旧約聖書を読む 7

2018-01-30 17:10:03 | 

 神の属性。

 ヴェーバーは、「 エホバの神は、シナイ半島にある火山の神である 」、としている ( 「 古代ユダヤ教 」)。それはおそらく、正しい。聖書の記述からわかる。

 モーセの前に初めて現れた時、神は燃え上がる炎の姿をしていた ( 出エジプト記3 )。

 ユダヤ人を前にして、神がシナイ山に降った時、全山煙に包まれた。神が火の中を山の上に降られたからである ( 出エジプト記19、18 )。

 神の栄光は、ユダヤ人には山の頂で燃える火のように見えた ( 出エジプト記24、17 )。

 エジプトを出て荒れ野をさまようユダヤ人の中に不満分子が発生。公然とモーセに逆らうようになる。すると大地が口を開いて彼らの一部を飲み込み、さらに神の火が250人を焼き殺した ( 民数記16 )。

 預言者エリヤはイスラエル人に向かって言う。「 火をもって答える神こそ神であるはずだ 」( 列王記上18、24 )。

 アラム王の家臣は、王に向かって言う。「 イスラエル人の神は山の神だから、彼らは優勢だったのです。もし平地で戦えば、我々の方が優勢になるはずです 」( 列王記上20、23 )。

 これらはすべて、火山活動を表現している。

 また、ユダヤ人が行う儀式からもわかる。「 毎日1歳の雄羊2匹を、朝夕1匹ずつ、燃やして主に捧げる宥めの香りとする 」( 出エジプト記29 )。
 この儀式は、噴煙を上げる火山=神の 「 形態模写 」 ではないだろうか。火山であるところの神の真似をすることによって、神の力を獲得する。フレイザーの言う 「 共感呪術 」 というやつだ。

 だが、神は単なる火山ではないように思われる。それは・・・。 ( つづく )
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