旅限無(りょげむ)

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金魚の糞の後始末? 其の壱拾壱

2006-12-02 19:25:01 | 政治
■あの選挙で大量に当選した議員の多くが、最初から「使い捨て」になる予定だったとしたら、760億円という言われる莫大な国家予算を投じて行われた総選挙は、馬鹿馬鹿しいほどの無駄遣いではないでしょうか?強力な支持者を持つ「復党組」が、本気で復讐戦を挑んだら、「金魚の糞」候補は木っ端微塵に砕け散って、「落選したらただの人」とは言われますが、それ以上に恥ずかしい経歴を持った小泉政権名物?の「負け組み」軍団として自民党史の「お笑い部門」に記録されることになりそうです。何だか哀れを誘う話ですなあ。

来年夏に参院選を控える参院執行部には「(今年)10月復党」を求める声もあり、早まる可能性もある。衆院選で造反組に敗れ、比例代表で復活当選した自民党新人議員らとの選挙区調整は、復党後に検討する考え。既に自民党内には無所属組と統一会派を組む構想も出ている。平沼赳夫元経済産業相(66)や野田聖子元郵政相(46)ら造反組は20日の会合で、自民党と交渉する窓口を平沼氏に一本化し、復党は13人一括とする方針を確認。昨年10月の郵政民営化法案可決時も無所属でただ1人反対票を投じた平沼氏だが、安倍氏から「早く(自民党に)帰ってきてほしい」と、長時間にわたって説得を受けるなど、安倍氏と政策的な考え方が近いことから、13人の代表として前面に立った形だ。

■結局、青木参議院幹事長の一言で潰された「院内統一会派」構想でしたが、安倍総理大臣の腹案はこれだったのです。参議院選挙には何の役にも立たない旬を過ぎた「小泉チルドレン」ですから、選挙の鬼と言われる青木さんの眼中にはその影さえも無いでしょう。本当は、「竹中大臣と一緒に束になって辞職してくれていたら…」と心の中では思っているに違いありません。政権与党にとって、選挙の役に立たない者は、ゴミ芥(あくた)も同然なのですが、その冷厳たる現実を「小泉チルドレン」達にはまったく分からないのですなあ。坊っちゃん、嬢ちゃん、近所のオジサン、オバサンみたいな候補を「刺客」に仕立てたマスコミ利用は見事なものですが、所詮は忍者が使う煙幕か播きビシみたいな使い捨ての道具でした。人権も何も有ったものではないですなあ。


一方、中川秀直政調会長は24日、テレビ各局の討論番組で「無所属議員が院内会派をつくれば、閣外協力や法案ごとの部分的な協力もあり得る。その中で議論が積み上がる」と、復党を模索する考えを示した。その条件として「参院選のための数合わせではなく、大義が必要」と指摘。その上で(1)郵政民営化に反対しない(2)安倍政権の公約を支持する――ことを挙げた。なお安倍氏は、25日にも幹事長ら党3役人事を決定する。
スポーツ日本  2006年09月25日

■こうして「筋か情か」のヤクザまがいの奇怪な議論が2箇月も続いたのでしたが、その間の小泉チルドレンの右往左往振りは滑稽でもあり、痛々しくもありました。


自民党の衆院当選1回議員でつくる「83会」は31日、国会内で開いた総会で、郵政民営化に反対して離党した無所属議員の復党問題への対応を議論したが、同会としては統一行動をとらない方針を確認した。総会では復党反対派が「83会有志」として活動していることに反発が噴出、復党容認論も飛び出した。……このため反対派も会としての統一行動を断念したが、復党反対の急先鋒である小野次郎氏は記者会見し、近く反対派による「復党問題を考える議員連盟」(仮称)を発足させる意向を明らかにした。すでに署名数は当選2回以上の議員5、6人を含めて約40人に上るとされ、今後、署名活動を拡大させる構えだ。

■「署名活動」などと聞きますと、市民運動みたいですなあ。権力の無い庶民が「お上(かみ)」にお願いする最後にして最強の手段が「署名活動」で、何よりもそれをマスコミが取り上げてくれるのを期待して頑張るのが市民運動というものでしょうなあ。新人議員ではあっても、何だか議員としての自覚と申しましょうか、プロ意識と申しましょうか、何か大切なものを大きく欠いている人達の集まりのような印象が有ります。それも「仲間割れ」とは、とほほな「有志会」であります。まあ、自ら「金魚の糞」であることを宣伝しているような、恥ずかしい話です。

金魚の糞の後始末? 其の壱拾

2006-12-02 15:07:46 | 政治
■条件①は、すべての「造反議員」が安倍総理に投票していますから、何の問題も有りません。条件②が最大の難問なのですが、その問題を引き起こした張本人が小泉さんですぞ!そもそも「復党問題」に平然と言及すること自体が、無責任!不見識!他人事!の態度ではないでしょうか?これは「政治評論家」の発言です。小泉総理自身がこれを言ってしまうと、その瞬間に本当の責任を負うべき人が消滅してしまうのです。この種の発言が5年に及んだ小泉政権時代には数多く残されているのが気になります。こうした発言は小泉さんの「独り言」ではないのですから、質問者の記者が「仰せご尤も」と聞いていると、こんな記事になってしまうのでしょうなあ。往年の大物政治記者が人材育成に失敗したのでしょうか?残念なことです。しかし、我が儘で気分屋で執念深く根に持つタイプの小泉さん相手のインタヴューでは、こうなるしかないのでしょうなあ。試しに一度くらいは記者側が反旗を翻して「干して」やったら良かったかも?

■条件③は、「小泉改革」という、本当はよくよく考えたら日本をどうしようとしているのか、さっぱり分からない政策を継承しろ!という無言の圧力が含まれているような気がしますなあ。本当の子分が一人も居なかった小泉さんですから、自分が辞任したら誰が何をするのか、実は御本人が何も考えていなかったのではないでしょうか?それを察知した米国からの使者?竹中さんも、見事な逃げ足を見せましたなあ。


竹中平蔵総務相(55)は15日の記者会見で、小泉内閣の総辞職に合わせ、参院議員を辞職する意向を表明した。慶大教授だった竹中氏は平成13年4月の小泉内閣発足時に経済財政担当相で初入閣。その後、金融担当相、郵政民営化担当相を歴任。16年の参院選で比例代表候補として出馬、約72万票を獲得し当選を果たした。……会見で「私の政治の世界の役割は小泉純一郎首相を支えることだった。私の役割は終わる。大臣を引き受けた時点からずっと考えていた」と議員辞職の理由を説明した。小泉首相は15日、官邸で記者団に対し「小泉内閣の改革を語る場合、竹中大臣なくして語ることはできない。悪意に満ちた批判にもよく耐え、よく頑張ってくれた」と述べ、竹中氏をたたえた。

■これから激戦が始まるのに!とか、改革の仕上げはどうするのだ?などなど、いろいろと力の無い非難の声は上がりましたが、もともと「政治の素人」「学者の書生論」などと陰口・悪口を言われた人ですから、辞めないで!という熱烈な声は上がりませんでした。言われた


これに伴い平成16年の参院選で自民党比例代表の次点だった神取忍氏が繰り上げ当選する。
神取 忍(かんどり・しのぶ)41 自 新(1)
比例区 プロレスラー・会社社長・東京都文京区・横浜学園高
産経新聞 - 9月16日

■プロレス・ファンの皆様には失礼ですが、どうしてプロレスラーは政治家になりたがる人が多いのでしょう?漫才師や役者も政治家志望の方が居ますが、プロ野球選手や歌手などにはそんな趣味を持っている人が見当たらない理由が良く分かりませんなあ。比例区の繰り上がり当選?何だか嫌な予感がする話ではありませんか?


自民党の安倍晋三総裁(52)は24日、郵政民営化関連法案に反対して離党した無所属の衆院議員13人について、臨時国会で各法案採決に自民党と同一歩調をとれば、年内にも復党させる方向で調整に入った。まず無所属の13人が臨時国会で会派を結成して自民党に協力、12月中旬の国会閉幕後に復党する案が有力だ。昨年9月の衆院選で、小泉純一郎首相(64)が送り込んだ刺客にも屈せず、選挙区で見事に議席を守った“猛者”13人が、安倍氏の采配で年内にも古巣への復帰を果たす。安倍氏は総裁選の公開討論会で造反議員の復党について触れ、「新しい日本をつくる上においては(造反組も)ほとんど同じ考え方。野党にいる方が分かりにくい」と容認する意向を示していた。

■これが9月25日の新聞記事で、安倍新総理は就任直後から「復党」を考えていた事が分かります。しかし、本当に全員を呼び戻したら、「1人区」での選挙戦がややこしい事になるのは誰にでも分かる事です。「元・刺客」VS「元・造反組」との一騎打ちが再現されるのですから、選挙結果が逆転してしまえば小泉政権からの路線変更を意味しますし、刺客候補がまた勝つような事になれば、折角復党した議員の中から落選者が出る結果になる計算です。先に、小泉さんは気楽に「復党」も可能だという意味の発言をしていたわけですが、何と言う無責任な話でしょう?それが真意だとしたら、後に明らかになる「使い捨て」理論を愛好する恐るべき冷血漢と申せましょうなあ。そんな大きな金魚からお墨付きを貰ったとはしゃいでいた小泉チルドレンは、絵に描いたような「金魚の糞」だったわけです。

金魚の糞の後始末? 其の九

2006-12-02 15:07:10 | 政治

安倍晋三首相は1日夜、産経新聞社とFNNの合同世論調査で、安倍内閣の支持率が9月の発足時と比べ16・2ポイント低下したことについて、「謙虚に受け止めたい。美しい国づくりに向けて政策をひとつひとつ実行していくことで、国民の評価をいただきたい」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
産経新聞 - 12月2日

■皮肉な話になりますが、再び本年9月に時間を播き戻して、安倍新政権誕生までの経緯を再確認する作業に戻ります。問題の前兆と原因ははそこに有るに違いないのですから……。


フィンランド訪問中の小泉純一郎首相は9日午後、ヘルシンキ市内のホテルで同行記者団と懇談し、自民党総裁選への対応について「私の一票は安倍さんに入れる」と述べ、安倍晋三官房長官を支持する考えを明らかにした。……理由として「官房副長官、幹事長、幹事長代理、そして官房長官と一番身近にいて、中から小泉内閣の進める構造改革を推進してきた。その重要性を一番理解してきた人だ」と指摘。その上で、「(安倍氏は)最も重要な職責を続けながら、評価が下がるどころか高まった」と述べ、国民的人気の高さに期待感を示した。

■この段階で、次期総理は安倍さんにほぼ確定していたのですが、小泉さんが民主党の岡田代表に対する、正に「刺客」として引っ張り出したのが安倍さんだったのでした。平壌電撃訪問から拉致問題の「一部解決」が実現した時に、急カーブを描いて改善した支持率に乗って現地の平壌に同行した安倍の人気が上昇し、日本の留守を守っていた福田さんは拉致被害者家族に対する「暴言」によって次期総理の目を自ら摘んでしまったのでした。ですから、成功と失敗が半々だった小泉外交の冷静な分析を封じるために、福田さんを失敗の象徴として切捨て、希望を繋ぐ象徴として金正日将軍様を「睨み付けた」と噂された安倍さんの人気を高めただけだったような気もして来ますぞ。まさに小泉流の「使い捨て」ですなあ。


……安倍氏が自民党総裁に選出された場合、人事上のアドバイスを行うかについては「アドバイスする気はない。これから人事の苦しさが分かる。指導者の避けられない重要な仕事だ」と語った。総裁と幹事長を別派閥から出すいわゆる「総幹分離」とすべきかに関しては「人次第だろう。かつてのような派閥の論理は、今回の総裁選でなくなった」と述べ、こだわる必要はないとの認識を示した。新首相にとって最初のハードルとなる来年夏の参院選については「全く心配していない。かえって自民党の方が民主党より改革政党になった、若々しくなったと(国民に)思われるんじゃないか」と話した。

■小泉さんらしい、何とも強気の発言ですなあ。自分が支持されている理由が「初の戦後生まれ」「若さ」に有ると思っている安倍さんは、「安倍チルドレン」とでも呼びたくなる若手を側近に並べて政権を発足させたのでしたが、小泉さんの予言通りに「人事の苦しさ」を今になって噛み締めている安倍さんなのでしょう。重要なのは、あの掟破りの総選挙が「郵政民営化選挙」だったと今でも強弁している小泉さんにとっては、「自民党の方が改革政党になった」との自負と自信が有るのは当然で、そのまま参議院選挙に雪崩れ込めば楽勝だ!という皮算用も出て来るでしょう。しかし、その思い込み自体が大間違いだったらどうでしょう?

■国民の多くが、正気に戻って「あの選挙は何だったんだろう?」と考え込んだ時、最初にぶつかるのが「刺客」候補として当選した議員の身分でしょう。マスコミが取り上げざるを得ないような、兎に角、派手で目立って話題になり易い候補として、何となく「改革!」を叫ぶと絵になりそうな「若さ」と「女性」という条件で選ばれた人達の中には、当選するはずも無かった、誰が考えても「使い捨て」としか思えない候補が確かに混入していました。9月の時点で、小泉さんは「復党問題」をどう語っていたのかを確認してみます。


そのときの自民党、政権に協力するか、選挙区事情、施策の優先順位によって変わってくる。郵政民営化反対などと言って復党してくることはないだろう。自民党の方針についていきたいという人が戻るのは不思議ではない。総裁なり執行部がどう考えるかの問題だ。
産経新聞 - 9月10日

■小泉さんという人は、一見すると正論のような筋の通った事を言っているのに、それを総理大臣が言っちゃあ、オシメエよ!と言いたくなるような無責任極まりない突き放したような事を言う政治家です。たとえ正論であったも、政治家としての責任が有る以上、言い放しの開き直りは許されないはずなのですが、何故か発言が面白い!と支持される材料になってしまうのですから不思議です。この記事に紹介されている「復党問題」に関する発言も同じです。小泉さんが並べて見せた3条件は、①政権に協力するか、②選挙区事情、③施策の優先順位です。では、今の安倍政権が置かれている状況はどうでしょう?

金魚の糞の後始末? 其の八

2006-12-02 10:08:33 | 政治
■テーマを『金魚の糞』としたのは、金魚鉢の中で派手な金魚が変わった泳ぎ方をしていると言うので、多くの見物人が集まっていたものの、その金魚が客が飽きて去る前に、さっさと金魚鉢から飛び出してしまった後に、濁った水の中には不快に漂う金魚の糞だけが残った……そんな比喩を思い付かせる最近の自民党政府だからでした。その典型が「小泉チルドレン」と呼ばれる「元・刺客」の面々です。どんなに謙虚な性格の持ち主でも、議員バッヂを胸に付けると何を勘違いするのか偉そうに振舞うようになると言われていますが、まして、人気絶頂?だった「小泉」の屋号(!)をマスコミに書きたてられた新人議員の中には、自分達を「そんじょそこらの並みの議員とは違うんだぜ!」と心底から信じ込んでいるエライ議員が紛れ込んでいるのは困ったものですなあ。

産経新聞社はFNN(フジニュースネットワーク)と合同で11月30、12月1の両日、「政治に関する世論調査」を実施した。郵政民営化に反対して、自民党を離党した「造反組」議員11人の復党について「反対」と回答した人が67・2%に達し、賛成の17・3%を大きく上回った。世論の厳しい反応を裏付けた結果で、安倍内閣発足直後の9月に実施した前回調査で63・9%だった内閣支持率は、47・7%と16・2ポイント低下した。

■未だに理由が分からない高い支持率を保ったまま任期を終えた小泉さんの人気は、政治家としては何の実績も無い、ただ「美しい国・日本」をスローガンにしただけの安倍さんに6割以上の国民が支持を表明していたというのも、小泉人気と同様に不思議な現象でありました。山口県の地元ばかりでなく、マスコミの政治を担当する人達の中に「父の無念を晴らす」という、少々、時代遅れの美談仕立ての就任劇を言い立てる風潮が有りましたが、既に父の安倍晋太郎さんを知らない世代が増えている上に、外務大臣を務めたとは言え旧福田派を引き継いで間も無い時期に病に倒れてしまった人物は、温厚な性格も原因でしょうが、非常に薄い印象しか無かったはずです。そんな人物の息子さんに、就任直後の御祝儀相場ではあっても、6割以上の人は、一体、何を期待したのでしょう?く


自民党支持層でも復党反対が57・6%となり、賛成は31・4%だった。世代・性別ごとでは、復党に最も反対が多かったのは50代男性の74・2%で、次いで50代女性の73・1%。逆に20代では反対が60%を下回っており、内閣支持率も50%を超えるなど安倍政権支持の傾向が強いことがうかがえた。復党に反対した人の理由で最も多かったのは、「来年夏の参院選目当てなのがあからさまだから」で45・1%。「かつて郵政民営化に反対した」24・6%▽「復党の理由がよくわからない」15・9%-が続いた。逆に、賛成と答えた人の理由では「『造反組』議員はもともと自民党議員だったから」が最も多く、43・9%だった。

■「復党問題」はこのようなアンケート調査には適さないのではないか?という気がしてなりませんなあ。何とか短時間に記事や放送時間の枠内に収めねばならないマスコミも大変な苦心をしている様子が伺えますし、もやもやしている気分を切り捨てて賛否を答えねばならないアンケート調査の対象とされた人達も同様に、「筋か情か」という尺度でしか判断が出来ないでしょう。そもそも、「郵政民営化法案」が参議院で否決されたという理由で衆議院を解散する、というのは、非常に面白いけれども民主主義のルールには違反していました。しかし、何だか近年稀に見る痛快な話のようでもありましたし、解散直前まで政治家もマスコミも「解散は無い」と信じ込んでいたので、その奇策をじっくりと判断する暇もなくお決まりの選挙報道が始まってしまったのでしたなあ。

■お手軽な時代劇を模した「刺客」騒動に仕立て上げられた選挙を、
小泉さん御本人が言った通りに、「郵政民営化選挙」「小泉改革選挙」と銘打って、小泉改革そのものの功罪を吟味することもなく、各選挙区で始まった馬鹿馬鹿しい限りの騒動をマスコミは煽りに煽ったのでした。今は刑事裁判の被告人になっているホリエモン君やら、タイゾー君やら、いかなる政治課題とも無関係な若者の空虚な発言やパフォーマンスが連日報道され、それ以上に「女の戦い」と称して岐阜や東京の女性候補同士の対決?が集中的に取り上げられたりもしましたなあ。でも、あの選挙は本当に「郵政民営化」を争点にして戦われたのでしょうか?


「造反組」の復党願提出に際し、党執行部が求めた誓約書提出などの条件については「妥当」とする意見が36・2%で最も多かったが、「甘すぎる」との回答も33・4%に上った。復党問題が来年の参院選に与える影響についても、「自民党にプラスだとは思わない」との答えが57・6%と、「プラスだと思う」の23・4%の2倍を超えた。自民党の支持率も前回の43・4%から37・3%に低下した。ただ、民主党支持率も前回を0・8ポイント下回る17・0%にとどまり、有権者の支持を拡大できずにいる。

■選挙期間でさえも、有権者の関心は「郵政民営化」ではなく、年金問題や景気回復、そして何より「格差社会」の大問題に対する解決策を政治家達に求める声が圧倒的だったのです。しかし、小泉劇場では「郵政民営化」に賛成か反対か、それだけが叫ばれて日本列島は奇妙な熱気に包み込まれていましたなあ。おそらく、「小泉チルドレン」や「刺客」に投票した人達は、郵政民営化が実現したら、小泉さんや竹中さんが言う通りに「全ての問題が解決する」と思い込んでいたのでしょう。しかし、今から思えば、あそこで「郵政民営化」を一旦は潰して、小泉改革の総点検をしておけば事態を少しばかり後戻りさせて善後策が打てたかも知れないのです。郵政改革よりも重要な問題と、小泉改革を推進する事との整合性を点検しないまま、自民党は「勝った!勝った!」のお祭り騒ぎで、マスコミもそれを面白可笑しく報道するしかなかったのでしたなあ。