「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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港区内の有名私立中学グラウンドでセシウム137と134の合算量は570 Bq/kg

2011-08-11 23:55:55 | 福島第一原発と放射能

 港区内の有名私立中学校のグラウンドで放射性物質による土壌汚染は、セシウム137が300 Bq/kg, セシウム134 が270 Bq/kgだそうです。合算すると570 Bq/kgになります。僕は、チェルノの放射線管理区域に相当すると考えます。 この環境は、子供たちに大きく影響を与えると思いますが、この有名私立中学は特に問題がないとして、なんの対策も取っていないそうです。都内にこのくらいの放射性物質による汚染は、多いと思いますから、だから何の対策も取らないのかもしれませんが、今までまったくなかった放射性物質がこれだけの量降っているのに、ここはなにもしないそうです。僕はかなりびっくりしました。日本を代表するような名門の私立中学校の対応がこのレベルと言う事です。日本で最もセシウムの土壌蓄積が多かった東海村で60Bq/kgくらいですから、この学校の子供たちも、突然、これだけの放射性物質の環境下に置かれているということです。

 千葉県市川市でもセシウムの合算量が1300Bq/kgを超えていたり、比較的降下量が少ないと見ていた、世田谷南部の高級住宅地でも550Bq/kg程度だったり、耳に入ってくる汚染状況は、僕には深刻なものが続きます。多くの皆さんから、個別の住所の公開などが要請されていますが、個人宅も多く現実には難しいです。公的な機関からの問い合わせには、極力対応しています。しかし、極力対応してもきちんとやるのか、こちらが疑うケースもあります。

 三郷市にこちらから、情報を伝えました。そうしたら三郷市から次のような答えがあったそうです。「14000Bq/kgの土のあたりをガイガーで測り、0.45μくらいでした。べつのふき溜まりを測ったら1.5μだったから、0.45ならそんなに高くないので不思議ですね」と。その場所、こちらで測っても0.48μなところです。その場所は14000Bq/kgあるのだから、除染葉必要でしょうと強く要求したのですが、「再度調査しても検討」という答えになったそうです。こんなの分かりきった場所はまず除染するしかない訳ですし、空間線量と、汚染度合いが完全に連関するものではありません。空間線量が低くても、大量の放射性物質があったのは、チェルノブイリにはあたりまえの現象です。こんなことくらい、きちんと理解して欲しいですし、土壌が大きく汚染されている場所くらいは手を付けろと言う事です。

 今回の土壌調査が、庭など植え込みなどあえて高く出るところを採取しているという、噴飯物の中傷がありますが、一人一人の個人宅の中で土のあるところを採取しているだけで、採取の方法も検査会社の指定に基づいておこなっています。公園や学校は条件がクリアできないと、調査できませんので、クリアしたものを調査しています。雨どいなどの下ばかりから採取する事などもおこなっていません。そうした、基本的にどういう調査をしたのか(会見にもある)も踏まえずに、「妄想」をわめく人ばかりいます。本当にうんざりします。「妄想」はどうでもいいです。東京は現在、間違いなく、放射性物質に汚染されています。しかもセシウムのみならず、様々な核種、特にベータ線核種の危険は大きいです。何度も言いますが、東京はキエフ並みに汚染されています。その事実だけは認めるべきです。この危険を回避することに、頭を使うべきです。