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旧約聖書を読む 5

2018-01-28 17:05:41 | 

 神はひとりか。

 これが、かなり微妙だ。聖書のあちこちで、エホバの神は 「 他の神々を信じるな 」 と言っているが、それとは別な問題がある。

 創世記第1章26~27。神は言われた。「 我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう 」。そして、男と女を創造した。つまり、男と女は同時に生まれた。

 これに対して、創世記第2章では、まったく違う神話が語られている。神は最初に男を造り、彼をエデンの園に連れてきてから女を造ったという。一般に知られているのはこっちの方だろう。

 最初の神話では、神の一人称は 「 我々 」 になっている。「 我々 」 に似せて、人間の男女を創造した。つまり、この神話では、神は男女のカップルだったことになる。カナン地方の神バアルと、その配偶神アシュトレトのように。

 複数形の 「 我々 」 が出てくる話は、まだある。創世記第3章22。善悪を知る木の実を人間が食べたことを知った神は言う。「 人は我々の一人のように、善悪を知る者となった 」。創世記第11章7。バベルの塔を見て、神は言う。「 我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう 」。

 他国の神々とは違うということを強調するためか。神はひとり、ということになった。だが、そのように聖書を書き換える過程で、「 修整もれ 」 が残った。それが創世記第1章、3章、11章、ということなのだろうか。