「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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放射能ガレキ、放射能焼却灰、放射能土、放射能草の拡散を止めましょう。

2011-08-01 13:56:49 | 福島第一原発と放射能

 とにかく、今までの既存のスキームでおこなっていたことが、ほとんど通用しないと言う事をありとあらゆる、業界の担当者、行政担当者がはやく自覚してほしいということです一般ゴミの焼却灰を以前と同じように流通させると、どこに放射性物質が残るのかわからないと言う事です。放射性物質は基本的には焼却するものではありません。高濃度に付着した放射性物質は、付着したものそのものをある特定のエリアに集める事しかできません。あつめて何もしないことしかありません。例えば、福島の近接エリアで高濃度に被曝した車両が何の除染もされずに、違うエリアまで運ばれていた事に端的に示されています。国が指針を一向に示さず、高濃度に放射性物質に汚染されたものを一体どこにおくのかを決めないからです。拡散すればするほどセーフティーゾーンを狭まります。時間の猶予がないことは何回も書いています。方法は一つしかありません。福島第一原発の周辺地域に、集約するしか手段がありません。現実にどうしても回復不可能な場所がどこであるのかを国が明示して、その地域に大幅に補償を渡し、そこにこの放射能被害で一定レベル以上になる放射性物質が付着したものを全て集めるのです。空気拡散しないような処置をし、そこに置くしか方法はありません。

 ガレキはどのエリアでどの程度被曝しているのかはっきりとはわかりません。都内の焼却ゴミであれだけの放射性物質があるのなら、どこでも被曝は進んでいます。こうしたものを拡散して燃やす事は無理です。燃やすとしても、ほとんど放射性物質を吸着するシステムを開発して燃やさないと無理です。現行の焼却システムは本来、放射性物質には対応していません。

 一般ゴミの焼却灰も今までと同じルーティンでは無理です。関東圏の一般ゴミはどこで高濃度になるのかわかりません。焼却灰の処理も、これまでのスキームで処理できるのかどうか、もう一度判断が必要です。いままでのような、化学物質のみならず、放射性物質が含まれた灰の処理は厄介です。埋め立てる事は除染にはなりませんから。

 放射能に汚染された腐葉土が沖縄まで出回っていました。葉っぱや小石は、土以上に放射性物質がたまります。腐葉土は濃縮されると言う事です。こうしたものは、福島産でなくても関東全域、関東隣接県の産地であっても、同じようにおこります。これまで、売り捨て商品だった腐葉土がそういうものではないということです。こういうことも、製造会社の担当や販売会社の担当がまず警戒すべき事です。芝生みたいなものも商品として売られていて、これも高濃度だった事が判明したケースがあります。茨城県の芝でした。同じ事です。汚泥肥料の話も全く同じです。

 放射能をどうやって防御するのかということが、日本国内で最優先事項になっているという現実を、政治家も官僚も、地方自治体もまったく公に認めない状況が続いています。無理です。絶対に無理です。これを優先しないと日本の国益と日本国民、特に若い世代や次世代の国民の生命や健康は大きく損なわれます。対応がすでに五ヶ月近くもきちんと為されていません。このままこの状況を継続させてはなりません。