信州の山事情・・・・その2  ボッになった文章

2008年03月17日 | 信州の木材
 「原木安定供給システム研究会」の続きを書く前に、下記文章は2月半ばに、地元紙に投稿してボッになったものであるが、ステップ段階として載せることにした。字数に制限があるので、少し短絡になっているかもしれないが、今の山事情と思って読んでいただきたい。


 「森林税の導入で間伐に対する認識が広がってきたところであるが、今日本の山林に大きな転機が訪れている。戦後の荒廃した山に唐松が多く植林されてきたが、つい最近まで輸入材との価格競争に勝てなく、森林整備を80%をも切捨にする間伐手法でしのいできていた。
 しかし、ここにきて、ロシアが木材にかってない関税をかけてきている。その関係で合板工場が、ロシア材から内地材にシフトし始めたのである。完全にシフトするならばその消費量は今までの需要量とは桁違いである。世界中の資源が奪い合いになっているのは、木材だけには限らないのが現状である。昨年は住宅着工数の減少もあり、一般にはそう目立った動きに見えなかっただろうが、業界は強い危機感を感じている。さらに関税が上昇する今年、来年以降、極端な木材の需要と供給のアンバランスが生じるのは目に見えている。
 手入れがされてない里山や二酸化炭素削減問題もあり、県も民間も森林整備に力を入れなければならないのは急務であるが、事業の内容が切捨て間伐だと聞く。切迫しつつある現状を把握して、需要に見合う程度の木材は搬出して資源としての有効利用を切に願うところである。
このまま現状どおりでいくならば、何年もしないうちに、間伐問題と同時に、乱伐されたまま植林されない禿山で苦慮する事態も出現してしまうかもしれない。現に他県ではそれが杞憂ではなく現実問題になっていると聞く。
 先人たちが汗して植林した木である。ただ伐って朽ちるのを待つだけでなく、1本でも多く市場に出すことが、その努力に報いることではないだろうか。
 せっかく軌道に乗り始めた、県産材を使う住宅に水をささないためにも願うばかりである。」

                      依田 美恵子
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