検定協会の名称にも「日本」の冠が付いていましたが、大久保父子はよほど「日本」という二文字が好きなようです。その上に「大」を付けなかったのがせめてもの遠慮だったのかも?ゲームソフトに目を付けて商売の幅を広げて行く経営感覚は大したものですが、それと検定の採点作業を平行させてしまうというのは、何とも人を喰った話のような気もします。捻り鉢巻で辞書や字典を片手に問題集に取り組むのは嫌だなあ、という受検者向けに「ゲーム感覚で漢検に合格!」とか何とか宣伝していたのでしょうか?所詮は漢字文化もゲーム感覚の領域ということのようです。
……協会は平成7年から同センターと取引を始め、検定試験の採点、検定料の決済業務や、これらの業務に絡むシステム開発などを委託。20年度までの14年間の取引総額は約99億3700万円にのぼるという。……このうち検定業務のシステム開発に絡み、17年10月~20年9月の3年間で、協会に対して約3億770万円を請求。センターは別の3社に再委託していたが、3社には約44%の約1億3540万円しか支払っていなかった。……このうち委託業務の一つの「新基幹システム構築費」について、協会への請求額が約9000万円だったのに対し、同センターの再委託先への支払額は2000万円だったと説明していることを取り上げ、「得ている利益が過大である疑念は払拭できない」と指摘している。
■6割近くもの中間搾取、これを「濡れ手に粟」の商売と言いいます。一度やったら止められない、実に気楽で美味しい商売です。否、これは商売とは呼べないかも知れません。受検者の数が右肩上がりで増え続ければ、この種のシステムはこれから先もどんどん規模を拡大しながらリニューアル作業が繰り返されますから、莫大な利益が約束されたも同然。
協会への請求書は同センター代表の浩副理事長が作成しており、協会の副理事長として取引に関して利害が相反する立場にあったが、関係者によると、第三者による承認は行われていなかった。……漢字検定問題などのデータ使用に関し、同センターが携帯ゲーム機用ソフトの製造・販売会社とライセンス契約を交わす一方、協会には同社からの著作権料の1割のみを収める契約を交わしていたことも判明。協会とセンターの契約書の押印者は、いずれも浩前副理事長だったという。……携帯電話サイトに関する別会社とのライセンス契約に関しては、センターは協会に著作権料を支払っておらず、2社が平成20年9月期までの2年間で支払った著作権料計約7600万円のうち、協会に渡ったのはわずか約700万円だったという。
2009年4月21日 産経ニュース
■こうした所業を漢字一文字で表わせば、「搾」「抜」「盗」のどれかになりそうです。搾られ、抜かれ、盗まれたのは受検料金や教材費だけではなく、漢字文化のそのものと日本文化の品位だったのかも知れませんなあ。それでも漢字検定を受け続ける人が残っているのが日本文化の良いところなのでしょうか?今のところ、漢字検定協会の上空には黒い雨雲が垂れ込めてはいても、長雨が降りそうな気配はなさそうですが……。
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4月21日 FNNニュース
■記者会見の場では、「新しく就任した方が、これだけの組織を混乱なく運営できるかは懸念が多い。新執行部が軌道に乗るまで、お手伝いしたいと思う」と自分の影響力を最大限に残そうとする並々ならぬ決意を示していた大久保某でしたが、この騒動が起こるずっと前に「退職金」を受け取っていた!好き放題にカネを入れたり出したり、協会自体が便利なキャッシュ・カードみたいな物だったようです。勿論、最終的に支払い主は、いろいろな書籍を購入して一所懸命に勉強してくれる真面目な漢検の受検者の皆様なのでありました。
■その受検者が固唾を呑んで待っている合否判定の裏側にも、やっぱり生臭いゼニの臭いがぷんぷんしていたようです。
財団法人・日本漢字能力検定協会が、大久保昇前理事長らが代表を務める親族企業4社と巨額の取引を行っていた問題で、4社のうち大久保浩前副理事長が代表を務める採点業務などの請負会社「日本統計事務センター」が、採点や決済など検定業務のシステム開発に関し、委託料の半額以下で別会社に再委託していた疑いの高いことが21日、関係者の話でわかった。同センターがゲームソフト用の一部著作権料に関し、協会に対して業者から受け取った額の約1割しか支払っていなかったことも判明。不適切な利益取得の構図が浮かんだ。
■検定協会の名称にも「日本」の冠が付いていましたが、大久保父子はよほど「日本」という二文字が好きなようです。その上に「大」を付けなかったのがせめてもの遠慮だったのかも?ゲームソフトに目を付けて商売の幅を広げて行く経営感覚は大したものですが、それと検定の採点作業を平行させてしまうというのは、何とも人を喰った話のような気もします。捻り鉢巻で辞書や字典を片手に問題集に取り組むのは嫌だなあ、という受検者向けに「ゲーム感覚で漢検に合格!」とか何とか宣伝していたのでしょうか?所詮は漢字文化もゲーム感覚の領域ということのようです。
……協会は平成7年から同センターと取引を始め、検定試験の採点、検定料の決済業務や、これらの業務に絡むシステム開発などを委託。20年度までの14年間の取引総額は約99億3700万円にのぼるという。……このうち検定業務のシステム開発に絡み、17年10月~20年9月の3年間で、協会に対して約3億770万円を請求。センターは別の3社に再委託していたが、3社には約44%の約1億3540万円しか支払っていなかった。……このうち委託業務の一つの「新基幹システム構築費」について、協会への請求額が約9000万円だったのに対し、同センターの再委託先への支払額は2000万円だったと説明していることを取り上げ、「得ている利益が過大である疑念は払拭できない」と指摘している。
■6割近くもの中間搾取、これを「濡れ手に粟」の商売と言いいます。一度やったら止められない、実に気楽で美味しい商売です。否、これは商売とは呼べないかも知れません。受検者の数が右肩上がりで増え続ければ、この種のシステムはこれから先もどんどん規模を拡大しながらリニューアル作業が繰り返されますから、莫大な利益が約束されたも同然。
協会への請求書は同センター代表の浩副理事長が作成しており、協会の副理事長として取引に関して利害が相反する立場にあったが、関係者によると、第三者による承認は行われていなかった。……漢字検定問題などのデータ使用に関し、同センターが携帯ゲーム機用ソフトの製造・販売会社とライセンス契約を交わす一方、協会には同社からの著作権料の1割のみを収める契約を交わしていたことも判明。協会とセンターの契約書の押印者は、いずれも浩前副理事長だったという。……携帯電話サイトに関する別会社とのライセンス契約に関しては、センターは協会に著作権料を支払っておらず、2社が平成20年9月期までの2年間で支払った著作権料計約7600万円のうち、協会に渡ったのはわずか約700万円だったという。
2009年4月21日 産経ニュース
■こうした所業を漢字一文字で表わせば、「搾」「抜」「盗」のどれかになりそうです。搾られ、抜かれ、盗まれたのは受検料金や教材費だけではなく、漢字文化のそのものと日本文化の品位だったのかも知れませんなあ。それでも漢字検定を受け続ける人が残っているのが日本文化の良いところなのでしょうか?今のところ、漢字検定協会の上空には黒い雨雲が垂れ込めてはいても、長雨が降りそうな気配はなさそうですが……。
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