「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

日本と世界のリアル状況確認と僕の思索を書き留めるブログ。
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事実上の誤報をなぜ訂正しないのか

2009-10-29 09:49:22 | 長井さん殺害の事実関係
長井さんのビデオカメラにまつわる報道は
事実上の誤報です。
報道された写真に写る
ビデオカメラは
長井さんが撃たれた際に撮影していた
カメラでないことは、ほぼあきらかです。
写真はスペアのカメラです。
特にご遺族に、インタビューし、
「やっぱりカメラはあったんですね」という
コメントを掲載した社もあります。

今回のミスは、
過去のスクラップやデータベースを
きちんと確認すれば
その時に二台カメラがあることは確認できます。
僕も午前四時過ぎに
ネット上で気づいたときに
何か違う感覚が走り、過去記事は確認しました。
僕と同じ作業を
各報道機関がしていれば
もう少し違うニュアンスになったと思います。

ただ人間誰しもミスはあるので
それはある意味しょうがないのですが、
その後の訂正を明確にしている社が
無いような気がします。
これはばっくれてすむレベルではありません。
今からでも訂正すべきと思います。

ミャンマーの軍政側とスーチーさん側の
関係の変化は大きいと思います。
そこにいろんな政治勢力が
いろんな思惑で動いています。
なぜこの情報が出ているのか、
背景を思考する癖があれば
今回の間違いは無かった気もしています。

ところで報道機関といえば
朝日新聞が日曜日の読書面で
人の紹介コラムで
明石昇二郎氏を
長井さん本に絡めたパブ記事を
出しています。
この本の製作について
著作権の観点からトラブルとなり
朝日新聞の子会社が出版しないという
判断をしたにもかかわらず
このようなパブ記事を平然と載せる
朝日新聞学芸部の良識を疑いますし、
明石昇二郎という人間の
品性下劣ぶりには
呆れかえるばかりです。

明石氏の問題点については
引き続き世の中にあきらかにしていきたいと
考えています。
僕は奴を絶対に許しません。

緊急情報 長井さんのカメラ続報「撮影時カメラの写真ではない」

2009-10-27 14:19:40 | 長井さん殺害の事実関係
このブログの前の記事で
慎重な確認が必要と
書いたことがあたっていたのですが、
今回の写真に出ているカメラは、
すでに返還されている
バックアップ用のカメラでした(キャノン製)。
写真の他の品々が
返還されているはずのものばかりでしたので
このカメラも
すでに返還されている物でないかという
類推が正しかったことになります。

ビルマの民主化団体が
出してきている情報は
悪気は無いのかもしれませんが、
軍政とスーチーさんの関係の微妙な変化など
いくつかの政治情勢の変化を受けて
前よりもさらなる精査が必要だと
僕は、感じています。

ということで
長井さんの撮影していたカメラ(ソニー製)は
未だ所在が分からず
返還されていないままです。

僕らは長井さんのカメラとテープの返還を
引き続き求めていくことになります。

緊急情報 長井さんのカメラ

2009-10-27 05:03:58 | 長井さん殺害の事実関係
緊急情報です。
読売新聞のサイトに載っている写真をご確認下さい。
遺品の写真が載っています。

しかし
焦点のビデオカメラは写真では一つだけです。

というのも注意が必要なのは
長井さんの撮影時のカメラはソニー製で
それ以外にバックアップのカメラが
キャノンでした。
そして撮影に使われなかった
キャノンのカメラは
実は返却されています。

この写真に出ているカメラが
僕は、どちらかは判別できていません。

写真にあるもののうち
僕が見る限り、
恐らく
大半は返却されているものであることも
分かっているため、
このカメラが
当該カメラであるかどうかは
慎重に確認が必要です。

もちろん当該カメラであれば
これは大変大きな前進になります。
現場の混乱でカメラが紛失したという
軍政の言い分が
ウソだと立証されるのですから。



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射殺の長井さん、遺品・遺体の写真…軍政撮影か(読売新聞) - goo ニュース
射殺の長井さん、遺品・遺体の写真…軍政撮影か


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091027-OYT1T00059.htm?from=main1


長井さんの遺品の写真=ロイター 【バンコク=田原徳容】ミャンマーで2007年9月、軍事政権による反政府デモ弾圧を取材中に映像ジャーナリスト、長井健司さん(当時50歳)が射殺された事件で、ロイター通信は26日、軍政が撮影したとみられる長井さんの遺品や遺体の写真5枚を配信した。

 反軍政組織「ビルマ民主の声」(本部・オスロ)から提供を受けたもので、1枚には、事件当時に長井さんが手にしていたとみられるビデオカメラやパスポート、携帯電話、バッグなどが写っている。軍政は遺族らの再三の要請にもかかわらず、ビデオカメラなどを返還していない。

 ビルマ民主の声のキン・マン・ウィ事務局長補佐は本紙の電話取材に対し、「写真はミャンマー政府が撮影したもので、26日に現地のスタッフが政府筋から入手した。日本の政府や日本人に真実を知ってもらうために公表した」と語った。

(2009年10月27日00時44分 読売新聞)

岡田外相とミャンマー外相会談

2009-10-08 00:00:50 | 長井さん殺害の事実関係
まず外務省のHPより
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長井健司氏死亡事件

 岡田大臣より、2007年に発生した長井健司死亡事件に関し、事件の真相究明およびカメラ等の遺留品の返還に引き続き協力してほしい、これは多くの日本人の気持ちである旨述べました。これに対し、ニャン・ウイン外相は、これまでミャンマー内務省および警察が説明を行っているが、同事件は多くの人が集まり混乱した中で起きた事件であり、遺留品については全国で捜索を行っているが未だ見つかっていない等説明しました。
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ビルマVJを見た後では、
空々しい言い訳です。
場所の状況を完全に捕捉しているのは
軍政側で
軍に撃たれた長井さんの遺品を
民衆や第三者がかすめとる余裕は
ありえないとしかいえません。

どこまでも、どこまでも、嘘をうたいつづけるのですねえ。

長井健司の銃撃がクライマックスの映画「ビルマVJ」

2009-10-07 01:44:21 | その他
『ビルマVJ』です。

2009年サンダンス映画祭 世界映画ドキュメンタリー制作賞受賞作品
日本初公開  デンマーク/2008/84分/ドキュメンタリー
監督:アンダース・オステルガルド
原案・脚本・助監督:ヤン・クログスガード

映画としても面白く緊迫感のあるものでした。
何回も何回も涙腺を強く刺激するような
ストーリーの展開もあり
名もない、ビルマのビデオジャーナリストの
戦いぶりは、
以前、北朝鮮のジャーナリストの裏側を
再現ビデオを含めて特番にした経験もある僕には、
ミャンマーでも同じようなことが
おきているのだということを
改めて強く認識しました。

ただし、この作品の欠陥は
クライマックスが長井さんの銃撃にあるのに
そこの部分の意味づけがきちんと
作品の中でなされていないことでしょう。
作品の時間の流れでは必然的にそこで盛り上がっているのに
編集上演出上の意味づけをされていない感じです。
これは主人公であるビルマのVJと
長井さんが直接コンタクトがないからかもしれません。

ただ、この欠陥は大きいものの、
作品としては見る価値もあり
エンターティメントにもなっていると思います。

このドキュメンタリー映画について
ヨーロッパではテレビ放映があったそうです。
長井さんの知人から頂いたメールです。

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先日ブログで紹介されていた、「ビルマVJ」ですが、ちょうど3週間ほど前に
こちらでもテレビで放送されていました。
深夜にかけてのドキュメンタリー番組の放送時間枠だったので、
気がつかないこともあるのですが、
間もなく2007年のミャンマーの反政府デモから2年を
迎えるということで、
テレビ番組紹介欄に1部の映像とともに、大きく紹介されていたので
興味を持ちました。
私自身は、この一連の流れをこれだけ詳しく長い時間にかけて見たことが
なかったので、日を追うごとの動き、僧侶たちへのインタビューや彼らの活動、
その当時の街の様子や、一般の市民を含めた人々の表情、撮影者の
日々の心理状態など、伝わってくるものが沢山ありました。
もちろん、長井さんの銃撃された場面も、
その一連の流れの中で、伝えられて
いました。撮影者は、瞬時にして映像を何度も確認しながら、
今撃たれたのは外国人のようだ、
日本人のジャーナリストではないかと仲間たちと交信しています。
撮影者も常に身の危険を感じながらの取材であることはもちろんですが、
あの時、前面に出て取材をし続けた長井さんの立っていた場所、
その凶弾に倒れた
長井さんの映像を撮った撮影者との距離、
あらためて長井さんがあの時どれだけ近い
ところで撮影を続けていたかということがとてもよくわかりました。
映画は、長井さんが亡くなった後も、
街の様子や人々の表情をまだしばらく追っていくのですが・・・


長井さんの3回忌も過ぎて、
でもこれからもいろいろな解決に向けて、
さまざまなこともあるかとは思います。
相変わらず、長井さんを利用したり、不当に扱われたり、
悲しい現実がありすぎて、
大変なことと思いますが、どうぞこれからも頑張ってください。
これからもずっと変わらず応援しています。
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アウン・サン・スー・チーさんと軍政側の会談について

2009-10-04 01:37:07 | その他
一定程度の妥協が両者の間で起きるときに
情勢の劇的な変化もありうるので
注意が必要と考えています。
こうしたことが、長井健司のカメラの行方にも
影響が及ぶこともありえると思っています。

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スー・チーさん、軍政側と会談 制裁解除問題を協議か(朝日新聞) - goo ニュース
スー・チーさん、軍政側と会談 制裁解除問題を協議か
2009年10月3日(土)23:27
 【バンコク=松井健】ヤンゴンからの情報によると、自宅軟禁中のミャンマー(ビルマ)の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんが3日、ヤンゴン市内で軍事政権のアウン・チー対話調整担当相と会談した。スー・チーさんは先月下旬、欧米諸国による制裁解除に向けた方策について話し合う意思を示唆した書簡を軍政に送っており、制裁解除問題について協議した可能性がある。国営テレビは同日夜、「2人は書簡に関して話し合った」と伝えた。

 スー・チーさんと担当相との会談は昨年1月以来、約1年9カ月ぶりで、政府施設で約45分間にわたった。
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